QOOPIE 2024年11月15日(金) 下北沢SHELTER 『MODERNTIMES release tour 東京編』w/ Suspended 4th
名古屋のインストバンド4人組QOOPIEの新しいアルバムのレコ発ライブ。
名古屋ではバンアパと。
東京ではSuspended 4th(以下:サスフォー)と。
サスフォーとは10代の頃からの付き合いで、ギターの師匠なんだとか。
へー!な話をMCで語っていたギターのせいすけさん。
同じ名古屋の先輩バンドというだけじゃない、濃い繋がりがあったんだな。
サスフォーのライブでダイブがあって3列目にいた私は端にいたとはいえ、SHELTERは狭いので巻き込まれた。
ヘルニアなのでホント客席にダイブしてこられるのは大迷惑。
QOOPIEとやるバンドなのでダイブがあるなんて想像もしてなかった。
そういう時は事前にそういうバンドですと告知しておいてほしい。
健康な人達ばかりじゃないし、前列なんて年配の女性多かったのに、客層考えずによく飛び込むなと怒りが沸いた。
どさくさに紛れて後ろにいた人達が前に来てサスフォー後も後ろに戻らないし、QOOPIEをでかい男達にギュウギュウに囲まれて見る事になってしまった。
身長150cmの世界を体感してみてほしい、どれだけ息苦しいか。
かなり不快で帰りたくなった。
どんなにカッコイイ音を出しても、こういう事があると二度と来たくないと思ってしまう。
もう帰りたいもう帰りたいもう帰りたいもう帰りたい…
とあんなに思っていたのにQOOPIEが演奏を始めた瞬間、その不快な気持ちが瞬時に消えてしまった。
それどころか、このでかい男達を吹き飛ばしてやるくらいの気持ちでいた。
凄い!
もう周りが見えなくなった。
この世界に今いるのはステージの上の4人とフロアの私だけ。
こんなに音の世界に浸らせてくれるバンドはそうそういないんじゃないかな。
このQOOPIEのパワーは何なんだろう、どこから来るんだろう。
ギター下手のせいすけさんが熱いMCをして、お客さんも涙するシーンがあるけど、私はそれよりもドラムのキノさんのメンバーを見つめるあの目に涙した。
何も語らないけど、目が十分に語ってた。
愛しそうに後ろからメンバーを見つめて、本編ラストの曲『VAN』で泣いているキノさんが見えた。
SNSはドラムの事や練習風景ばかり投稿していて、キノさんのストイックさが垣間見える。(たまにラーメン挟んでくるバランス具合もいい)
QOOPIE皆そうだけど、こんな人と仲良いんだよってアピールするかのようにミュージシャン同士群れてる写真ばっかり投稿するバンドマンとは一線を画す存在だと思う。
実際は遊びに行ってても、それを投稿してアピールするかしないかって大きな差がある。
ファンは切り取られたその一瞬を見て判断する。
「こいつ練習もしないで遊んでばっかりだな」と。
ファンはそれでしかプライベートを知ることはないからしょうがない。
今数多くの音楽家達が活動してる中で、為人を知ってもらう広報活動はすごく大事。
音楽だけで広まって、ライブまで来てもらうというのは難しいと思う。
その広報活動において、何を皆に知ってもらいたいか、というのが重要。
最近思うのは知性も必要とされるなという事。
このバンドめっちゃいいから聴いて!
と友人や同僚にお薦めするのも、
「でもめっちゃこの人達アホなんだよね、毎日飲んだくれてる写真ばっかりあげてるし」より、
「音楽の事しか考えてないの!すっごいマジメでさ、ライブも身内ノリとかなくてファン一人一人と向き合ってくれるよ!」の方が薦めやすい。
QOOPIEは幅広くお薦めできるバンド。
戦略勝ちしてると思う。
いや、そもそも戦略なんてないのかもしれない、本気で音楽だけと向き合ってきた結果がこうなのだと思う。
ライブ後物販に立ったり、ビラ配りをするメンバー達。今日の感想をダイレクトに伝えられる。
「俺のギターどうだった?」
上手でギターを弾く加藤一貴に聞かれた。
「どうって、もうすっっごいよ!聴く度にとんでもなくカッコ良くなってるよ!」
「え、ホントに?」
「ホントだよ、めちゃめちゃ心に響いてくる、QOOPIE大好きだわ」
物販に立つドラムのキノさんとベースの辻さんにも、とても素晴らしかった事を伝える。
「キノさん『VAN』の始まりで、愛しそうにメンバー見つめて泣いてたね。私それにつられて泣いちゃった」
「なんか、エモくなっちゃって」と照れくさそうに言う。
それを見て辻さんが笑っていた。
辻さんにも声をかけた。
「色んな人に言われてるだろうけど『Alaska』前のベースソロが最高です。もう後30秒長くしてくれてもいい」
「はい、大変ご好評いただいてます。後30秒…結構大変なんですけど、そう言っていただけるのはやり甲斐あります」
実現するしないは関係なくて、「あなたが必要」、「ココが最高だった」、「これを待ってる」とか大好きな音を奏でる人達には伝えている。
別に内容も覚えてくれなくて良くて、ただ褒めてくれてる人、期待してくれる人がいっぱいいたなと覚えててくれればそれでいい。
あなた達の栄養になる言葉が一つでもかけられたらいいなと思う。
せいすけさんはビラ配りをしつつお客さんと会話をしていたのであまり話せなかったけど、すっごく楽しかった事だけは伝えた。
不快な気持ちから爽快な気持ちに一瞬で切り替えさせてくれたQOOPIEは、これから出会う人達にも確実に熱い音楽が届いて広がっていくんだろうな。
こんなAIが溢れる時代だからこそ、人間がやる意味というのが伝わるし、その泥臭い感情に刺激される。
来年2月2日のワンマンが今からとても待ち遠しい。