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【伊勢神宮】車いすユーザーも安心!バリアフリー&ヘルパーサービス情報
いにしえより「一生に一度はお伊勢さん」と、人々を惹きつけてやまない伊勢神宮。
三重県伊勢市にある約2,000年の歴史を有する伊勢神宮は、125社からなるお社の総称であり、正式には「神宮」といいます。
伊勢神宮は「内宮」と「外宮」に分かれており「外宮」から参拝するのが習わしです。
それぞれの参道には玉砂利が敷いてあるため、車いすで行くには難しいと諦めている方もいるかもしれませんが、心配はいりません。
伊勢神宮では、車いすユーザーや長距離を移動するのが難しいご高齢の方にも、安心して参拝していただけるよう、参道専用の電動車いすの無料貸出や「伊勢おもてなしヘルパー」などのサービスを実施しています。
今回は、車いすユーザーにぜひ知っていただきたい、伊勢神宮「内宮」「外宮」のバリアフリー情報と、伊勢おもてなしヘルパーの利用方法についてご紹介します。
伊勢神宮の内宮・外宮バリアフリー情報
はじめに、境内のバリアフリー状況について、内宮・外宮に分けてご紹介します。
〈内宮〉
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【バリアの状況】
・玉砂利の参道が片道800m、往復1.6㎞
・正宮正面に階段が25段
【バリアフリー対応】
・電動車いす無料貸出10台(玉砂利でも走行しやすいタイヤが太いタイプ)
・多機能トイレ4か所
貸出用の電動車いすは事前予約制でなく、当日に宇治橋手前にある衛士見張所にて借りられます。
手続きは名前と連絡先を記入するのみで、身体障がい者手帳の提示は必要ありません。
また、ご自身の車いすは参拝から戻るまで預かってもらえます。
電動車いすの背面には、同行者が操作できるようジョイスティックがついていますが、使用方法も丁寧に教えてもらえるため安心です。
宇治橋を渡り、正宮に向かう手前の手水舎には溝があるため、車いすのタイヤが落ちないよう注意が必要ですが、横づけにすると安全に柄杓を手に取れます。
手水舎のすぐ近くには、多機能トイレもあります。
「ザッ、ザッ」と玉砂利を踏みしめる音が響き渡るなか、神宮杉の威厳を感じながら参道を進んでいくと、正宮に到着。
階段下で参拝もできますが「伊勢おもてなしヘルパー」を利用すれば、車いすごと階段上まで運んでもらえます。
〈外宮〉
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【バリアの状況】
・玉砂利の参道が片道400m、往復800m
【バリアフリー対応】
・電動車いす無料貸出(玉砂利でも走行しやすいタイヤが太いタイプ)
・多機能トイレ5か所(駐車場内にも有り)
・正宮前は段差なし
外宮は、内宮に比べて参道が短く、正宮前の段差や階段もないためスムーズに参拝できます。
とはいえ、内宮と同様、参道には玉砂利が敷いてあることから、電動車いすの利用がおすすめです。
お時間にゆとりがあれば少し寄り道を。
正宮の裏には、外宮のみに建てられた神様の食堂「御饌殿(みけでん)」があり、毎日朝夕の2回、天照大御神などに食事を捧げる祭事が執り行われています。
その少し奥に進むと、神様に仕える神馬(しんめ)のための御厩(みうまや)があります。神馬の正式参拝日は1日、11日、21日ですが、不定期で御厩に入るため、タイミングがよければ他の日でも神馬の姿を拝めるかもしれません。
「伊勢おもてなしヘルパー」利用で、安心して参拝
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伊勢神宮では、電動車いすの無料貸出を行っていますが、ご自身の車いすで参拝したい場合は「伊勢おもてなしヘルパー」を利用することで、以下のサポートを受けられます。
1. 内宮参道での車いす操作
2. 正宮まで車いすに乗ったままでの階段昇降
参道では、電動車いす「WHILL」に乗り換え、ヘルパーが操作します。
車いすに乗ったまま参拝をする場合は、階段下でご自身の車いすに乗り換え、最大4名のヘルパーによって正宮前まで移動させてもらえます。
移乗が困難な方や、座位保持が難しい方は、ご自身の車いすでの移動をサポートします。
料金はヘルパーの人数によって異なり、お申し込み後のヒアリングで決定します。
伊勢おもてなしヘルパーのホームページから予約可能で、参拝予定日の10日前までに手続きを済ませる必要があります。
【ご利用料金】
・4名の場合…11,000円
・3名の場合…9,000円
・2名の場合…7,000円
・1名の場合…5,000円
※同行者も昇降に協力できる場合はヘルパーの人数が減ります。
公式ホームページ:【公式】伊勢おもてなしヘルパー
まとめ
常に人々の心に寄り添い、見守ってきた伊勢神宮。
日常の喧騒を忘れさせてくれるこの地では、車いすユーザーや長距離を移動するのが難しいご高齢の方でも安心して参拝できるよう、さまざまな取り組みが行われています。
神域に足を踏み入れると、心のざわつきが消えていくのを実感できます。
穏やかな心を取り戻すため、この機会にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。