GOOD BYE APRIL 2024年9月20日(金) Billboard横浜
「俺、土岐麻子好きやねんな」
去年SEQUOiAのライブ終わりにお話ししていた時のタカシ(Gt.)の言葉。
たくさんライブに行く割にあまりバンドやミュージシャンを知らない私におすすめのミュージシャンを教えてくれてた。
「インストバンドのtoe知ってる?」
「知らない」
「ボーカルだと土岐麻子がええよ。知ってる?」
「土岐麻子はさすがに知ってる」と答えた。
「俺、土岐麻子好きやねんなー」タカシが言う。
「みんな好きって言うね」
「声がええやん」
私が好きなバンドの人は皆土岐麻子が好きと言ってオススメしてくるので聴いてみたけど、1、2曲聴いただけではクラムボンの原田郁子と土岐麻子の歌声の区別がつかなかった。
タカシも好きなんだ。
「学生時代めっちゃ聴いてた」
そうか、めっちゃ聴くほど好きなのか。家に帰ったら土岐麻子をちゃんと聴こうと心に決めた。
それから1年、GOOD BYE APRILと土岐麻子がコラボ楽曲を出す事が渋谷のla.mamaでのライブのMCで発表された。
「え!!!!」
驚き過ぎてそれ以上の反応が出来なかった。
あぁ、すごいなぁ。
学生時代から好きだった人と曲を出すんだぁ。
そんな土岐麻子と一緒にライブをするという。
しかも場所はBillboard大阪と横浜の二箇所。
ただのファンの時は「土岐麻子」と呼び捨てしていたのに、「土岐さん」と言うタカシに、ホントの事なんだなぁと実感が沸く。
Billboardライブではヒグチアイさんもゲスト参加されるとの事。
ヒグチアイさんのファンにも、土岐麻子さんファンにもGOOD BYE APRILの音楽を届けられるんだ。
ライブ観たら絶対好きになってもらえる。
家事をしながら、お買い物をしてる時、何か作業をしている時、生活の中でふと鼻歌交じりに歌っちゃう。
そんな誰かの生活の中に溶け込んでいく、そんな素敵な音楽を。
第1部
せっかくの二部公演、やっぱり最初は全体を見たいなぁと2階のカジュアルシートセンターを取った。
大きな電飾が3つ邪魔をしてステージが見えない。
隙間から見るのコレ?と不安に思っていたら本番直前に電飾が上に収納されました。
お隣のご夫婦からも「あー良かったぁ」と安堵の声。
ステージを一望でき、ステージ上の演者さん達の表情も良く見え、いい席でした。
『ニュアンスで伝えて』はヒグチさん抜きで何度もライブで聴いてきたけど、ヒグチさんが入る完全体で聴けた事はやっぱり嬉しい。
GOOD BYE APRILの楽曲『空の数だけ』を歌うヒグチさんの歌声には思わず涙が零れた。
歌の深みがすごい。らっしーさん(Vo.)の優しい歌い方に加え、ヒグチさんの声は意志の強さを感じる説得力のある歌声。
とてつもなく良かった。
土岐麻子さんが入った形で初めてライブで聴けた『ふたりのBGM』。
嬉し過ぎて顔が緩む。
音源では控えめな音量のドラムとギターも、バンドで演奏すると全面にドラムが出てくるから、つのけんさんのドラムファンは必聴。
つのけんさんも気合いの入り方が他の曲と異なる気がする。
ギターは後半Dメロの" 揃わない歩幅を " の "を~"の所のギターが好きなのにそのフレーズじゃなかったのが残念。
あれはタカシが弾いてるんじゃなくて打ち込みのフレーズだったのかな?タカシの癖が出てるからそうだと思ってた。
後日の配信でらっしーさんに言ったけど「え、違いました?」と言われたので自信ないけど、絶対違ったと思う。
『ぜいたく』をバンドセットで聴いたことあったかなぁ?と思い出そうとしたけど思い出せず。
後日、去年のメジャーデビュー記念日ライブと、SOMETIME'Sとの2マンイベントで演奏したことを思い出した。
そうだそうだ、キーボードサポートの雄翔さんのイントロの弾き語りがめちゃめちゃ良かったんだった。GOOD BYE APRILのサポートは私の中では雄翔さんしかいない。仲良くさせてもらってるから情が湧いてるのかもしれないけど、雄翔さんの選ぶ音がいちいち好きなんだよね。
また雄翔さんのピアノで聴きたいなぁ。
『ぜいたく』はいい曲だけどライブで演奏される事が滅多にない。
音源よりも、らっしーさんの声はライブで聴く方が断然いい。
この日の『ぜいたく』は格別だった。上質な音楽に触れたなぁと幸せに満ちた気持ちで本編を終えることが出来ました。
この90分で何回感動ポイントがあったか数え切れない。
大好きな4人がこんな素敵な空間で最高の演奏をして、楽しそうにしているのが本当に嬉しくて幸せだった。
第2部
2部は1階ステージ前の席。
自分の番号が書かれた席に行くと「勝った」と心の中でガッツポーズ。
タカシの目の前も目の前でした。
別に誰とも勝負してないけど、半ば賭けで取った席が大当たり。
会話したりの近さは何故か平気だけど、ステージで近いのはめっちゃ緊張する。
SEQUOiAでは真正面とか隣りとか近い距離は何度も経験してるけど、あれはいつも撮影していてカメラ越しにタカシを見てるから。
今回頼もしい相棒のカメラはない、ヤバい。画面を通さないでこんな近くで見て私の心臓持つかな?
開演時間になって拍手で迎えられながら客席の通路を歩いてステージに立つタカシに思わず顔を背けた。
やっば!近い近い近い!!そして今日もめちゃくちゃカッコイイんだけど!
呼吸を整えてタカシを見ると目が合って、タカシがいつもの笑顔で笑ってくれた。続けて同じテーブルのファンの方々にも微笑みかける。
多分「来てくれてありがとう」って言いたいのかな?
Billboardなんて素敵なステージに立って、衣装もカッコよくて、余所行き仕様だったタカシに勝手に緊張してたけど、いつもの笑顔に平常心を取り戻す。
そりゃ中身はいつものタカシだよね。
カッコ良くて、もう何時間もその顔見てられると思っていたらあっという間に終わってた。
90分経つの早過ぎない?
おかしい。このままじゃタカシカッコイイしか感想がない。
落ち着きを取り戻すまで簡単なメモだけ残して数日感想を熟成させる。
5日経っても結局「タカシがとんでもなくカッコ良かった」が一番に出てくるけど、もう少し賢そうな言葉を探してみる。
このままでは重症の痛いファンになってしまう。それだけは避けなければ。
1部では『BRAND NEW MEMORY』だった2曲目が『夜明けの列車に飛び乗って』に変更。
この曲メッッッチャ良いよね。
四年間寝かされて昨年の冬にリリースされたという曲。アウスレーゼされた曲はとてもいいタイミングで世の中に出せたんじゃないかな?
何年もかけて世の中の人々の心を侵食していく素晴らしい曲。
ヒグチアイさんとのコラボ曲はこちらも1部からの変更があり『誰でもない街』を演奏。
1部のヒグチさん選曲の『最後のひとつ』はGOOD BYE APRILっぽさがある。でも『誰でもない街』の選曲はGOOD BYE APRILだという事で驚き。
この曲は映画の挿入歌で、プロデュースがなんとfox capture plan!
昨年foxのライブにヒグチさんがゲスト出演されて、この曲と『この退屈な日々を』を披露されたそうで、とてつもなく見たかった公演。
foxを知ったのがなにぶん今年なもので、映像があれば良かったのに。
司さんの叩く『誰でもない街』絶対カッコ良かっただろう。
ジャズテイスト溢れるこの曲をGOOD BYE APRILで???
ゴメンなさい、大変失礼ながら「出来るの?」と一瞬思ってしまった。
演奏は上手いの十分知ってる。
技術の上手い下手じゃなくて、ロックが合わず、試行錯誤して行き着いたシティポップをやってるバンドが、そういうジャズブルースみたいなものが表現出来るのかな?
そんな私の失礼極まりない疑念も一瞬で取っ払ってきたイントロのつのけんさんのドラム。
「マジかよ…」
こんなん演奏しちゃえるの?
カバーとかコピーじゃなくて、もうGOOD BYE APRILの曲になってるじゃん。いや、つのけん節と言うべきなのか。
司さんにまるで劣らない体幹のしっかりしたドラムがなくては成り立たない。(原曲はfoxの井上司さんが演奏)
この体幹は体のではなく、音楽の下地がしっかりあって芯があるという事。
GOOD BYE APRILのファンコミュニティの生配信がこのライブの2日後にあったので、らっしーさんに「この演奏を聴いて体幹のあるバンドだと思いました」とお伝えした。
らっしーさんは瞬時に私の言う体幹の意味を理解してくれて「そう、とくにつのけんのドラムは体幹があって軸があってぶれない、彼の演奏に引っ張られた感がある」とおっしゃってました。
らっしーさんも、その中心にいるのはつのけんさんのドラムだと、演奏してる側もそう感じるほど。
聞き手側はその何倍もつのけんさんのドラムに心奪われてた。
原曲ではホーンが鳴り響く部分を、タカシのギターが巧みな技術で繊細だけれど大胆に演奏。
ちなみに原曲のSaxはGOOD BYE APRILのサポートでもお馴染みの藤田淳之介さん。
延ちゃんのベースも、キーボードサポートの、はらかなこさんのピアノもカッコ良かったなぁ。
もう一回聴きたい。ムリなら映像をあげて欲しい。撮影してないかな?あれっきりはもったいなさすぎる。
土岐さんとの再びのコラボも、ステージ上だけではなく、聴いてるお客さんも幸せいっばいの時間。
なんて贅沢な時間を過ごせてるのかな。
『missing summer』では、つのけんさんのドラムとタカシのギターに合わせてクラップする私の癖が二箇所あるんだけど、その二回目のタイミングの前にタカシが私を煽るような目で見つめてくる。
「え、何?」と一瞬とまどったけど、あ、そうか私がここでクラップするの知ってるんだと察する。
タカシと見つめ合いながらクラップして笑い合った。
まるで一緒に演奏してるみたい。
お客さんもメンバーみたいな、そんな気持ちにさせてくれて本当にありがとう。
直後のギターソロではステージギリギリまで出てきて目の前で演奏。
いや、もうファンサの嵐でホント私の心臓もたない。嬉し過ぎて泣きそう。
東名阪ツアー発表
アンコール前に年明けに東名阪ツアーを行うとらっしーさんが発表。東京が2月11日、場所は渋谷のWWWX。すごい!
追加情報で延ちゃんが椅子席とスタンディング席を用意しますと言ってた。
WWWXはスタンディングでキャパが700人のライブハウス。
アルバムリリースは11月13日。ツアー初日は来年の1月25日の名古屋。
その間にめっちゃプロモーションしてラジオでガンガン流してもらって、リリイベもやって集客しよ!
めちゃめちゃいいツアーになる未来しか見えない。
アンコール
そんな素敵なお知らせの後はヒグチさんと土岐さんを交えて、竹内まりやの『September』を演奏。
GOOD BYE APRILがカバー動画を出すまでこの曲を知らなかったけど、哀しい別れの歌詞と相反して明るい曲調。
別れた直後は泣くけど翌朝にはケロッとしてそう。
次の男がいるから別にいいやっていう女子大生の軽薄さが滲み出てる。
この曲の当時のエピソードが書かれた記事が面白かったので読んでみて欲しい。
会社の裏事情とか書かれていて暴露記事っぽい。
「タカシがとにかくカッコ良かった」だけの感想からかなり深堀できたんじゃないかな?
流石に5,000文字越えの感想は疲れたのでこの辺で。
読んでくれた方もお疲れ様でした。
ありがとうございます。
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