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人を信じにくい世の中で

映画館でタイタニックを観てきました。
作品が25周年を迎えたということで、スクリーンに2週間だけ戻ってきてくれたのです。
映像が立体的に見える3Dと、最新の色彩・音響技術を備えたドルビーシネマでパワーアップし、これまで以上に迫力と臨場感のあるタイタニックを味わえました。

私が一番好きなのは、身分の異なる二人がにぎやかなパーティーで踊りハメを外すシーンです。その場に居合わせた誰もが豪華客船の夜を楽しみ、手を取って踊り合い、観客までその楽しさに惹きこまれます。

私はそのシーンを見るとき、どこか「昔だから、見知らぬ人同士が手を取り合って楽しむことができるんだ」と思ってしまいます。
昔のことといっても、たかが100年ほど前のこと。時代は変わっても、心を通わせ楽しむ気持ちを共有すると幸せになることは変わらないはずなのです。
だから今を諦めてしまうのはとても悲しいことだとわかっています。

しかし、ニュースを見れば世の中は強盗や詐欺で溢れかえり、マナーを注意すれば逆に襲われるなど、人を信じられなくなる出来事が多すぎます。
人を簡単に信じられない人々は自分や家の中に心ごと閉じこもり、人に関心を持たないようになります。
こんな状況のなか、私たちはどうやって人を信じて、助け合って、気持ちを共有すればよいのでしょうか。
この世界に慣れて何も感じなくなれば、それこそ本当の豊かな時間は諦めたことになると思います。

ところで、映画を見ているとふと、自分が映画のワンシーンにしたい時間はどんなときだろうかと考えることがあります。
するとそこには必ず誰かがいて、決して自分ひとりではないことに気付きます。
大事な人や思い出深い人など、色々な人が自分の人生を彩ってくれているのです。人に施してもらった優しさと、自分が他人に与えた優しさをもって、人は喜びや幸せを感じることができるのですね。私たちは人と通じ合わなければ、幸せにはなれないのです。
そんな当たり前で気づきにくい事実を常に念頭に置いて生活しなければなりませんが、悲しいかな、慌ただしい日々の中にメモを置き忘れ、気づけば自分のことばかり…となってしまうのも事実です。

だからこそ名作映画や本、学問などに日々触れ、今の自分を鏡のように投影していくことが大事なのだと思います。
人や世界を信じたいという、本来叶って当たり前の願いを叶えてくれるのが映画であり、きっと私だけではなく多くの人が、人の織りなす希望や理想や感動を求めて映画を見る気がします。

話題があっちやこっちへ、なんともまとまりのない文になってしまいました。答えのない問いに対する文章は、生の声らしくあえてこんな形でもよい気がしています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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