ただ贅沢に時を過ごしているだけの私が、ここにいる
つらつらと雨が降っている。
この季節独特のむじっと湿る空気には
何十年生きていてもなかなか慣れることができない。
自分の住む場所とは真逆のところに放り出されたかのような息苦しさすら覚える。
会社員時代、毎朝満員の通勤電車に運ばれていたとき、この季節はまさしく苦行だった。
身も心も倒れるか否か、ギリギリのところで踏ん張って、1時間の道のりを経て会社のデスクにたどり着けたときには、一日の気力をほぼほぼ使い果たした気持ちだった。
そんな季節に、今年はマスクというレアなアイテムが加わる。
人との密接な距離に過剰に神経を尖らせる必要がある。
もしも、もしも。
明日もあの満員電車に乗らなければいけない立場であるならば、
おそらく日曜のこの時間は
およそどんな言葉も追いつかないほどの苦しみに襲われていただろう。
今は、
ようやく、そよそよと静まる気配に身を任せて、明日も穏やかに笑っていられる自分を信じていられることの幸せ。
だれに感謝しよう。
何に感謝しよう。
この感謝を、どうやって返していこう。
そんなことを思えることも、
ただ贅沢なだけなんだと。
いつもありがとうございます。いただいたお気持ちは、写真家として、表現者として、もっともっと突き進むための糧として大切に使わせていただきます!