レトロリロン 2024年10月12日(土) 渋谷WWW 『レトロリロン自主企画 "朝が来るまで Vol.3"』
10月半ばというのに相変わらずの夏日、快晴。
レトロリロンのライブ前に、以前ベースのぬま君から教えてもらった原宿のキャットストリートの古着屋さんに行く。
学生の頃からぬま君が通っているお店。
下北から原宿に移転しても通い続けてくれていると店長さんが言ってた。
店内は全てぬま君の私物かと思うほどのぬま君好みの古着たち。ぬま君のクローゼットを覗いてるみたいだ。
私好みの古着が何着かあって、ライブ前に荷物になるのもなぁと迷いつつ、リメイクされたシャツを一点買う。
『クズニート』と強めのメッセージがTシャツに書かれた、若干挙動不審の店長さんに、今からレトロリロンのライブに行くと伝える。
「あぁぁ、最近忙しいみたいですね。飯沼さんに、あいや、レトロリロンの皆さんに、ご武運をお祈りしておりますとお伝えください」とメッセージを託される。
私はこの店長さんが割と好きだ。
挙動不審だけど、自分の仕入れた服に自信を持っている。確かにセンスがとてもいい。
安くはないけど古着にしては品質もいいしかなりの目利き。
ここで店名書いていいのか分からないので、気になる人は物販でぬま君に直接聞いてください。
古着屋さんからWWWまでは徒歩で20分弱。
途中暑くて喉が渇いたなと思った頃に丁度よくヒューガルデンの屋外ビアガーデンがあった。
そこでベリーティービアを注文。
絶対に一気に飲み干すものではないが一気に飲み干した。800円のカクテルが一瞬で食道を通って胃に収まる。
まだ体が熱かったので氷を噛じりながらスマホの時計を見る。
後20分で入場の時間。
ぬま君おすすめの古着屋さんで古着を買って、都会の街中のオシャレなビアガーデンでビアカクテルを飲んで、もうこれで十分な位楽しいのに、この後レトロリロンとFIVE NEW OLDと紫今のライブを観られる幸福。
そんな幸せな気持ちを連れてWWWに到着。
WWWは1段目よりも2段目がステージの演者さんと目線が同じくらいになるのでここが好き。
隣り合わせた20代半ばくらいかと思われる女性に話しかけられる。
カウンドダウンジャパンだったかな?
そのフェスでレトロリロンを見て「声が好き!」とファンになったらしい。
この女性のおかげで開演までの時間と転換の時間暇せずにすんだ。
話し上手で聞き上手、私と考え方が似ていたので会話が弾む。
「私お笑いも好きなんですけど、今日『キングオブコント』があるじゃないですか?推しのロングコートダディが出るのでもう気が気じゃないんですよ!」と困った顔をしていた。
私もお笑いは劇場に行ってた時期があるけど、推しのシソンヌやAマッソが賞レースに絡む大会に出てても気にはならないかなぁ。
よっぽどのお笑い好きだ。
この人には色々と芸人さんの事についても教えてもらったりした。色んな知識と好奇心を持ち合わせてると話が楽しい。
気が多いのは決して悪いことじゃないと思う。
話しが止まらない中、紫今ちゃんのライブが始まる。TOKIO TOKYOで見た時と同じように静寂を声で切り裂く。
彼女のライブをこんなに間近で観る事ができるのはいつまでかな?
お客さんを煽るのが上手いしカッコイイ。
前回見た時よりもお客さんへの煽りがうまくなってる。
女性にも男性にも好かれるタイプのかっこいい人。
続いてFIVE NEW OLD。
MCでボーカルのヒロシくんが言ってたけど、この対バンのオファーは、私も観に行ってたサヌキロックでされたそう。
確かにヒロシくんとワタルくんの弾き語りにレトロリロンの皆が観に来てたね。
その後一緒に飲んで、その勢いで涼音くんが「出てください!」とオファーしたとの事。
FiNOが出てくれてホントにいいライブになった!
心底楽しそうに幸せそうにヒロシくんは歌う。
パフォーマンスでめっちゃ楽しそうに演奏する人はいるけど、ヒロシ君はお客さんが好き、メンバーが好き、自分達の音楽が好き、というのがとても伝わる。
自分の幸せをファンの人にもと、幸せを循環させている。そんな心の声が全身から溢れ出して聞こえてくる。
最後はレトロリロン。
レトロリロンは涼音くんが陰キャだとかコミュ障だとか自己申告で言ってるけど全然そんな事ないと思う。警戒心が強いだけの人じゃないかな?
ものすごくファンを大切にするし、お客さんに「愛してるよ」っていう人は陰キャではない。
「お前ら愛してるぜー!!」の感じじゃなくて、静かに「愛してるよ」っていうタイプ。
真面目に「愛してるよ」は本気の愛を感じる。
ファンに「愛してるぜー!」っていうタイプのミュージシャンは大好き。
そう思ったから、そう相手に伝える。
とてもシンプルで健康的な思考がいい。
私統計だけど、これを言わないミュージシャンは売れにくい。この推し活戦国時代に「愛してる」の一言もお客さんに言えないミュージシャンにオタク達はお金を出したくない。
ちゃんと自分に愛をくれる人じゃないと自分の時間もお金もあげられない。
言わなくても伝わるだろ?
こういう傲慢な人は苦手、というかキライ。
恥ずかしがってるんじゃないよ、舞台に立つ人が。
涼音くんが「愛してる」と言ってくれるタイプで良かった。
私もレトロリロンを愛してるよ。
久しぶりに『Restart?』が聴けた。
私がレトロリロンを知って好きになった出会いの曲。
このイントロに一瞬で恋に落ちた。
イントロが素晴らしい曲は世の中にたくさんあるけど、歌が始まると「あ、違った」というのが大半。
出落ちという言葉がピッタリ。
レトロリロンはイントロでちゃんとこちらの心を掴んだ後更に離さない、涼音君の声には魔力がある。魔性の声の持ち主。
そしてmiriちゃん、ぬま君、タイキ君の演奏力の高さ。
こんな素晴らしいバンドがまだ中規模のライブハウスで演奏してくれ、物販にも立ってくれるという奇跡。
4人に陰の要素がまったくないから人柄でも推せる。私は他のファンの方とは交流してないけど、様子を見てる限りはファンの人も拗らせてるような人はいなさそう。
全てが健康的。全てが健全。
こういう風通しの良さも大事だと思う。みんなが安心できる居場所。最近推し活で悩んでる人多いなっていうSNSの投稿をよく見るので、健全に応援できるバンドは居心地がいい。
そのいいエネルギーが音楽でまた返ってくるから、もうどこまでも昇っていくイメージしかない。
4人とも仲がいいけどベタベタし過ぎてないのもいいし、音楽に対してはそれぞれのこだわりがあって音を確立させているのもいい。
本当にいいバンドだと思う。
1年に1回のペースの自主企画ライブ。
次回は未定だと言っていたけど、公私共に仲のいいGOOD BYE APRILがまだ出てないし、会場のBGMもGOOD BYE APRILの『ふたりのBGM』だったし、これは匂わせだと勝手に思って楽しみにしておこう。
1年半前に対バンしたあの時よりも2組とも更に進化しているし、コラボとかあったら嬉しいなぁ。