金継ぎの手順書 vol.1 修理する器の種類と工程
今回は、自分が修理したい器の種類や何の修理方法が適しているのか見ていきましょう。
修理したい器の確認
修理の種類によって、修理内容や工程が変わるので割れているのか、欠けているのか、ひびが入っているのか確認してください。また、陶器、磁器、表面がザラザラしているのか、釉薬がかかっておらずマットな質感なのか、水を吸いやすい土質なのか、貫入が入っているのか、金彩があるのかを確認しましょう。
修理器の下準備
まずは、器に付いている汚れを落としてから作業しましょう。漆は油分、塩分にで硬化しない性質を持っているので、汚れを中性洗剤で洗ってしっかり乾かしてから修理を始めてください。長期に漬物や油分の多いものを保管していた器は塩分や油がしみ込み、漆が固まらないので修理できません。
ざらざら・釉薬のかかっていないマットな器はマスキングテープなどで、修理箇所を漆で汚れない様に保護してください。また、金彩などやすりなどで取れやすい加飾部分はマスキングテープなどで保護してから作業をしてください。
また、水を吸いやすい土質や貫入の入ったものは、内側から漆が染みて黒っぽくなるので、修理前に卵白を修理箇所、断面に塗って、乾かしてを3回繰り返して漆が断面より吸わない様に処理してから作業を始めてください。
金継ぎ修理の基本的な工程
器の種類や修理内容によって多少工程が違いますが、基本的は工程は同じです。初めは、色々な工程があって混乱してしまうかもしれませんが、この順番を覚えておくと今どこの工程にいるのか分かるので安心です。
次回からは、修理内容別に説明していきます。お楽しみに。