![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157392169/rectangle_large_type_2_fbcf6d151222b7d96e14a48cb2c8ac8f.jpeg?width=1200)
KTちゃん 2024年10月6日(日) 渋谷WWW 『PATI PATI 20』
凄い子が出てきた!
この日KTちゃんを初めて見た私は、そのパフォーマンスを目の当たりにして感服した。
自分はプロなんだ、パフォーマーなんだと自覚して、目線、呼吸、指の先はもちろん、髪の毛1本1本までがお客さんに向けられたものだった。
そもそも私はこの日までKTちゃんを知らなかったのに、そんなライブに何故行ったかというと、ASOBOiSMちゃんがキッカケだった。
『KTちゃんにお呼ばれしました!』
確かこんな文言でインスタのストーリーズにASOBOiSMちゃんが投稿していたと思う。
ラッパーでシンガーソングライターのASOBOiSMちゃんの大ファンである私は何も考えずそのチケットを予約した。
確か2、3ヶ月前からチケットを抑えていた記憶がある。
KTちゃんが何者かまったく知らないけど、ASOBOちゃんと絡みがあるんだから、ラッパーかシンガーソングライターなんだろうくらいに思って、ライブ当日まで彼女の音源すら聴かなかった。
彼女の二十歳のお祝いだということも当日知ったくらい無頓着に過ごした。
会場に着くと、ステージ上ではDJがオープニングアクトをつとめていた。
そのDJさんによると、MCバトルなるもの出身のKTちゃん。
多分ラップバトルなのかな?それに高校生の時から出場して、今日二十歳の誕生日である事を知る。
そんな若い子なんだ、ASOBOちゃんとはどこで絡んだんだろう?
フロアのファンの方達の様子からかなりKTちゃんに心酔している感じ。
二十歳のバースデーライブを開催するくらいだからカリスマ性のある女の子なのかもしれない。
楽しみ。
私の前にいる男性が暗いフロアで本を読んでいた。小説と言うより、その行間からビジネス書っぽくて、こんな時でも読書なんて勉強家なんだなぁ、こんな暗くて読めてるのかな?なんて思っていたら、DJの「Put Hands Up!!」という言葉にすごい速さで反応して、右手にビジネス書、左手はHands Upという不思議な光景が生まれていた。
何か異様だ。
後ろ姿だけで彼の異常性をそこはかとなく感じる。
一体彼は何の本を読んでいるのか気になって表紙を覗くと『インターネットポルノ中毒』と書かれていた。
何それ?と検索すると、"ポルノの見すぎで鬱状態になったりボーッとする事か増えるそうで、そのリスクやポルノから脱却する方法などが書かれているという本だった。
おい、表紙隠せよ!!!
何やその本、こんなDJで盛り上がってる中、暗闇で必死になって読む本か?
おもろすぎるやろ。
自由に生きてんのか、不自由なのか分からない人だった。
そんなファンがいるKTちゃんに何だか興味が湧いた。楽しみ。
開演時間になり、フライヤーの黒髪でヤンチャなイメージの彼女とは別人かと疑うほどの、金髪ロングヘアーの女の子がステージではなく、客席後方から登場した。
デザイナーに特注したであろう、しっかりステージ衣装の彼女に好感がもてた。
自身のグッズのTシャツでもなんでもないTシャツにジーパンでステージに立つ輩が多い昨今、既製品ではなくステージ衣装を作って小規模のライブハウスでライブをやる演者なんてどれくらいいるだろうか?
私はライブに近所に買い物行くみたいな格好で行かない。
時には美容院に行って、服もメイクも日々研究してアップデートしている。年間100本行っててもだ。時にグッズのTシャツを身につけることはあるけれどフラッと遊びに来ました感は出さない。
だから演者側にもそれ相応の格好を期待してしまう。
それに対してKTちゃんは完璧だった。
アイドル並みにどんなに動いても乱れない前髪。
耳かけしているサイドの髪も崩れることなく最後までヘアスタイルは乱れなかった。
そして何より彼女のパフォーマンスは圧巻だった。
身体の使い方、表情の見せ方、どこを切り取っても舞台の上の人として100点満点。
サブスクやYouTubeで予習していたとしても、間近で観る彼女のこの魅力は伝わりきらないと思うので、初見でこの衝撃はかえって良かった。
彼女の動きに合わせて私の目線も彼女を追う。
クルクル変わる表情、身体の動き。一瞬でも見逃したくない。
終盤のMCで来年1月にメジャーデビューする事が発表された。
それはそうだろう。彼女のパフォーマンスを観て放っておくレーベルがいるわけがない。
この日は彼女の父親くらいのラッパーが4名ゲスト参加していた。おじさんに好かれるのはホンモノだ。間違いない。
まだステージの演目もまだまだ残っている状態で「サプライズのお祝いだ、テキーラを飲め」と強制してくる狂ったラッパーの要望にも笑顔で応える。
ただ、テキーラなんか飲んで急性アルコール中毒になったら大変だから、そこはスタッフが強く止めて欲しかった。
20歳になる前からお酒は飲んでいるだろうから適量が分かっているかもしれないけど、でもそこは断ろう。フロアはものすごく心配している空気が漂っていた。
楽しみにしていたASOBOちゃんとのコラボは序盤にあった。
サイプレス上野さんも加えてのASOBOiSMちゃんの楽曲『TOTSUKA』を披露。
どうやらKTちゃんもASOBOちゃんと同じく戸塚出身らしい。
なるほど、このご縁なのか。
たった1曲だったけれどASOBOちゃんに会えて幸せだった。
今日も可愛いくてオシャレでかっこいい。大好きな人のライブはやっぱり元気がもらえる。
その後の呂布カルマさんやDOTAMAさんとのコラボもあり、盛りだくさんの内容でライブは終わった。
ライブ後出口に向かう途中でペコちゃんの飴を袋でもらった。
今日はKTちゃんをお祝いする日だったのに、お客さんがプレゼントをもらってしまった。
申し訳ないのとありがたいのと、KTちゃんのあたたかい人柄が伺い知れた。
![](https://assets.st-note.com/img/1728520282-hjkqINezXutwRlv83BWnVpKC.jpg?width=1200)
何度かWWWで本人が物販に出てお客さんにご挨拶するというのは経験があるけれど、外まで並ぶ長蛇の列は初めて見た。
私は並ばずにすぐ近くのPARCOで食事をした後WWWの前を再び通ったけれど、まだ外までの物販の列が続いていた。
なかなか、あんな擦れてない若いラッパーはいないのであっという間に人気者になるだろう。
自宅に戻って『暴力的にカワイイ』というフェスから戻ってきた息子達に、KTちゃんのライブに行って飴もらったから食べてと言うと、
「えっ!?お母さんKTちゃん好きなの???」
と大変驚かれた。
「ASOBOちゃんがゲストだったから。KTちゃんは今日初めて知った、めちゃくちゃ可愛い子だった」
「すごい有名だよ、別の日だったら俺も見たかった」と息子達。
「そんな有名なんだね」
「ラップバトルで下ネタ攻撃されてたのが有名」とニヤニヤしながら次男が言う。
「…そうなんだ」
若いのに色々乗り越えてるんだな。
「来年メジャーデビューするんだってよ」
「そうなんだ!すげーな」
覚悟が決まった人というのは、留まることを知らないし、自分の能力を疑わない。
どうしょうもなく人を惹きつける魅力が自信という形で現れてくる。
KTちゃんは魅力しかなかった。
今後の活躍が楽しみな人だ。