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お茶が飲みたくなる小説と、お茶が美味しく飲めるようになる本

急に肌寒くなり、おうちやカフェなど室内で本を読んで過ごしたい季節になりました。10月28日から2週間は読書週間とされており、名実共に読書の秋ですね。タイトルに「お茶」と入っている本を見ると、やはり手にとってしまいます。

一言にお茶の本と言っても、何気なく飲んでいるお茶への見方が変わる本や、お茶が美味しいお店に行きたくなる本、自分でもお茶を淹れてみたくなる本など内容は様々。いい本は、読み終わった後に何らかの行動を起こしたくなるものです。

そこで今回は、お茶の世界観が自然と身体に染み込むお茶がテーマの小説と、それを読んだ後の行動を後押ししてくれる副読本のようなレシピ本などをセットでご紹介していきます。もちろん、副読本としてご紹介している本を読んでから小説を読んでも楽しめますよ

近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』

世界各地の珍しいスイーツやお茶を出すカフェが舞台の小説です。主人公の元同僚の円のスイーツの知識によって問題が解決していくなど、各国のお菓子の歴史や逸話が物語に絡んでいて読み応えもあります。

近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』

そのカフェのメニューには、緑茶に生のミントを浮かべたモロッコミントティーや、コーヒーと紅茶とエヴァミルクを混ぜた香港の鴛鴦茶(ユンヨンチャー)など世界各地のドリンクもあります。お茶の新しい飲み方に出会える一冊です!

【副読本①】『世界のホットドリンクレシピ』

他の国にはどんなお茶があるのかな、と気になったらこの本です。「ヨーロッパ」「アジア&オセアニア」「北アメリカ」「南アメリカ」「アフリカ」の五つの地域のホットドリンクが載っています。お茶だけでなく、お酒やコーヒーのアレンジも豊富です。

どのレシピも材料が2〜5個程度で、基本的に温めて混ぜるだけ。スイーツを再現するのは難しくても、ドリンクは気軽に作りやすいですね。

『世界のホットドリンクレシピ』

実はTSUNAGUTOのような日本茶も、スパイスを加えることで海外のドリンクのように楽しめます。チャイだけでない、ミルクを入れないスパイスティーのレシピを下の記事でご紹介しています。


古内一絵『最高のアフタヌーンティーの作り方』

老舗ホテルのアフタヌーンティーチームが舞台のお仕事小説です。カフェやホテルが舞台の小説は数あれど、アフタヌーンティーの裏側を描いた話は珍しいですよね。実在するホテルをモデルに、四季折々の庭園とアフタヌーンティーのメニューが描かれています。

主人公の涼音が突っ走るタイプなので最初は不安になりますが笑、各登場人物が季節とともに皆が成長していく様に、爽やかな気分になります。

古内一絵『最高のアフタヌーンティーの作り方』

中でも気になるのは、「ソロアフタヌーンティーの鉄人」のお茶セレクトです。好きなお茶を自由に飲むのもいいけれど、お菓子に合わせてベストなお茶を注文する常連さんがいたら、やはり店員さんにも一目置かれるようです...!

【副読本②】『おうちで楽しむためのアフタヌーンティーLESSON』

冒頭には紅茶14種のクオリティーシーズン(紅茶の旬)や特徴が分かりやすく書かれ、中盤には洋菓子だけでなく果物やスナック菓子、和菓子に合う紅茶がジャンルごとに紹介されています。これを知っておけば、「ソロアフタヌーンティーの鉄人」のようなお茶セレクトができるかもしれません笑

タイトルの通り、おうちでアフタヌーンティーを楽しむための本なので、お茶時間を華やかにするアイデアも満載です!


古内一絵『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』

『最高のアフタヌーンティーの作り方』の著者の古内一絵さんといえば、この『マカン・マラン』シリーズでご存知の方も多いかもしれません。元イケメンのドラッグクイーンが営むカフェでは、タイトルの通り23時以降に夜食を提供しているのですが、お客さんの体質や症状に合わせたお茶も差し出されます。

古内一絵『マカン・マラン』

「茶や食い物なんかで病気が治るなら、医者はいらないだろ」とケチをつける登場人物もいますが、お茶や食べ物で治るというより、自分が食べているものに気を配ることや、気を配ってくれる人がいることの影響のほうが大きいのではと考えさせられる小説です。

【副読本③】小林香里『いつもの飲み物にちょい足しするだけ!薬膳ドリンク』

『マカン・マラン』では参考文献としてマクロビオティック(玄米菜食を中心とする食事法および思想)に関する本が挙げられていました。参考文献以外にも医食同源や薬膳の本も数多くありますが、食事ではなく「飲み物」に特化していて、特に分かりやすかったのはこちらです。

本の最後にある「食材相性表(横軸がお茶、縦軸が食材)」がとても見やすく、お茶ごとにどんな食材が合うのかがひと目で分かります(①はたらき、②寒熱の性質、③味の3つが揃っているものは◎で示されています)。

小林香里『いつもの飲み物にちょい足しするだけ!薬膳ドリンク』

小林香里『いつもの飲み物にちょい足しするだけ!薬膳ドリンク』

小林香里『いつもの飲み物にちょい足しするだけ!薬膳ドリンク』

お茶以外にも豆乳や甘酒、ヨーグルトなどをベースにしたレシピも載っていて、生活に取り入れやすいですよ!


阿佐ヶ谷姉妹『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』

交換日記のようなエッセイですが、阿佐ヶ谷姉妹が書いた小説も掲載されている一冊です。お二人のあまりにも庶民的(?)で共感を呼ぶそのライフスタイルやキャラクターが人気で、この本もこの秋ドラマ化されます。

阿佐ヶ谷姉妹『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』

阿佐ヶ谷姉妹といえば、言わずと知れたほうじ茶好き。作中に登場するのはほうじ茶や玄米茶なので、香ばしい香りのお茶がお好みだと推測できます。作中でも美穂さん(妹)が江里子さん(姉)に差し出すのもほうじ茶です。

この二人の間にあるのがいつでも「お茶」であることが、彼女らのキャラクターにも馴染み、魅力を増幅させていると感じます。お茶がある暮らしは決して難しいものではなく、もしかしたら、とても庶民的な暮らしなのかもしれません。

【副読本④】和多田喜『新装改訂版 日本茶ソムリエ和多田喜の今日からお茶をおいしく楽しむ本』

このnoteに目を通してくださっている方は、少なからず既にお茶がある暮らしをされているのではないでしょうか?いま家にあるお茶が一手間で美味しくなる方法を知っておいて損はありません!

こちらの本では煎茶だけでなく釜炒り茶番茶、国産紅茶(和紅茶)の淹れ方も扱っているので、TSUNAGUTOのお茶とセットで楽しめます。熱湯を注ぐだけでも手軽に楽しめますが、ここを変えたらもっと美味しい、というコツを教えてくれる本です。

和多田喜『今日からお茶をおいしく楽しむ本』

著者の和多田さんは表参道で日本茶カフェをされており、どっぷりお茶にハマっている方々がこぞって勧める名店です。まずはプロの味を知るのもよいかもしれません!


読書とお茶をセットで楽しむ!

お茶が持つ雰囲気を味わえる本から、実際にお茶を美味しく楽しめるようになる本まで、ごく一部を紹介させていただきました。お茶の本は年々増えているので、ぜひ本屋さんでチェックしてみてくださいね。

↓他にも、お茶が印象的に登場する女性筆者のエッセイはこちらのnoteでご紹介しています!

読んだ本に影響されて、今までとは違うお茶が飲みたくなることもあるはず。読めば読むほど、お茶を探したり選んだりする楽しみも増えますね。

TSUNAGUTOのお茶は、一煎目はもちろん、再度お湯を注いで二煎目も楽しめます。じっくり読書をしながら、同時にお茶も楽しんでくださいね。

W:矢島愛子

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