姫君のティータイム

私は可憐な姫君。美しいティーカップに注がれた香り高いお茶と、甘いお菓子がお友達よ。

清純なホワイトと可憐なピンクが大好きだから、ドレスはその2色。街に出るときは、純白の衣装がほとんどだったかしら。

恋人たちは、互いに私の数を知っていた。それが親密の証。

感謝や義理、習慣を携えて人から人へ渡ることもあったわ。狭っ苦しい四角い馬車に詰められて。

子どもたちは私を見ると目を輝かせたわ。女の子には、小さなプリンセスになる夢を見せてあげた。

私は儚い。あっという間に霧解し、姿は消える。
でも、私の愛は消えない。私の甘さは人々の緊張を緩め、元気づける。

”革命”によって私は姿を消した。もう、私を知っている人は少なくなった。古き良き、活気あふれる時代が私の舞台だった。

恋のおまじないでも、私は主役だったの。それも昔話になったけど。
魔法のスティックはシナモンの枝。


私の正体は曲を聞けば わ か る わ


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