耳で泣けるか
John Sykesが死んでしまった。
僕の青春時代のギターヒーローのひとり。もうかっこよくてかっこよくて、とにかくかっこよくて、CDが擦り切れるほど聴いた。針ないのに。
トップギタープレイヤーの一人であり、優れたメロディメーカーでもあり、さらにボーカリストでもある。しかもイケメン。名前の「サイクス」も、とがってる感じがなんかかっこいい。そんな、死ぬほど憧れたヒーローが死んでしまった。
65歳、肺がん。
なんと、父とまったく同じだ。僕にとって、忘れられない年齢と病名。ギターヒーローの突然の訃報に触れたとき、心臓のグラグラが複数回襲ってきたのはきっとそのせい。
今日はちょっと仕事が手につかなかった。今日は。ちょっと。
好きなギタリストを書いてみる。聞かれても頼まれてもいないのに書くのもどうかと思ったが、そもそもこのnoteも頼まれてなかった。書く。
Jeff Beck
Randy Rhoads
John Sykes
Paul Gilbert
John Mayer
Pat Metheny
Mike Stern
Slash
Derek Trucks
Nuno Bettencourt
Richie Kotzen
僕は音楽評など書けない。
なぜこのギタリストたちが好きなのか、何がいいのか。
自分が感じたことを言葉で伝えられない自分にいつも嫌気がさす。
音楽に対する感受性には個人差があるそうだ。
音楽を通じた人とのつながりに喜びを感じる人
新しい音楽を見つけることに喜びを感じる人
音楽を聴くことで心が慰められる人
音楽を聴くと踊りたくなる人
音楽を聴くと感情的になり涙がこみあげる人
僕は5番に当てはまる。耳で泣ける。とくにクラシックに弱い。泣いてしまう曲リストがこれ。
ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
ドビュッシー「月の光」
ショパン「夜想曲第1番」
すぎやまこういち「冒険の旅」
耳から入ってきたメロディが頭に入って、体に落ちて広がっていく。するとだんだんと背中のあたりがぞくぞくし始めて、また頭のほうに上ってくる。そしてなんかぶわーってなって、いろいろあって、やがて涙が流れ出す。なぜかはわからない。言葉にできない自分に嫌気がさす。
クラシックだけでなく、ロックでも泣ける。とくにギターに弱い。たとえば上記リストだと、上から3人のJeff Beck, Randy Rhoads, John Sykes(偶然にも存命でない3人だ)のプレイを聴くとなぜか泣いてしまう。なぜかはわからない。言葉にできない自分に嫌気がさす。
電車の中でホロリとしてしまったり、歩きながらグスンとしてしまったり、少し恥ずかしい思いをしたこともあるけど、音楽を聴いて涙を流すと心が浄化されたような気分になれるから好きだ。
今夜は、ずっとJohn Sykesの曲を聴いている。やっぱり相変わらず涙が出てくる。相変わらずなぜかはわからない。