なぜ助産院を始めたのか
前回書かさせていただいたように、私たち夫婦は、今年2月に千葉県北西部に助産院を開設しました。
今回は「なぜ助産院を始めたのか」をお話しします。
今、日本では、晩婚化・晩産化・核家族化が進んでいます。
第一子の平均出産年齢が2016年の調べで30.7歳と、30歳を超えています。
1975年(私が生まれたくらい)より5歳。1985年より4歳高くなっています。
晩婚化ということは、ママもパパも何らかの役職に就いていたり、1日における仕事の時間も多くなって、「明るい出産」の展望が見えづらい、妊娠している自分を想像しづらい。そんな点が、晩産化に拍車をかけているように思えます。
晩婚ですから、ママのご両親もパパのご両親もそれなりのご高齢ということになります。
たとえ近くに住んでいたとしても、そこにあまり負担をかけたくない。との配慮からママの『ワンオペ育児』に陥りやすい環境があります。
ここからは、私の反省を含めた我が家のお話になります。
妻は病院の助産師、私も他病院で事務をしていました。
妻は朝7時過ぎに出勤して、夜の6時過ぎに帰宅する大体11時間の拘束。そして、月に8回程度の夜勤。
夜は子どもと過ごせず、帰ると寝るという日々がたくさんありました。
対して私は朝6時過ぎに出勤して、夜の7時くらいに帰宅。週1回の夜間診療受付があった。これまた結構な拘束時間でした。
帰ってきたら、ぐったりと椅子に座っていました。
子供は4歳と1歳。保育園の送りは妻でした。
拘束時間も多いうえ、保育園の送り・子供のお風呂・寝かしつけも妻。私の両親は70代半ば。あまり負担をかけたくない思いもありました。
それは妻は心身共にすり減っていきますよね。
振り返ってみると、これらの中で私も出来ることがありました。これは反省です。
まさに最初に書いた『ワンオペ育児』のような状況が、私達夫婦にもあったのです。
夫婦共にぐったりし、本来命を使いたかった子どもとの時間にパワーを注入出来なくなってしまったのです。
そんなわけで、「自分らしく生きたい」「子どもとの時間を増やしたい」との思いで、前職を辞めました。
年齢は関係なく、私達夫婦が陥ったような状況におかれている人はたくさんいると思うのです。
様々な状況で社会から孤立し、『ワンオペ育児』になってしまっているママ。
うちの助産院に来ていただきたいのは、そんなママ達です。
コロナ禍で子育て広場に行くことも難しく、1人で悩みを抱え込んでいるママに、『息抜き出来る場所』『お話しが出来る場所』を提供し、自分らしい子育てを楽しめるようになって欲しい。パパも一緒に育児を楽しんで欲しい。
そんな思いで助産院を開設したのでした。
次回からは、細かに妻にインタビュー形式で質問をしていきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?