紡ぎ舎のある谷
(こちらの記事は当初2022/11/01に公開されたものです)
紡ぎ舎は長野県北部の小さな村「小谷村」にあります。人口2,500人の小さな過疎の村です。
その小谷村の中でも土谷(つちや)と呼ばれる谷に紡ぎ舎はあります。
土谷地区
国道148号線の「下里瀬」交差点の信号を東に曲がると土谷地区の入り口です。
ここから「土谷川」に沿って石原、太田、中通、上手村、・・・と最後は奉納(ぶのう)温泉まで続く約6km、標高差330mの谷が土谷の谷です。
紡ぎ舎はその中でも最も入り口に近い石原集落にあります。
今回は紡ぎ舎から車で5分ほど谷を上った、土谷の谷のちょうど真ん中くらいに位置する「上手村」地区から紡ぎ舎まで下ってくる辺りをご紹介したいと思います。
ちなみに「上手村」と書いて「わでむら」と読みます。地名の読み方は難しいです。
喫茶白月
上手村には「喫茶白月」というカフェがあります。
席数が7席ほどの小さなカフェです。ケーキとコーヒーが本当に美味しく、そして景色も素晴らしいカフェです。
大きく開け放たれた窓からは里山の谷が眼前に開け、さらにその奥には鹿島槍ヶ岳や白馬五竜岳といった北アルプスの山々まで望むことができます。
この風景を独り占めしながら、優しく丁寧に焼き上げられたケーキやお菓子をいただくというこの上ない贅沢な時間の流れを求めて、県内外から絶えずお客さんが訪れる名店。
リモート化が進む昨今にあって、「その場所」に赴く喜びや、そこでしか感じられない空気、音、匂い、そして時間を五感の全てで味わう悦びを改めて私たちに思い起こさせてくれる、そんな特別な場所です。
こんなにも上質な場所が近くにあるというのはとても幸せなことです。
喫茶白月の営業日や営業時間等については、喫茶白月のインスタグラムからご確認ください(@kissa_hakugetsu)。
紡ぎ舎に向かって下りはじめます
中通(なかどおり)
喫茶白月のある上手村から少し下ってくると道がまっすぐになります。正面には先ほどより少し大きく見える北アルプス。
中通にはこの地域の人たちが集まる公民館があります。公民館にはコインロッカーを活用した「土谷野菜直売所」が併設されていて、地域の方々が畑で採れた野菜などを販売しています。
塩の道
その昔、日本海から松本に塩を運んだ「千国街道」という塩の道があります。ここ小谷村はその塩の道が昔のままの状態で保存されている場所として知られています。
一説には上杉謙信が「敵に塩を送った」その塩は、この千国街道を通ったとも言われています(諸説あり)。
そんな歴史ある塩の道の一端を、このあたりでも歩くことができます。
日本の原風景
中通地区からその下の太田地区のあたりは、日本の原風景とでも呼ぶべき長閑な風景が広がっています。
恐らく数十年、いや数百年前から変わらぬ景色が広がっているのではないかと思ってしまう美しい里山の風景です。
何も考えず、ボーッとしたままずっと眺めていられる風景です。まるでこの場所だけ世間から取り残されて、流れる時間の速度も世間から置いて行かれているような気持ちになります。
サラリーマン時代に毎日通っていた東京大手町の雑踏も現実なら、この隔世的で牧歌的な風景もまた一つの現実なのだというのは何だか不思議なものです。
紡ぎ舎のある石原へ
先ほどの中通、太田からさらに下ってくると紡ぎ舎のある石原地区です。
紡ぎ舎から歩いて数分のところに「白山神社」があります。
白山神社には県の天然記念物にも指定されている巨大な杉があります。根元に近いあたりは中が空洞になっています。
紡ぎ舎の周辺
紡ぎ舎周辺まで下ってくると北アルプスの山々は見えなくなってしまいます。先ほどまでの中通や太田、そして上手村のひらけた感じよりは少し山が近く感じられます。
眼下には白馬から糸魚川へと注ぐ姫川がしっかりと見えるようになります。
紡ぎ舎のある土谷地区、いかがでしたでしょうか。このような美しい場所にご縁をいただいてお店を構えられたことを改めて嬉しく思います。
いつまでもこのうつくしい風景が続きますように。
ぜひ皆さんもこの風景を眺めにお出かけください。
紡ぎ舎実店舗についての詳細は以下のリンクからご確認ください。