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マーケティングのデータ分析のコツ3つ
今回は、データ分析をするにあたって、留意しておきたい3つのポイントを整理します。
ちなみに、前回は仮説の立て方から検証項目に落とすところまでをまとめていますので、興味のある方は▼こちらをご覧ください。
参考文献は引き続きこちらです。
1.検証の目的によって結果が違う
以下のグラフはサンプルデータです。クラウドサービスを提供している業者が競合と比較するブランドイメージのアンケートを実施したと想定します。これをどのように社内に報告するでしょうか。あなたの会社はA社です。
✔ 目的があいまいな場合→総じてうまくいってます
✔ 分析目的が「競合よりもセキュリティが強い会社として認知されているか検証しよう」であった場合→「セキュリティがB社に比べて劣勢である」という、ブランディングの見直しが必要
という具合に、検証の目的によって、報告の結果が全く違います。何を明らかにしてどの行動につなげるかという軸が必要です。
2.比較の視点が増えると分析の精度が高まる
自社のサービス2つあってどちらに投資しようか悩むとします。売上と利益額だけの場合、利益額を重視するならA、売上を重視するならBという判断になりそうです。
これが下のような市場規模の情報があったら、どうなるでしょうか。
市場規模の観点が出てくると、Aのサービスの方がリターンが高そうだという判断になるかもしれません。他にも、成長率や、ユーザー数、満足度、使用頻度など、様々な視点を増やせばもっと精度が高まりますね。
比較する比較の視点が増えると、分析の精度が上がるということが分かります。そして、1でふれた、目的にあった比較の視点を重点的に調べるというところも忘れないようにしたいところです。
3.「事実」だけでなく「気づき」まで深掘りする
データ分析の結果はFact(事実)のみでなく、Findings(気づき)まで深めることが大切です。Findingsを記載することで課題が見えてきます。
①事実「Fact」:数字から読み取れる客観的な事実
▼ 深掘り
②気づき「Findings」:Factから得られた気づき、解釈を加えたもの。
また、やってしまいがちなことは、FactとFindingsを混同した結果を出してしまうことです。
factとFindingsを分ける説明については、マッキンゼーが作ったロジカルシンキングのフレームワーク「雲・雨・傘のロジック」が参考になります。
引用:マイナビニュースhttps://news.mynavi.jp/article/20201009-1314218/
空:事実はどうか?
↓
雨:その事実から、どのように解釈するか?
↓
傘:どのように解決策を立案し、問題を解決すればいいか?
この3つの要素で考えることで、分析結果をロジカルに説明することができ、相手に適切に伝えることができます。
またこれは書籍関係なく、自分の中でのメモですが、データ分析調査や分析で得られたFindingsに合わせて、人間観察を中心としたInsightの調査もあわせてやらなければなりません。人間が意識できる顕在意識は全体の10%にしかならず、残りの90%は潜在意識にあります。行動の深層部にある感情を読み取ろうとしなければ、表層的なマーケティングに終始してしまいます。
引用:https://www.mu-sigma.com/
以上データ分析にあたって留意しておきたい3つのポイントでした。
この書籍は読むとさらっと読めてしまうのですが、ポイントを整理して人に理解させるために、いざ自分の言葉でグラフを作り、言語化してみると、自分の理解が追い付いていないことが分かってきて、とてもいい学びとなりました。
様々な本を手あたり次第、広く読む派ですが、1冊の良書をじっくりと深掘りして理解することの大切さを改めて認識しました。
引き続き、データ分析のポイントの整理をしていきます。
心地の良い1週間をすごしましょう!