白くて冷たい男の子
透明な空からやってきた君は
子供たちとたわむれ
一日中楽しく遊んだ
ひとしきり遊んで
大きく育った君は
子供たちとの友情の証に
黄色い手袋と青い帽子を
プレゼントされた
でも世界に夜がおとずれた時
子供たちは君を残して
赤いお家へと帰っていった
黒い夜空に
君は独りぼっち
独りぼっちは
さみしいね
独りぼっちは
冷たいね
寒さに凍えて
固く固く
かたまっていった君
何でじぶんはここにいるのだろうと
君の心は空の闇のように
真っ黒く染まっていった
だけどある朝
君は体に熱が生まれているのを感じる
大きな体でうずくまっていた君は
ほどけて
緩んで
解けていく
白くて冷たい君は
だんだんだんだん
消えていく
大きめのランドセルを背負った子供たちの
アスファルトを蹴る音を聞きながら
君は透明な空へと
帰っていく。
やあ
おかえりなさい