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真べぇVSケツに…出ました。
6月23日、森ノ宮よしもと漫才劇場でおこなわれた
話題沸騰中、衝撃のイベント、『サンクチュアリ〜真べぇVSケツ〜』に、
出演(で)てきました。
え?
出たの?
裏方やのに?
そうなんです。
シークレットで、構成作家 津村アキヨシ、
クレジットされてました。
◆出演の経緯
(以下、多少のネタバレも含みます。ライブをご覧になっておらず、今後ご覧になられる予定の方は、
以降の閲覧は自己責任でお願いします。)
私、津村、現在は作家をしておりますが、元々
はNSC大阪30期生で、つまりは
真べぇと同期。
それは、遡ることおよそひと月前。
ニューヨークchで誠子の回が流れた時に、
楽屋で
「たしかに真べぇ、そういうとこあるよな。」
と、同じく同期のツートライブや、当日出演
していた今井らいぱちに話したのがことの始まりで。
たまたま、それから数日後、
ツートライブが、ニューヨークのお二人に
大阪で会い、私の話をしたのが、
奥田氏に伝わって、
「ぜひその話をしてくれませんか。」と
オファーが。
その流れから、
辞めた他の同期(いわゆる"裏・30期")の
「当時の思い」も探る使命を受けるわけですが、
日に日にプレッシャーに苛まれる
わけですね。
◆◆作る、そして作らない
"エレパレ""シン・りょう"…
数々の"リアル・ドキュメント・ショー"
シリーズを手掛けた奥田泰氏と
関わることで、
あの夜起こったことが、
どうやって仕掛けられたか、の一端に
触れることができた。
「仕掛けられ」と言えば語弊がある。
あのライブは、
たしかに作っていなかった。
何が起こるか、誰もわからない。
あえて、作らないやり方。
全部真実(ほんとう)。
一見矛盾した言い方をすると、
計算して、計算が立たないライブを
作っていた。
凄いライブだった。
◆
だからこそ、
そんな混沌の中に唯一、
起承転結の"転"の役割を"明確に"持つ
自分は、
絶対に失敗(ミス)れないし、
邪魔をしてはいけなかった。
それがプレッシャーの正体。
あの板の上で唯一じゃないかな。
他の演者とは違う汗をかいていたのは。
(シークレットで楽屋にも入れないから
大阪城公園をうろうろしながら
トークの稽古をしてました。)
…無事終わってよかった。
◆◆◆真べぇと僕
本番で話した中にあったように、
30期には"オモテ"と"ウラ"があり、
真べぇはオモテ、僕はウラのメンバー。
…とは言っても、
そんな意識があったのは、
彼も言っていたように、我々ウラだけ。
むしろ真べぇは、
今思えば、ウラのメンツの事が好きだった。
オモテではできない、漫画の話とかいっぱいしに来てたもんな。
きっと同期ライブも、純粋に好きで
観に来たのだろう。
我々(ウラ)に興味を示さない本当の
オモテメンバーとは違い、
同期を真の意味で分け隔てなく
ひとつにしようとしていたのは
もしかしたらアイツなんじゃないかな。
◆
とまあ、こんな事を熱く書かせてしまう
ぐらい、あのライブはリアルで
アッツアツだった。
若かりし日々、芸人って互いに
色々尖ってて、どの期も何かしら
あるんですよ。
そこにフォーカスを当てて、
エンタメに昇華させる、というのは
このシリーズの醍醐味ですよね。
◆◆◆◆素人のおじさんを救った怪物
このライブに出ることで、極上のエンタメを
味わう一方で、怪物の存在を身をもって感じる
ことになった。
屋敷さん。今更すぎるが、改めて。
ライブをご覧になった方には記憶にある
シーンのひとつになると思うが、
「1軍はそうやって言うんすよ!」の一連。
津村が、逆に真べぇに返されて、
本来なら反論なり言い訳なりを私自身で
しないといけない場面で、
「1軍はそうやって言うんすよ!」
「別に(ランキング)やっていいでしょ!」
と、これまでの「中立」から一転、
裏方の私にだけは明らかに味方をしたのである。
正直、真べぇの反撃が来た時、裏方なりに、
アタマをぐるぐるぐる…と回した。
これ以上自分がボールを持っては
いけない、誰も興味ない。
さらに反論するのは違う。
とはいえ、ここで自分までも変な感じに
なったら、この後の流れに支障をきたさないか…
などと考えていたが、それは全くの杞憂だった。
屋敷氏の返しに応じて
ただ私は、立ち上がるだけで良くなっていたのだ。
「ルパン」「終盤の回収」
自分が救われただけでなく、全編通して
痺れるフレーズとセンスで
山場をゴンゴン作っていく…
あの怪物、獲るな。
◆◆◆◆◆自分ならどう作るか
とにかく凄まじいエンタメだった。
それは、後日譚も含めて。
あの夜、あのライブを観て、
それぞれがそれぞれの立場で
何かを思い、何かを感じ…
"コレじゃなかった感"があった人が
いたとして、
辻きむの感"毒"想がそれをすくう。
観た人間が、観る前に、観た後で、
そのライブについて、そのチャンネルについて、
賛否両論、様々語りたくなる…
(ように出来ている…!)
そんなお笑い今まであったか?
新しいお笑いのカタチ。
新しいヒューマン・エンターテインメント・
バラエティー・ショー。
間近で感じられて良かった。
◆
最後に、
今でも私が考えてしまうのは、
「自分ならどう作るか」
あの材料がある状況で、
自分なら、何をしただろう、
何が出来ただろう。
演者として出たくせに、
作り手として勝手に受け取ったこの宿題を、
解いて、いつか奥田さんと
語り合いたいものである。