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ASOBOiSM 2024年10月29日(火) 渋谷PARCO屋上 『secret base VOL.6』

なんだかよく分からないイベントにASOBOちゃんはいつも出る。
世の中にはパリピによるパリピのためのイベントが数多く存在することをASOBOちゃんを追っかけて初めて知った。私の世界を広げてくれる人だ。

まず、このタイムテーブルを見てほしい。

この20時からの緊縛ショーが謎すぎる。
去年も開催したらしい緊縛ショー。
見に行きたいと思っていたけど、一緒に行く息子の準備が遅過ぎて到着できたのはASOBOちゃんのライブ直前だった。

到着するとお店のお姉さんが縛られた姿で接客してくれる。
お客さんっぽいスーツ姿の女性も縛られているのが見えた。
非日常感が半端ない。

それを見た息子が「俺も縛られたかった」と言う。
緊縛ショーがあるから早く行きたいと言ったけど、18歳の息子には緊縛の意味がわからなかったらしい。
地下アイドルのような見た目をして、歌舞伎町のボーイズバーで働く息子がまさか緊縛を知らないピュアな男の子とは思っていなかった。
働き出して間もないからまだその世界に染まっていないし、上の兄とも、母親の私とも出かけるくらい家族仲もいいので、我が息子は、世間が想像するボーイズバーで働く男の子の概念を覆す存在だ。

息子がお腹が空いたというので緊縛姿のお姉さんに料理を注文する。
台湾の唐揚げらしいのでお肉が苦手な私は食べていないけど、息子は今まで食べた唐揚げ人生の中でダントツ美味しかったと今でも言う。
台湾屋台Wooというお店だけれど、こういうイベントでしか出店していないらしい。その神出鬼没感もレアさを引き立てる演出だ。

唐揚げを食べる息子を残し、「お母さんは前でASOBOちゃん見てくるね!」と人混みを潜り抜け、張り切って最前へ飛び出す。
ASOBOちゃんが私に気づいて手を振ってくれる。
今日も最高に可愛い。DJのマルメロちゃんも最高に美しい。
この二人は初めて見た時から完成されていた。

スタイリッシュな見た目とは違って声も中身も可愛い。性格もとてもいい。
そして何より肝心な曲と歌詞もとても素晴らしい。

美貌と才能があって、常人ならそこで胡座をかきそうな所なのに,
努力を重ねていつも懸命に生きている。
作品がいいばかりではなく、人としても尊敬できる所がたくさんあるので私はASOBOちゃんが大好きだ。

1.あまのじゃく
2.TOTSUKA (feat. サイプレス上野)
3.TREND MEND
4.Nothing Could Stop Me
5.hug me
6.自分の機嫌は自分でとる
7.スクランブルメンタル
8.Do nothing

2024.10.29 ASOBOiSM セトリ

30分のステージで思い切り魅せてくれた。
最後の『Do nothing』で色々感じる事があってものすごく胸を締め付けられた。

「また皆さん遊びましょう!いつでも私はここにいます!!」そう言ってライブを終えて、私は放心状態。
良かった、今日もすごく良かった。
こんなフリーイベントでも素晴らしいパフォーマンス、もうほんとに最高。
息子と来ていた事を思い出して後ろを振り向くと、いつの間にか真後ろにいた息子。

「ここで聴いてたの?」

「そう」

「ASOBOちゃんどうやった?良かったやろ?」

「うん、あのね、ものすっごく良かった。ほんとに良かった」

なんて嬉しい言葉。

「嬉しいー!!後でASOBOちゃんとDJのマルメロちゃんに紹介するわ」

「話せるの?」

「多分後でドリンクとか買いにフロアに出てくると思うよ」

次のQPLOキュプロというユニットがものすごく80年代のテイスト漂うファッションと世界観とディスコ・ダンスミュージックのバンド。
ギターとマニピュレーターという組み合わせもいい。
男性版のアマイワナって感じだ。

息子がこのバンドをとても気に入っていた。
「いいなー、めっちゃいいなー、こういうの好き」と撮影する。

「ここってさ、ご飯も美味しいし、オレンジジュースもめっちゃ美味しいんだけど。まじでなにごと?なんのイベントかも分かんないし、またこういうの連れて来てよ」
笑顔で言う息子。
私は嬉しくて思わず涙ぐむ。
「また誘う誘う、絶対ね」
そう息子に言った視線の先にASOBOちゃんとマルメロちゃんが見えた。「あ、ASOBOちゃんいる!」と息子を連れていく。

二人に声をかけると、来てくれてありがとーと言いながら後ろにいる息子に視線を向ける。
「あ、これ息子なの!長男は前に会った事あるよね?この子は次男」

「めっちゃカッコイイね!一緒に来てくれたの?」

お化粧もして、ビジュアル系か地下アイドルみたいな見た目の息子は私から見ても美人さんだ。

「美人でしょ、自慢の息子だよ。歌舞伎町のボーイズバーで働いててね、出勤前に一緒に行こうって誘ったら来てくれた」

「えー!出勤前に来てくれたの?ありがとう!お店ってどこ?」
お店の名前と源氏名を伝える息子。
名刺を持っていなかった事をずっと悔いていた。

「いくつ?」

「18です」

「18!!! わっかーい、お肌ぴちぴち!」
盛り上がるASOBOちゃんとマルメロちゃん。
二人もお肌AIかと思うほどツルツルで毛穴見えないけどね。

「でもさ、やっぱり親子だね似てるよ」
と言ってくれるASOBOちゃん。
似てるなんて初めて言ってもらえたし、こんな美人の息子と似てると言ってもらえて光栄。

今日のライブの感想や曲の感想もちゃんと伝えた。
「いつも元気をくれて本当にありがとう、心から感謝してるんだよ」

「それは、こちらこそだよ!いつもライブに来てくれてありがとう」

人生や音楽にしっかり向き合って懸命に生きるASOBOちゃんに息子を会わせる事ができて良かった。
私と同じように、息子もきっとASOBOちゃんとマルメロちゃんからパワーをもらえると確信していた。

「こんなお母さんいないよ!絶対泣かせちゃダメだよ!」
軽く私たちの事情を知っているASOBOちゃんがそう息子に言ってくれて、
「はい、泣かせません。約束します」と返す息子。

ASOBOちゃん達と別れた後、息子が言う。
「あのね、マミー」
(息子は私をなぜかマミーと呼ぶ、多分ネタで言っている)
「さっき、あの人達に言われたけどね、ほんとにいっぱい泣かせてごめんね」

「え、う、うん・・・」

「こんなお母さんいないって、ほんとにそうで。それに苦しめられたりしたけど、マミーがお母さんで良かったって思ってる」

「うん、ありがとう、私もずっとあなたが息子で良かったって思ってるよ」

「それでね、マミーに俺の名刺作ってほしくて」

「うん、作るよ、喜んで!」
息子からのデザインの依頼。
グラフィックデザイナーの腕がなる。

「普通の親子とか普通の母親ってなんだろね。私一生分かんないや。だからこれからもごめん、先に謝っとく」

「俺を泣かせないでね?」

「なるべく努めます、約束はできない笑」

息子のファンデーションがないというので夜中まで空いているドラッグストアで一緒に選んであげて、新宿で別れた。

「女の人はモノじゃないからね、売上ばっかりに目がいって心を蔑ろにしちゃダメだよー」と電車を降りる息子に声をかける。

「わかってるよ、じゃぁね」と言って電車を降りる息子。

歌舞伎町のボーイズバーで働く男の子。
そこに来るお客さんはキャバクラに勤めて仕事を終えた女性が大半。
あまりに優し過ぎて心が潰されていた息子を、歌舞伎町のお客さん達が救ってくれた。
人は職業とか見た目で判断できない。

ASOBOちゃんもずっと見た目がどうこう言う人達と戦っている。
だから息子の事を理解してくれると思った。

ライブに行くようになって、そこでお客さん、演者さんと色々な価値観を持っている人と出会って来た。自分の世界が広がるにつれ、力を抜いた生き方ができるようになった。
特にASOBOちゃんが出るイベントで出会う人達は普段どこで何をしているか分からない人が多い。
バンドマンだって、むしろ世間一般の人たちよりも社会性があって真面目で優しい人が多い。

遊ぶ事って人生において大事なことなんだなって最近つくづく感じる。

「また一緒に遊びましょう!私はいつでもここにいます!!」

ライブの最後をその言葉で締めくくるASOBOちゃんに思いを馳せる。

『自分の機嫌は自分でとる』の歌詞の一説”カメラにポーズ”でポーズを取ってくれたASOBOちゃん

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