競合他社比較表の作り方を徹底解説!マーケティング、セールスを強化する|副業COOの打ち手メモ
どんな商品もサービスも、競合がいて比較される時代です。
とはいえ、その比較は、ユーザーからみるとなかなか難しいことをご存知でしょうか?
したがって、比較と言っても、同一カテゴリー内の競合他社との比較表はきちんと自社で作成しておく必要があります。
では、そんな他社比較表はどのような手順で作成するか、ノウハウがあまり落ちていないので、まとめておきました。
なお、他社比較表は、toBの場合には稟議の最終局面で見込客によって作成されます。
そういった意味では「無いと低成約率に直結する」資料です。
この機会にぜひ作成してみてください。
他社比較表とは?どんなもの?作成の目的は?
他社比較表は、競合する商品・サービスと価格や機能・仕様やその他の要素を一覧形式で比較することで、競合他社より自社が優位な点を際立たせることを目的に作成します。
通常、比較表を必要とするのは、現実的に商品・サービスの導入を検討しているフェーズであることが多いため、購買に直結する要素となり得ます。
また、複雑な用途がある商品・サービスでは、「そもそもどこをどう比べていいかが分からない」という見込み客は多いです。特に、BtoBにおいては、担当者が決裁をあおぐ上での社内資料としても転用されますので、自社側から比較フレームを提供しましょう。
他方で、取扱には十分注意が必要です。
同業他社の具体的な社名や商品・サービス名を記載して社外に出すうえでは、景品表示法などへの配慮が必要です(後述します)。
余計なトラブルを起こしたくないのであれば、原則避けた方がいいでしょう。
特に「◎◯△✕」や5段階評価などの評価やその他主観的な記載をしてしまったものが社外流出した場合、法令に抵触したり、社会的責任を問われる可能性があります。
加えて、自社だけに圧倒的な優位性があるような記載をしたり、全項目で自社が勝っているような表になってしまっては、見込み客の信頼を得ることは出来ません。
「こことここは(機能面では)負けているが、この点では自社が優位で、そこに価値を感じる見込み客にとっては最も適している」という見込み客を絞り込むスタンスこそが、他社比較表を作成する上で重要となります。
他社比較表を取り入れるべきなのは?
・ダントツトップシェア商品がある市場
他社比較表は、購買において比較されやすい商品・サービスが、固有名詞で1〜2だけ想起されるような寡占的な市場においては、特に有効です。
本気で導入を考えていれば、そうしたトップシェア商品を調べないわけがありません。
・BtoBで中堅、大企業に販売したい
中堅、大企業であれば、購入までの間に、稟議ラインがあり、通常2名以上の承認者が存在します。そのため、見込み客の社内において、類似サービスとの比較表を作成しないと決裁が先に進みません。
しかし、前述のとおり、見込み客が比較表を作成するのは大変な手間です。あなたの会社で用意できていれば、成約に大きく近づくでしょう。
他社比較表の効果を発揮するために意識したいポイント
他社比較表を導入の際は以下の点にご留意いただくと、成果が出やすいです。
①価値の比較から考える
他社に勝っているか、負けているかという観点も重要ですが、より重要なのは「どこを比較すべきか?」という比較軸です。これが顧客のベネフィットに根差したものであるかをしっかり確認してください。機能面では圧倒的に優位でも、見込み客にとってそこはどうでもいいという項目は負けても問題ありません。
②客観的データを使う
可能な限り客観的データを引用します。あなたの会社が配布しているということで、見込み客には「優位な点だけが並んでいるだろう」というバイアスがかかっています。第三者的にみても明らかにするには調査データやスペックなど客観的なデータを使います。
③コストが安いところとも比較する
最安値が最大のウリである以外は、自社よりコストが安く済む同業他社と比較しましょう。「あえて」安いところと比較しているということは、このサービス群は「安かろう、悪かろう」なのだということを暗に伝えることになります。その上で、コストパフォーマンス(費用対効果、投資対効果)においては、自社が優位であることを表現しましょう。
補足 りんごがチョコレートに勝つには、土俵を変える
機能面では絶対に勝てないと考える競合があっても、あきらめる必要はありません。
例えばりんごが「食後の甘味」としてチョコレートと比較された場合、価格、糖度、味のバリエーション、食べる手間といった比較軸では負けてしまうでしょう。しかし、「食後に食べても罪悪感のないデザート」という土俵で比較すると、血糖値への影響、食物繊維含有量などの比較軸となり、今度はかなり勝ちやすいといえます。
このように、あなたの商品・サービスがどのような比較軸を用意すればダントツに勝てるかを考えていくとよいでしょう。
他社比較表の導入・運用・改善にあたっての注意点
比較表は、いくつかの点で注意して作成する必要があります。
①コンプライアンス(法令遵守)
他社名を記載するしないに関わらず、客観的な比較ができるように努め、法令や倫理上の落ち度がないように配慮しましょう。特に、比較表作成時の生データの管理には十分注意してください。一部社員が社外流出したような場合でも、企業全体の責任となります。
消費者庁によると、比較広告については以下のように記載されています。
②専門用語は分かりやすい解説とセット
他社比較表のうち、特に機能やスペックを比較している部分についての表記は、見込み客からすると難しすぎることがあります。専門用語を使わなければならない場合は、注釈を入れておきましょう。
他社比較表の導入5ステップ
step.1 比較相手と比較軸の整理
まずはどの商品・サービスと、どの点で比較するかを検討します。自社内に知見がなければ、先に顧客アンケートを実施し、購入時の他の選択肢などを取得しておきましょう。
step.2 客観的データの収集
他社が各種データを公表していない場合、データを入手するのは困難なことが多いです。入手できない比較軸は掲載を諦めるなど、間違っても不正な方法で入手したり、推測で書かないようにしてください。
step.3 実際に作成する
入手した情報を元に、実際に作成していきます。生データは他社名を表記していても構いませんが、外に出す際は注意してください。
step.4 資料などに利用する
見込み客の動線上に配置したり、ホワイトペーパーに盛り込んだりします。また、リーフレットや提案書に盛り込んで、セールスチームが使いやすい状態にしておきましょう。
step.5 検証・改善する
顧客アンケートでにより、顧客が実際に比較した商品・サービスなどを収集するなどして、比較表の内容と、実際の見込み客の検討内容のズレを調整していきます。また、未成熟市場の場合、自社の優位性を上回る競合商品・サービスが現れる可能性も多々あるので、注視しておきましょう。
|他社比較表作成でチェックしておきたいプラットフォーム・ツール
自社内で作成しても効果の高い比較表ですが、比較プラットフォームを活用すると、認知や第三者からみた信用担保という意味で大きな効果を発揮することもあります。
ここでは、他社比較表作成でチェックしておきたいプラットフォームとツールをピックアップしました。
・ITreview
IT reviewは、国内最大級のIT製品/ SaaSのレビューマーケティングプラットフォームです。無料から掲載でき、基本的な機能は十分開放されています。レビューや比較チャートは有料で2次利用が可能です。
・オリコン満足度調査
オリコン満足度調査は、満足度に関する回答をもとに「顧客満足度ランキング」として指標を作成、当サイト上で広く公開しています。また、満足度と併せてサービスを利用する際の重視点、推奨意向、再利用意向など様々なマーケティングデータも聴取しており、多角的に分析を行った「調査・分析レポート」の提供を行っています。
登録という概念はなく、オリコン側が独自に調査したレポートやバッジを購入することで2次利用できます。
他社比較表に関して実際にでた質問・疑問
Q.どんな比較軸がいいか分かりません
A.代表的な比較軸は、機能とスペック・価格・顧客満足度です。しかし、単なる機能を並べていくのではなく、強みを明確に意識し、多機能がウリなのであれば機能を細かく列挙する、シンプルな分かりやすさがウリなのであれば、基本機能に加え価格や顧客満足度を強調する、といった形にするといいでしょう。
Q.適切な比較相手が見つかりません
A.知名度の高い、より包括的な商品・サービスと比較してください。あなたの商品・サービスが何かに特化している場合は、必ず勝てるポイントがあるでしょう。
または、既存領域を塗り替えるような商品・サービスのリリースであれば、既存業界の平均などと比較する手もあります。
Q.外注できますか?
A.他社情報の収集(リサーチ)については外注を検討するといいでしょう。
しかし、そもそも比較軸を整理したり、競合他社のリストアップは十分なフィードバックを得られないか、高額になることが多いです。
どこまでを外注するか、どこからは社内でやるか、などは整理しておきましょう。
Q.全ての商品・サービスで公開しますか?
A.マーケティング・セールスにおいては、フロントエンド商品(多くはロスリーダー)だけを公開しておきます。バックエンド(アップセール・クロスセール)商品については、あえて公開する必要はなく、個別の商談時に必要あらば提示するといいでしょう。
|まとめ
競合他社比較表を作成する実務について解説しました。実際に作ろうとすると、なかなか作成のハードルが高いのですが、ご紹介した以下のポイントをおさえ、まずはもっとも自信のある商品(フロントエンド・ロスリーダー・客寄せ)で作成してみましょう。
・作成のポイント
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