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TOKYO CALLING 2024渋谷 2024年9月16日(月祝)

新宿、下北沢と行われ、3日目は渋谷の16会場を使用して開催される日本最大級のサーキットイベント。
サーキットは疲れるし、入場規制があったりで嫌煙しがちだけど、mol-74とレトロリロンがduoで前後になっているタイムテーブルが公開されて「ここだけでもいいから行こう」と3年ぶりに参加。

タイムテーブルを見る気が失せる程のバンドやミュージシャン達が出演。
これが3日間あるってすごい。

古のバンドやレジェンドではなく、若手の有望株が主軸。
大型フェスに出演しているような人達は出ないし、ジャンルもバラバラ。

トリをつとめるミュージシャン達も若手で今勢いのある人達。duoのトリのレトロリロンが第一目的だったため、YAJICOも板歯目も各会場のトリを務めたのに見られなかったのが残念。


カネヨリマサル

夜だけ行けばいいかな?と考えていたけど、O-EASTでthe she's gone(シズゴ)のベースサポートにSEQUOiAのナオトが出るらしいので、入場規制を懸念して、前の出番のカネヨリマサルから見る事にしました。
カネヨリマサルは今年の3月のサヌキロックで一度拝見。
昔から私がイメージを抱いてる『バンドってこういうサウンド多いよね』から逸脱しない音楽。

私はあまり聴かないジャンルの音楽だけど、O-EASTという大きな箱で、いっぱいのお客さんを沸かせていたので、時代は流れても求められている音楽なんだと思う。

それでも誰かにとっての大切な音楽と思うと切り捨てる事ってできない。
2階から見た前列のお客さん、絶対表情キラキラしてるんだろうなぁっていう盛り上がり方してたし。
ボーカルの女性が「忘れられない恋を歌った曲です」と言って歌っていた曲はいいなと思いました。

the She's gone

シズゴは初めて。
SEQUOiAのベース松田ナオトがサポートに入ってます。
SEQUOiAのライブに時々ボーカルさんが見に来てるから、お顔は知ってますが曲はあまり存じ上げませんというレベル。
ナオトがMVに出てる『エイド』という曲だけは聴いてました。
こういう、ザ!バンドサウンド!なベースを弾くナオトがとても新鮮でした。

メンバーよりもメンバーしてる笑顔全開。SEQUOiAの時みたいに楽しそう。
1人でカバディしてるんか?というくらいのアクティブさでステージを広く使ってベースをかき鳴らしてる。
いやいや、楽しそう過ぎてもう見てるだけで幸せになっちゃう。
これじゃあいつもの小さなステージでは物足りないだろうね。

O-EASTは縦長じゃなくて横長なので2階でも距離が近くてよく見える。
2階の私がこんなにステージ上の演者さん達の表情が見えてるのだから、向こうからも見えてるかもしれない。
見つかったら何となく恥ずかしい。
お母さんがコッソリ息子のライブを見に来た気持ちに似てるかも。
2階の最前ドセンなんかにいるけど、なるべく気づかれないようにしたいという過剰な自意識が働く。

そんな風に思いながら聴いていたのにMCでボーカルさんが「2階もいるね!(シズゴの)タオル持ってる人いる?」と聞くと2階にライトが当たり、隣の女の子がシズゴのライブを高らかに掲げる。
「あー!いた!」とボーカルさんが喜ぶ。 

ナオトもこっちを見てたので思わず顔を伏せた。
いや、ほんと自意識!こじらせたファンみたいな事してる。
 ライブ慣れしてると思ってたけど、自分のテリトリーとは違う現場ってこんな気持ちになるんだと学びました。

「誰かのためじゃなくてあなたのために歌います」とボーカルさんがMCで言ってました。
私そういうMCする人好き。なんならバンド時代のうちのボーカルも同じ事言ってた。
すっごい良い奴だったから、シズゴのボーカルさんも絶対良い奴だと思う。
サポートメンバーのライブを何度も見に来る時点で超良い奴確定だよね。

人を元気にしてくれる音に溢れているステージでした。

打首獄門同好会

サウンドチェックをした後ギタボの男性が「おやつ配りまーす!」と言うと会場から歓声があがった。
「開演まで後4分。袋を回すから、1つ取ったら隣りに回す。そして隣りの人は1つ取ったらまた隣りに回す。分かった?」
この説明を聞いても本当におやつを配るとは思ってなかった。だってそんな事してるバンド見たことない。

すぐに1階でうまい棒が詰められた袋が回され始めた。
しかも「隣りに回して!隣りに回して!」とお客さんからホストのシャンパンコールみたいなものが上がっている。
「うわ、ホントにおやつ配ってる笑」と他人事のように笑っていたら、何と2階にもおやつの袋が回ってきた。
あまりにビックリし過ぎて、見知らぬ隣りのカップルと「2階の自分達にももらえるんですね!」と会話を交わしていた。

たかだか10円だけどO-EASTのキャパを考えると2,000本くらいは用意していたのかな?
もらったからには盛り上がらなきゃいけない義理人情が発動する。

テリヤキソース味もらいました

会場中のお客さん皆がうまい棒を掲げて始まった1曲目はうまい棒の歌だった。
そんな曲もあるのか、何でも取り揃えられてる(笑)
歴代のうまい棒の味を羅列している曲で、自分がもらった味が出てきたら盛り上がるお客さん達。
私はテリヤキソース味。
初めての演出に戸惑い過ぎてついていけない。

2曲目のぷっちょの曲ではお客さんがサーフし始める。
恐らくそれ専用の係員のお兄さん達がステージ前に5人くらい並んでました。
フェスでモッシュ、ダイブ等の行為が許可されてるの珍しい。
1階にいなくて本当に良かった。

魚の曲ではマグロのバルーンと共に人も次々運ばれていく。
恐ろしい、恐ろしすぎる。
よくあんな怖い事できるなぁ。
女の人もやってる。
頭おかしいとしか言えない。
最後は米の曲で〆て終わり。

2階は1階のあのさまを見る分には楽しかった。
今後も絶対に当事者になりたくない。

Guiba

もう見てるだけで疲れた打首獄門同好会から解放され、O-EASTからasiaに移動。
生ビールを頼んでフロアに行くと、ほどよいパーソナルスペースを確保出来るくらいに空いてる。
演者さんからしたら、もっと満員になって欲しいだろうけど、心底この空間にほっとしました。

Guibaギバは名前も、どんな音楽かも知らずに寄ってみたけど、緩い音楽とゆったり時間が流れる空感にビール。もう最高過ぎました。
ありがとう、息が深く吸える。
生き返りました。

そしてステージをよくよく見るとキーボードに、ましのみちゃんがいる。
あら?Guibaの人なの?と思ったらサポートでした。
シンガーソングライターのイメージが強かったので、サポートは意外。歌でも参加していました。

SPNSR

続けてasiaでトラックメイカーのSPNSRスペンサーを見る。
音源もいいけどライブもいい。

とあるインストバンドのライブを見に行くと、いっつも最前で、もっっっのすごい笑顔で飛び跳ねながら楽しんでるご年配の女性がいるんだけど、その方が見に来てました。
あら、こういう音楽も聴かれるんですね。と心の中で声をかける。
そのインストバンドはオルタナティブロックだけど、SPNSRは横に揺れながら聴くジャンル。
それでもその女性はいつも通りに縦にピョンピョンと楽しそうに飛び跳ねていた。そしてやっぱり笑顔を崩さない。その姿が周りから見て異様だろうと、周りの目なんかちっとも気にしない。
音楽を愛してらっしゃるんですね、素敵です。

そして、そんな音楽を提供できるSPNSRの音楽はもっと素敵です。

チョーキューメイ

おかしな名前と相反してオシャレな楽曲のバンド。
キワモノバンドかと思ってた。

2階からレトロリロンの4人がステージ上のメンバーに手を振っていた。
何度もレトロリロンと対バンしてるけどタイミングが悪くていづれも見に行けなかった。
親和性がある曲だから何度も対バンしてるんだろうな。

この日からベースに女性が加入したと紹介されてました。
大学生くらいの男の子達が「可愛い」と思わず言っちゃうほど可愛い。
衣装も皆可愛かった。一瞬地雷系かと思ったけどメイクは控えめで上品なのでそっち方面ではないらしい。音楽と衣装のミスマッチさが気になるバンドでした。

ボーカルの女性がバイオリンで演奏する曲があり、次のバンドmol-74は、ギターのとぅんさんがバイオリンの弓でギターを弾く、ボーイング奏法というものをするバンド。
タイムテーブル組んだ人、バンドの特徴を熟知してるプロだな。
さすが日本最大のサーキットフェス。

mol-74モルカルマイナスナナジュウヨン

何度もモルカルのライブは観ているけど、前方で聴いた事がない。
あえて後方を選んでゆったり聴いているけど、今日は前に行こうかな?と二列目で、ボーカルの武市さん前に移動。

1曲目のイントロを聴いて一気に世界に引き込まれました。
大好きな大好きな大好きな『Replica』。
いつもライブの後半にやるのに1曲目。

こんな良い詩と、良いメロディに良い音色おんしょく
初めて聴いた時女性かと思った程の、武市さんの透き通る声。

多分前回のモルカルのライブレポにも書いたけど、アートワークが最高なんですよ。
12インチのレコード盤の大きさに印刷して額に入れ、そこにアートワークを手がけたげみさんにサインしてもらったのは本当に家宝。

レプリカは偽物ではなく複製品という意味です。複製品から一点物になっていく詩と、イントロの何か特別な物を見つけた時になる心臓の鼓動のような音が静かに、だけど力強く心に響いてくる。

「いい曲多いよね」と言いながらも、タイトルも覚えず消費しているような音楽が多い中、この1曲を作れたモルカルは強いと思う。
私はこの曲でモルカルを知ったけど、昔の曲も最近の曲も素敵だし、心から崇拝。
『Replica』を作ったモルカルなら何やっても信頼できる。

でもやっぱり前方でギュウギュウになりながら聴く音楽ではなかった。
次回からは後方に戻ってゆったり聴こう。

京都から、この30分のために車で6時間来ましたと武市さん。
中国ツアー直前なのに来てくれてありがとう。
モルカルの大切な音楽、ちゃんと受け取りました。

レトロリロン

モルカルからレトロリロンを聴ける日が来るとは(涙)このタイテ組んだ人本当にありがとうございます。

レトロリロンはギュウギュウになっても前方で飛び跳ねて聴きたいバンド。でもこの日ギュウギュウだったのは3列目までなんですよ。
私は2列目。後ろの女性がビックリするくらい押してくる。
どれくらい押してくるかっていうと、私が後ろの人に体重預けてもたれかかっても下がらないほど。
なんでそんなに押してくるんだろう?後ろめっちゃガラガラだけど??
それがサウンドチェックから本番の最後までずっと。

前も違うバンド見た時同じような事があったなーと思い出したらduoだった。ここの会場ってそういう事させる雰囲気あるのかな?
まぁそれだけレトロリロンへの愛が強いのかも。
私も強めの愛なので、どんなに押されても譲りませんよ?と静かな宣戦布告を心の中でする。

いつもはぬま君の前で見てるけど、この日はミリちゃん側でカッコイイ演奏を存分に楽しめました。

『焦動』から始まったduoのトリ、レトロリロンのステージ。
サウンドチェックで拍手してしまう程、涼音君の声の調子がこの日も素晴らしかった。
ホントにいい声してるし、音程も絶対外さないし、声も裏返らない。
気持ちよく声が突き抜けていく素晴らしいシンガー。MCも口悪くて面白い。
「みんな疲れてるね」と心配してくれてるのかと思ったら、「フェスに最初から参加してる人ー!」と聞いて手を挙げた人達に「馬鹿だね」と言い放つ涼音君。
私みたいな途中参加の人には「かしこいね」と言っていた。

でもよくよく考えれば、観たいアーティスト目白押しで、会場も16会場も使って5,500円のチケットはめちゃめちゃ良心的。
このまま大きく値上がりせず、五千円台で観られるフェスでいて欲しい。
だから最初から最後まで存分に楽しめてる人の方が「賢い」。でも涼音君の言う「馬鹿」は「音楽馬鹿」だって事。

タイキ君のドラムのサウンドメイクが素晴らしくめっちゃいい音だなと毎回思う。シンバルの高音は耳に刺さらないし、スネアは中音で気持ちよく鳴るし、バスドラは低音過ぎずベースと音がぶつからない。タイキ君のドラムは本当にすごい。カッコイイ。

レトロリロンの曲がオシャレだと思うのはミリちゃんの演奏が大きいと思う。キーボーディストじゃなくてピアニスト。色んな音楽を完璧に弾きこなせるんだろうなぁ、天才ってこういう人の事言うんだろうなぁと常々思う。
大胆さもあるのに、細かいニュアンスにも抜けがなくて感心しきり。

ぬま君は体全体でベースを弾く。
ついついそのベースに踊らされてしまう。
今日もいい顔で弾いてるね。

アンコール含め6曲演奏。
あぁ、早くワンマンライブに行きたい。来年の4月が遠い。

フェスでも物販に立ってくれるレトロリロン。
本当に毎回毎回こうやって会える時間を作ってくれて嬉しい。

いつもタイキ君が一番に私に気づいて手を振ってくれる。周りを良く見てるのは、やっぱりドラマーの習性なのかな?
ぬま君は人懐っこい笑顔で歓迎オーラ全開。
涼音君も気さくな態度で接してくれる。
ミリちゃんから「お久しぶりです」と言われる。
確かに、GOOD BYE APRILのライブで見かけてるから良く会ってる気がしたけど、ライブは6月の高崎以来のお久しぶりかもしれない。
3ヶ月しか経ってないけど、レトロリロンの皆はこの夏ありとあらゆるフェスに出て大忙しだったもんね。濃い夏を過ごしたんだね。

ミリちゃんのイヤリングはこの日もGOOD BYE APRILのベース延ちゃんが作ったものを身につけていた。
私のオレンジのピアスと色違いの、最新作の青のイヤリング。
白い肌のミリちゃんによく似合ってた。

短い時間なので早口で喋り倒して皆に「またね」とお別れ。

まだ真夏日が顔を覗かせてるから、9月中旬だけど夏だと思ってる。
まだ夏を終わらせたくない、そんな最高の夏フェス楽しめました。

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