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繋日之旅|日本と台湾がツナガル旅のつくり方

ツナガルでは、日本ファンの台湾人訪日客にむけ、まだ出会ったことのない日本での体験を提供することを目的とした「繋日之旅(日本と繋がる旅)」を企画しています。

旅行事業部の許雅媚(通称:みやび)は、「繋日之旅」でツアー企画・ガイドを務めており、これまで、「再会の旅」「ガストロノミーツアー」「グルメツアー」など、さまざまな企画を成功させてきました。

今回はそんなみやびの、日本と台湾が”ツナガル”旅のつくり方をご紹介します。インタビューを通して語られるみやびの原点や、彼女ならではの視点にご注目ください!

話を聞く人

許 雅媚(通称:雅)
台湾大学政治学部卒。ドラえもんとちびまる子ちゃんを観て日本語を学ぶ。2019年に日本に移住後、地方の人の温かさと地方部が持つ魅力に惹かれ北海道に転居。ツナガル株式会社に入社後は、台湾インバウンド客にまだ知られていない日本のコンテンツを発掘することをライフワークとしフィールドワークとツアー企画を続ける。
お客様が喜びそうなコンテンツをみやびの目を通してツアー化し、自身でアテンドした企画はすべて成功を収める。


①みやびさんってどんな人ですか?

最初に日本を訪れたきっかけは?
私(みやび)が日本にはじめて興味をもったのは大学生のとき。
兄に「日本に月明りで漫画が読める場所がある」と聞いて、WWOOF(ウーフ*)を使って北海道に行きました。

そこには、台湾で体験したことのない原始感があったんです。

灯りも水道もない場所、本物の大自然。
大自然のなかでは距離が縮まって、気軽に声をかけあって誰とでもすぐに友達になれる。

そんな環境が好きで毎年北海道を訪れるようになり、いまは北海道で暮らしています。

*WWOOF:お金のやりとりなしで、ホストである有機農家の「食事・宿泊場所」と、ゲストの「力」や「知識・経験」を交換するマッチングサービス

台湾出身のみやびさんが日本と台湾をつなぐ旅をつくる強みとは?
私が、日本と台湾をつなぐ旅をつくる強みは、まさに双方の国の文化理解ができることだと思います。

台湾出身の私は、台湾人の考え方や興味のあるものを直観的に理解できます。
また、現在日本に暮らしていることで、日本の文化や習慣、トレンドを肌で吸収できています。

台湾人は親日家が多く、日本のカルチャーに詳しいので、最新トレンドを求めています。
こうしたニーズに応えられ、お客様の好きなものや喜ぶ体験を理解できること、そして受け入れ先となる日本ローカル側の文化や地域に暮らす方々の気持ちを捉えて尊重できる点が、結果的に喜んでいただけるツアーづくりにつながっていると思います。

②ツアーの企画や進行はどのように行っていますか?

現在、ツアー造成から集客まで、提携している台湾人インフルエンサー(繋日之旅アンバサダー)の方々と組んで進行しています。
今回は、流れとポイントをそれぞれご紹介していきますね。

【ツアーの企画や進行の流れ】
1.商品企画
2.現地視察
3.視察先の観光情報をSNS投稿
4.地域ニーズ調整
5.商品造成~販売
6.プロモーション
7.ツアー本番、添乗
8.感謝のフィードバック

1.商品企画
インフルエンサーとともに旅のテーマやエリアの選定、提供価値等の企画
■POINT
商品企画におけるインフルエンサータイアップのメリットは情報感度が高いこと。またそれぞれに専門分野やテーマ性を持っているので王道だけにとどまらない切り口が得られます。独自リサーチに基づいて知られざる名店や穴場をセレクトしてくれるので、お客様への刺さりがとても良いです。

2.現地視察
インフルエンサー同行で現地入りし、実際の旅程を体験しながら行程を策定
■POINT
ツアー前には、必ず現地視察に行くようにしています。
立ち寄る食事処やお土産店に視察に行って、お店の方とコミュニケーションをとることが主な目的です。
外国人観光客に慣れていない地域では、お店の方が身構えてしまう場合もあるのですが、「マナーのあるお客様がいらっしゃいますよ、大丈夫ですよ」と事前にお伝えすることで不安を払拭いただいています。
また立ち寄り先が路地裏の名店などの場合には、観光バスの効率的なルートや、お店や近隣の皆さんに迷惑にならない駐車先も必ず確認します。
これは、受け入れ先の方々も、ツアー客の皆さんもお互いに気持ちよく過ごしてもらいたいから。
私の大切な仕事のひとつです。

現地視察の様子

3.視察先の観光情報をSNS投稿
インフルエンサーが視察先の観光情報をSNS投稿
■POINT
現地視察の過程で食べたものや見たものを、インフルエンサーが独自のSNSアカウントに投稿、発信します。
ガイドブックに載るような有名な場所だけではなく、昭和レトロな喫茶店や個人経営のお団子屋さんなど、ニッチな情報も発信しています。
インフルエンサーの目利き力でセレクトされた情報は、フォロワーの方々にも評判がよく、この時点で多くの好反応を獲得し、興味喚起や参加意欲の引き出しに大いに貢献しています。

実際に自分の足で巡り、感じ、心惹かれたものを発信する

4.地域ニーズ調整
受け入れ環境や現地ニーズを調査。無理のない行程に調整
■POINT
予定プランの確認が一通り終わったら、外国人観光客にウェルカムな事業者さんを大切にしながらツアー工程に組み込めるように調整します。
また、地元の方に甘味屋さんやお土産屋さんのおすすめ情報を聞いて、立ち寄れるようにスケジュールを組んでいきます。
特に台湾富裕層をターゲットにしたツアーでは、滞在中の観光消費額が大きく動くので、地域にお金が循環するように、立ち寄り先を丁寧に選定しています。

地域ならではの体験も大切にしている

5.商品造成~販売
正式ルートを決定、本格販売を開始
■POINT
視察結果や、同行してくれたインフルエンサーの意見も踏まえながら、地域の皆さんがハッピーになるような工程を最終策定、正式ルートとして決定します。
本格販売時には、ご納得ただける価格に調整して提供しています。

6.プロモーション
検索エンジンやSNSなど、現地言語でのデジタル広告等の実施・運用
■POINT
ツナガルの祖業であり強みでもあるデジタルマーケティングを活用して現地にプロモーションをかけていきます。
今回の場合は台湾向けですが、ツナガルでは25か国以上のプロモーションに対応しています。
中華圏(大陸・台湾・香港)、韓国、タイ、シンガポールなどの訪日旅行者が多い国はもちろん、今後の成長市場であるASEAN、欧米豪、中東エリアまで幅広くカバーしています。

7.ツアー本番、添乗
インフルエンサーとともに添乗してツアーを催行。行程中のムードメイキングや訪問先との調整を現場で進行
■POINT
地域とお客様の架け橋となるべく、ツアーにはインフルエンサーとともに添乗し、ファシリテーションを行います。
双方向の交流や会話が生まれるような質問の投げかけや、話しやすいムード作りをすることを心がけています。
また、ツアー中はお客様対応やケアが欠かせません。
台湾富裕層の方々に快適に過ごしていただくために、ケアには心を砕いています。

ツアーの様子

8.感謝のフィードバック
ツアー後、参加者および訪問先に対して感謝状を送付。双方が持続的に交流できる心理的なツナガリをつくる
■POINT
感謝状の送付はツナガルらしさが出ている取り組みではないでしょうか。実際に感謝状をきっかけにした参加者と訪問先のツナガリも生まれています。

▼こちらの記事では、インフルエンサータイアップに関するみやびのインタビューが掲載されています。ぜひあわせてご覧ください!


③旅づくりで大切にしていることを教えてください

私がアテンドするツアーでは、私が実際に訪れて心が動いた場所や、好きだと感じたお店など、私のおすすめを紹介しています。

プライベートで訪れた先で「これは台湾人に好まれそう!」と感じた体験やレジャーを、ツアーに組み込むこともあります。

コンテンツには「文化遺産」「郷土料理」「その土地ならではの風景が見られる場所」「地元市場での買い物などの体験」などの訪れる地域の特色を感じられるようなものは必ず入れるようにしていて、富裕層向けのツアーでは、「ミシュラン」も喜んでいただいています。

旅づくりで大切にしていることは2点。
「地域との関係性」と「人との交流」です。

「繋日之旅」では、その名の通りツナガリを大切にしています。
地方におけるツナガリの濃い旅づくりというのは、ツナガルの事業としてのコアな考え方でもあります。

だからこそ台湾のお客様にはただ消費して帰るのでなく、旅先や出会った方々への尊重のきもちを大事にしてほしいですし、そういった気持ちが芽生えるような旅のファシリテーションを心がけています。

外国人観光客が訪れることをポジティブにとらえ、歓迎してくれるのは地域だからこそ。
私たちは地域の方の好意に還元できるような、日本のローカルと台湾の観光客のあいだに新しいツナガリやシナジーが生まれるような旅を作っていきます。

➄インバウンドツアーが日本の地域にもたらすバリューってなんでしょう?


外国人の目線から地域の魅力を再発見できる
まだ訪れる外国人観光客が少ない地域では、地元の方が外国人観光客に興味を持って話しかけてくれることが少なくありません。

たとえば私がツアーを添乗するとき、地域の方々が「なんでここに来たの?」「なにを見てきたの?」「なにが美味かったの?」と声をかけて質問くださり、それがきっかけで、会話がはじまることがあります。

実はこうした外国人観光客との会話が、「自分たちの地域の魅力」に気づくきっかけになっているんです。

「紅葉が綺麗」「ロケーションの中央にお寺があって写真映えする」など、外国人の目線で捉えた地域の魅力を知ることで、
「わたしたちのまちには魅力が少なくて」とおっしゃる方にとっても、ご自身の暮らすまちの良さを再発見する機会につながっているのではないかと思います。

外貨がもたらす地域創生
インバウンドの受け入れによってもたらされるのは、地域の国際化や発展です。
さらに、「繋日之旅」が取り組むような台湾富裕層ツアーの誘致により、地域経済の活性化や、長期的な視点で見た場合に雇用の創出が生まれるなどのメリットもあります。

⑥旅づくりの意義と今後の挑戦

旅する意味のあるツアーを作りたい
いま、時代のトレンドはモノ消費からコト消費へと変化しています。

ラグジュアリーホテルに泊まる、三ツ星レストランで食事をとる、お土産をたくさん買うなどの分かりやすいモノ消費から、
旅行先での体験や現地の方々との交流などといった情緒的価値、より「コト」を大切にする、印象に残るツアーを求めらるようになりました。

だからこそ「繋日之旅」では、台湾人のお客様がゆったりと滞在して、
地域と出会い、人と出会い、日本の文化を深く知っていける旅、
お客様が旅する意味のあるツアーを提供したいと考えています。

次の目標はツナガルが主体となって集客できるツアーをつくること
集客については、台湾人インフルエンサーと連携することで軌道に乗せることができるようになりました。

次のフェーズの目標は、
ツナガルが主体となって集客できるツアーをつくることです。

ではどうするか、でいうと、
テーマ性をもち、お客様に”刺さる”ツアーをつくりたいと考えています。
キーワードは、「ミシュラン」「日本酒」などです。

具体的な例でお話しすると、「日本酒」というテーマで構想している行程では、日本酒蔵に行って麹造りができる、こたつに入りながら日本酒試飲会をする、蔵の方々と観光客とでディープな国際交流をする機会を設けるなどをアイデアとして持っています。

まだ出会ったことのない日本での体験を提供して、台湾人観光客の方々に、「また日本に行きたい」と思ってもらえるような旅、
異文化に触れあい、受け入れ先の方々に「また来てほしい」と思ってもらえるような旅づくりをしていきたいと思っています。


日本と台湾がツナガル旅をいっしょにつくりませんか?

ツナガル旅行事業部では、日本のローカル×台湾におけるツナガリの濃い旅づくりを推進しています。

「繋日之旅」のツアー造成にご興味のある市区町村様、観光地域づくり法人(DMO)様、企業様のお問い合わせをお待ちしております。


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