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文字単価0.1円未満だった話

ライターとして初めて契約した案件は「20記事納品で1,000円」でした。1記事50円。

保育士資格が活かせる「子どもに関する資格」についての記事です。

文字数は平均3500文字程度だったので、文字単価に換算すると「0.01428571円」。

0.01428571BTCだったら喜んじゃうのですが。

ちなみに、結果として途中終了したので報酬は0円です。

こんなに低単価なのに、1記事目を書いているときの楽しさは尋常じゃありませんでした。

「新しい世界に飛び込んだぞ!ライターとして頑張っていくんだ!」とメラメラ燃えさかっていまして。

執筆に何時間かかろうが「勉強だから」と受け入れていました。

どんな募集内容だったか

募集のおおまかな内容は以下のとおりです。

〇1記事2000字程度~、20記事で1,000円 テストライティングあり

「丁寧な指導」
「マニュアル完備」
「初心者、未経験歓迎」
「納期は3日ですが融通をきかせます」

加えて、

「先輩チームメンバーの声」
「この仕事で得られるスキル一覧」
「不安を解消するためのQ&A」

など、非常に丁寧なラインナップで、何も知らない私にとっては好印象でした。

極めつけは「ライティングスクールを受講すると○○十万円かかるところ、報酬をもらいながら学べます!」という、とてもわかりやすいセールスライティング。

「確かに~!」と納得してしまった私。チョロい・・・チョロすぎる。

きっと「安く外注するテンプレ」が存在しているのでしょうね。

当時はまだTwitterを始めていなかったので、相場のことも搾取案件のことも知りませんでした。

思い立ったら即行動が裏目に出たパターンです…。

テストライティングとマニュアル

応募してすぐにテストライティングのご依頼があり、快諾するとマニュアルが届きました。

ページ数はなんと60ページ(!)。

記事作成に必要な基本知識が詰め込まれており、いま振り返って読んでも使える内容です。

正直、このマニュアルがなかったら書けませんでした。(誤字脱字だらけで一抹の不安を感じましたが・・・)

当時は「なんてボリューミーなマニュアルを用意してくださっているんだ!初心者ライター想いだな~!」なんてのんきに感銘を受けていました。

テストライティング合格

テスト記事を提出後、数日で連絡があり「よく書けています!合格です!」と継続が決定。

初契約とあって、それはそれは嬉しくてTwitterでキャピキャピと呟いてしまいました。(現在は削除済)

きっと先輩方は内心「ああ・・・(やっちまったな)」と思われたことでしょう。

クライアント評価は平均4.7、好意的な評価コメントが100件近くあったこともあり、何も疑問に思わず喜んでしまいました。(不穏なコメントも数件含まれていましたが)

「いいクライアントさんに違いない」という「いい人フィルター」が完全にオンに。これがのちのちやっかいでした・・・。

4記事目あたりでキツくなり始める

マニュアルを参考にとにかく書き続ける日々でしたが、少しずつ疑問を感じはじめます。

本業のあいまや夜遅くまで調べて書いて、休日も返上して、それでも報酬はなし。

記事作成に慣れていくほど、冷静になってくるのですよね。

「20記事書くまではこの時間も0円なのか・・・。」
「確かに初心者だけど、リサーチの時間も書く時間もほぼタダなのはさすがにおかしくない・・・?」

体力的にも精神的にもしんどくなっていきました。

でも「初心者ライター想いのいい人」が指導してくれているのだから、20記事頑張らないと…と自分を奮い立たせながら7記事目に入ります。

単価アップの可能性について質問してみた

初契約と同時期にTwitterを始めていたので、ほどなくして自分が取り組んでいる案件は「搾取案件」と呼ばれていることに気がつきます。

途中終了を考えましたが、クラウドソーシングサイトを利用していたので「低評価」がついてしまうかもしれません。

駆け出しにとっては恐怖でしかありませんでした。

Twitterでつぶやくと、実際に同じような案件をやりきったかたや、途中終了を経験したかたから具体的なアドバイスをいただきました。

なにごとも無駄にはならないので、やりきる
・他の案件を探して、決まったら途中終了を申し出る
・今すぐ辞めて1円以上を探したほうがよいのでは
単価について交渉してみる

どのアドバイスも正しいと感じました。みなさん、結果としてライターを続けていらっしゃったので。

なので「自分がこの先ライターを続けていくには、どの選択肢が一番よいのか」を考えました。

まずは、単価アップの見込みについて聞いてみることにしました。やりとりは丁寧なクライアントさんだったので、単価の問題が解決すれば継続できるかもしれないと思ったからです。(いい人フィルター発動)

・最終的に文字単価1円を目指していること
・スキルが身についたら単価アップが可能かどうか

以上を伝えたところ、回答は「FBをもらうようでは1円は無理。0.1円アップの可能性はあります。伸びしろは感じるので頑張りましょう。」でした。

撃・沈。

途中終了を申し出る

再び悩みに悩んだすえ「途中終了して文字単価1円前後の案件を探す時間を確保する」決断をしました。

クライアントさんにご連絡すると、やりとりがないままあっさり途中終了に。

20記事セットの価格なので、計7記事分の報酬はもちろんいただけませんでした。

幸い低評価がつかなかったのでホッとしました。

しばらくは「契約を果たせなかったことへの罪悪感」で落ち込みましたね。(その後、途中終了した案件は1つもありません。念のため)

搾取案件を頑張ってしまうと「なぜか自分が悪者になったみたいに申し訳なさを感じる」怪奇現象がおきることがわかりました。

「いい人だったし、丁寧に対応してくれたし、FBもくれたのにやり遂げられなかった…」という思考回路になっていました。(怖)

応募を辞めておいた方がよい案件の特徴

というわけで、クラウドソーシングで注意したほうがよい案件の特徴をまとめてみました。

・低単価で5~20記事ごとの納品
・ライティングを指導するので0.〇円~
・〇万円の研修を受けたのちに文字単価〇〇円~
・テスト記事の報酬が数百円

結構見かけますよね。

なかでも「低単価で5~20記事ごとの納品」の案件はぜったいに辞めておいたほうがいいです。   

真面目で責任感がある人ほど「契約を途中終了するなんて、社会人としてあるまじき行為」と苦しんでなかなか抜け出せなくなります。

「初心者だから低単価でも仕方がない。むしろ教えてもらえるんだからありがたい。0.1円で当然のレベルだし、他では契約は無理だろうし・・・。」

こういう思考になってしまうと、相手の思うつぼですね。

過去に戻れるなら何をするか

もしライター開始時に戻れるなら、以下の内容で案件を探して応募していきます。

・文字単価は1円前後(ここはある程度柔軟に)
・自分の知識が活かせそうなジャンル
・初心者レベル可と表記がある
・マニュアルが用意されている
・1記事ごとの契約になっている

さらに同時並行で、

・提案文を磨く
・ブログやnoteで書きたいジャンルのサンプル記事を書く

この2つに特に力を入れると思います。

ちなみに私はWordPressでブログを書き、それがきっかけで1円の案件を受注できました。

ブログやYouTube、Kindleなどで文章の基本を学びながら、その時に出せる最大限のクオリティで書くことが大切かなと思います。

とにかく「1円前後の案件を受注できるようになるには、何をすればよいか」にエネルギーを全集中させます。

ライティング講座で学ぶ

あくまでも私の場合ですが、もっとはやくライティング講座を受講していればよかったと感じています。

4月にWebライターを始めて、「Writing Hacks」の受講を開始したのが6月。2ヶ月間独学で頑張ってきましたが、4月に受講していればもっとスピードアップできていたかもしれません。

本業があるなど、限られた時間で早く結果を出したい場合は講座が近道だと思います。

独学で結果を出せるかたもいらっしゃいますが、そのあたりは人それぞれの能力値や状況によるのかなと。

まわりの言葉を参考にながらも、自分にあった方法を選択していけばよいのではないでしょうか。

まとめ

あらためて考えても「文字単価が小数点」ってヘンテコですよね。

「時給○○円のところ、研修期間なのでほぼタダでお願い」

なんて、社会じゃ通用しないのにライター界ではそれが通ってしまうのが不思議です。

幸い私はTwitterやサロンなどで素敵な方々と出会えて、たくさん支えてもらいながら今も続けられています。

搾取案件から抜け出せたのも、先輩方が「初心者でも文字単価1円目指していいんだよ!」と繰り返し発信してくれていたおかげです。

なので、私も「試行錯誤しながら、諦めずに文字単価1円にたどり着く方法を探そう!」といいたいです。

少し前の自分と同じような状況の初心者ライターさんにとって、なにかしら参考になれば嬉しいです。

読んでいただきありがとうございました。




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