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ケアマネジャーの魅力、再考。(働き方編)

高畑俊介(さんかくしおハッカ)
介護支援専門員 居宅管理者

「さんかくしおハッカ」という名前で活動しています。各種SNSでは、高齢者介護を行っている家族や、介護をお仕事にされている方に向けた情報発信をおこなっています。モットーは「幸せな介護職員を世の中に増やしたい」。令和5年にフリーコンサルとして起業し、介護事業所の組織マネジメントやコンセプト作り、ブランディング支援に関するサービスを行なっています。



ケアマネジャーの魅力を再考したい。(① 働き方について)

はじめまして。

大分県で居宅介護支援事業所の管理者をやっております、高畑俊介と申します。普段はSNSやYoutubeなどの媒体を通じて介護に関する情報発信をおこなっております。

いきなりですが。

介護保険業界は、今までにない苦境に立たされていると言わざるを得ません。

公的社会保障の現場であるにも関わらず、運営の原資となる介護報酬は思うように上がりません。(令和6年度の報酬改定率は+1.59%)

昨今の世界的物価高の影響を考慮すると、むしろ目減りしてしまっている可能性もあります。

介護保険発足当初、「扇のかなめ」とはやし立てられたケアマネジャーも苦境にたたされたこの業界を象徴する存在となってしまいました。

高齢者人口の増加による業務過多、働き世代の減少に伴う慢性的な人手不足。

現代社会が抱える問題も、容赦なくケアマネの身に降りかかります。

ヤングケアラーやダブルケアの問題、仕事と介護の両立問題、地域の災害対策・支援、果ては地域資源や担い手の発掘といった政策決定にまで寄与することを求められる存在です。

ただでさえ、多様なライフスタイルを持つ家庭の介護相談を受ける中で、ケアマネジメントに求められる専門性は格段に増加しました。

私の住む地域でも「事業所の平均年齢が60歳を超えていて」「次の資格更新時には引退しようと思う」「疲れました」などの生々しい声が聞こえてきます。

行き場を失ったケアマネの心の火は、まさに「風前の灯火」…なのでしょうか?

実は、私はそうは思っていません。

むしろ今こそケアマネジャーの「本来の魅力」に気付くべき時だと感じています。



前置きが長くなりましたが、今回はテーマごとに全3回に渡ってケアマネジャーの魅力を再考していきます。

第1回目のテーマは「働き方」という切り口で、私なりの考えをお話していきます。少しでも皆さんに伝われば嬉しいです。

さて、介護保険業界の厳しい状況は上述の通りです。確かにそれ自体は変わりません。

しかし、自分たちで出来ることもあります。

私達ケアマネ(ケアマネ資格を持っている方という意味も含みます)はこの業界でもっとも自由度の高い職種の一つだという事を忘れてはいけません。

もっと具体的に言います。

サービス提供時間に拘束されない働き方とは、裏を返せば自分なりのワークフローが自由に構築できるという事です。

確かに利用者・家族のイレギュラーな事態はこの仕事につきものです。そのことで奔走する経験は誰にでもある話です。

しかし、業務の内容が利用者への「直接支援」ではないという前提は、他の介護サービスと根本的に違う部分でもあります。

何が言いたいか。

時代の荒波にただ流されるだけなのか、様々なリスクを分散して自分なりの泳ぎ方を模索するのか、それは私たちの自由という事です。

業務の合間をみて自己研鑽に励む、業界のネットワークを拡げる。学びたい事を学べ、会いたい人に会いに行ける自由はケアマネの特権です。

そしてそれは、必ずしも介護保険サービスそのものに関する事でなくもよいでしょう。

「地域のためにこんな有償サービスを提案したい」

「業務効率化に悩む事業所さんのサポートがしたい」

など、自分の得意を活かせる分野が見つかる可能性も大いにあります。こうした視野の広がりはケアマネ特有のものだと、私は感じています。

(※もちろん本当に何か実践する場合は、勤め先の了承をとってください)


単一のサービス事業所、施設に勤めているとこうした視点は持ちにくいものです。

さらに経験を重ねれば、独立起業することだって可能です。そこではさらに「働く」という事と、自分の「人生」についてのすり合わせがゆっくりとできるはずです。

介護報酬という安定した収入源をもちながら、次のステージを睨むことができます。そこはまさに、ケアマネジメントだけが仕事の世界ではありません。

それまでの経験を踏まえた、居宅介護支援事業所のスタートアップ支援、スーパーバイザー、研修講師、コンサルティングなど幅広い分野から自分がやりたい事に時間を投下できます。

もちろん、産業ケアマネジャーによる介護離職防止の企業支援もその一つです。

自分にとって何が喜びなのか。じっくりと考える機会になるはずです。国の施策に一喜一憂せず、自分たちで居場所を作っていきましょう。

私は、ケアマネジャーに「学び欲」の強い人が多い印象を持っています。でもそれは当然なのです。

ケアマネ試験合格者の研修を修了した時、これを読んでくださっている皆さまの多くが期待に胸を膨らませて足を踏み入れたはずです。

それは、こうした視座の高い仕事に対する期待感と、自分の人生に対するワクワクです。

働き方改革によるリモートワークも普及し、テクノロジーも、情報の流通度も、介護保険発足時からは比べ物にならないほど発達しました。

今こそ、ケアマネがその自由さを武器に「自分にとって最高の働き方」を模索できる時代になったんです。

あのワクワクを取り戻す時が来たんです。

今こそ私たちの仕事に向き合い、魅力を発信する時ではないでしょうか。

可能性に満ち溢れたケアマネという仕事の「本来の魅力」。

今回は「働き方」の部分で、お話させていただきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。



高畑俊介 /さんかくしおハッカ

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