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ヒグチアイ 2024年12月14日(土) 東京国際フォーラム ホールC 『元気じゃなくてもまた会いましょう』
「昨日さ、ヒグチアイのコンサート行ってきて、めっちゃ良かったんだよね」
「え、お母さんヒグチアイ好きだったの?」
好きな音楽や良かったアーティストを共有する息子と、ヒグチアイについて語った事は無い。
GOOD BYE APRILと『ニュアンスで伝えて』という曲を出しているので話題にあがった事はあるけれど、アイさんを好きだとは言ってないと思う。
「春に先行でとってたくらいには楽しみにしてたよ。10周年ライブとか、記念のライブって何かその人のアイデンティが諸に出るじゃん。私ヒグチアイがどんな曲歌って、どんな人か分かってないから行ってみようかなと思った」
「俺『悪魔の子』しか知らん」
「私も似たようなもんだよ、GOOD BYE APRILの延ちゃんの友だちで、ぬましょうさんの友だちくらいの認識。あ、後私と同じ香川県産!」
「…香川県生まれってこと?」
「高松生まれだってどっかで聞いた」
「曲知らなくてもコンサートは良かったんだ?」
「そう!
すごいの、歌に説得力があって力強いの!
自分の芯がしっかりあって頑固な感じだけど、その頑固にこだわる部分が多分私と似てて、似てるけど強い憧れ抱いちゃうくらいブレなくて、そこに強く惹き付けられる。
Billboard横浜で見た時もさ、GOOD BYE APRILの『空の数だけ』っていう曲歌ってたんだけど、これがらっしーさんが歌うと数歩後ろから寄り添っているような歌なんだけど、アイさんが歌うと2、3歩先を歩いてる感じ。で、たまに振り返って笑ってくれる顔に心底安心するみたいな」
「分かるような、分からんような」
「感覚の話だから、別に分からんでもいいの。
でさ、らっしーさんが全曲コーラスアレンジ担当してて、コーラス隊もしてたの。
『悪魔の子』ではさ、らっしーさんがコーラスソロで歌ってる箇所があって、アイさんの強い歌声とらっしーさんの優しい歌声が螺旋みたいに絡み合って歌詞がより説得力増してた。
もうホントに凄かった、あれすぐにYouTubeにでも出してくれないかな?
皆に聴いて欲しい」
「へー、めっちゃ良かったのなんとなく伝わってきたわ」
「でね、でね!隣のお兄さんがさ、本編ラストの『劇場』って曲で静かに泣いてたんよ。
でもさ、その後のアンコールの『悪魔の子』で我慢できなくなったのか大号泣しちゃって、私泣くタイミングなくなったよね」
「マジで?そんな泣いてたん?」
「20代後半?って感じのお兄さんだったんだけど、嗚咽してたね」
「俺誰かの曲聴いて沁みて泣いた事ないわ」
「色々経験して、自分と照らし合わせて初めて人は感動するからね。自分に共感してくれるこの人は一体なんなんだ!って心酔していくわけよ。君はまだ経験が少ないから、曲に歌詞なんて要らないだろって言えちゃうわけだよ」
Billboard横浜の時もそうだったけど、GOOD BYE APRILの『空の数だけ』を歌うアイさんに泣いてる女の子がいた。
ヒグチアイの歌声には説得力があるし、刺さる人には深く刺さるんだろうなぁ。
このコーラス隊にはSEQUOiAのベース、松田ナオトもいる。
告知された時は驚いた。
ヒグチアイさんの存在を知ったのはナオトの前のバンド、Manhole New Worldのツイキャスだったので、2人が仲良しなのは知っていた。
でもベースじゃなくてコーラス??
謎すぎる人選。
他のコーラス隊の人達も飲んでる時にノリで「歌ってよ!」と、決めたような人達だった。
サポート
Gt.ひぐちけい
Ba.御供信弘
Dr.伊藤大地
Cho.倉品翔
Cho.Ema
Cho.タテイシユウマ
Cho.Haruna
Cho.パーマ大佐
Cho.松田ナオト
10周年で自分と関係が深い仲間と一緒にステージを作る。
素敵だなぁ。
所感としては、あまりここまで振り切ったキャスティングする人も珍しい。
十周年だから皆の度肝抜くような派手なステージにしようと思わないところが売れても自然体でいれるヒグチアイの魅力なのかもしれない。
曲についての感想は曲名が分からない程の初心者で、ステキなライブレポートがプロの手によって書き下ろされていたので詳しくはコチラを一読してください。
『ココロジェリーフィッシュ』はタイトルだけ知っていたけど、演出と歌詞で「あ、これはココロジェリーフィッシュだ」と分かった。
ライティングが美しくて、水族館のようなステージングだった。
バンドも演奏がめちゃめちゃ上手くてこれでもかと盛り上げていく。
音で興奮させてくれるって最高。
コーラス隊のナオトがベースを持っていなくても相変わらず楽しそうだった。
いい顔してるなぁと、ついこちらも笑ってしまう。
そして何よりGOOD BYE APRIL倉品翔のコーラスアレンジは素晴らしすぎた。
このヒグチアイさんのコンサートの数日後、GOOD BYE APRILのライブで、音楽プロデューサーの加茂さんにお会いした。
らっしーさんを発掘した音楽プロデューサーの加茂啓太郎さん。
このコンサートに行った話を、息子に話したのと同じテンションで、アイさんの強い歌声とらっしーさんの優しい歌声が螺旋みたいに絡み合って歌詞がより説得力増してたんです!と熱弁をふるった。
「へぇ、普通はね男性の力強い声に柔らかい女性でってあるけど、逆転現象だね」
「らっしーさんの声がフォーラムに厳かに響いてまるで聖歌でした、わたし倉品翔を見くびってました(笑)」
「そんなに!」
「はい、アレは加茂さんにも聴いていただきたかったなぁ。中学生の倉品少年を発掘した加茂さんマジ凄いです」
力説しちゃうほど良かった。
隙あらば誰にでも話したい衝動に駆られる。
そんな友達がいないのでここで褒めちぎるだけになってしまうけど。
私は萌え声の女性アイドルとかシンガーが、トリハダ超えてチキンになっちゃうほど苦手なので、アイさんのような媚びない声を持つ人は好き。
素で可愛い声なのはいいけど、喉を閉めたように歌う、作ったあの声の持ち主は「あー絶対自己中、絶対ナルシスト、絶対人を蔑むタイプ」だと確信を持っている。
後、歌は上手いけど、「なんの曲歌ってもその歌い方なんですね」というのは、ライブハウスから抜け出せないバンドやシンガーソングライターさんに多い。
その上、似たような歌詞、当たり障りない価値観の詩に誰が共感すんねん、と思う。
楽曲で印象残そうと一音変調多用してまとまってない曲になってるのとかね。
酔いそう。
「うわー迷走してるなぁ、真っ暗だ、多分そっちに出口はないよー」
と思うバンドとかシンガーさんいっぱい。
年間100本以上ライブ見に行ってると流石になんとなーく分かってくる。
バンド名出して絶対人の目に触れるnoteには書かない、思うだけ。
もう二度と会わないだろう対バン相手とかに使う労力より、1文字でも多く推しの素晴らしさを書き綴りたい。
アイさんのコンサート見てると、自分の心の闇を分かってくれて、探りながら人生を歩んでいるけれど、音楽では迷いがない。
伝えてくれる事は分かりやすくて揺るぎない。
そんな所がぶっ刺さる人には、杭で深く打たれたくらい抜け出せない沼になってるのかな。
私はまだヒグチアイの入口にいるので、これからその魅力にまだまだ触れていく事ができるので楽しみ。
1.かぞえうた
2.ココロジェリーフイッシュ
3.猛暑です(ep ver.)
4.不幸ちゃん
5.悪い女
6.玉ねぎ
7.まっすぐ
8.悲しい歌がある理由
9.わたしのしあわせ
10.備志録
11.街頭演説
12.やめるなら今
13.前線
14.大航海
15.わたしはわたしのためでありたい
16.やめるなら今 (reprise)
17.黒い影
18.東京にて
19.ラジオ体操
20.祈り
21.劇場
en.1悪魔の子
en.2縁