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京都暮らしの編集室noteチャレンジ「バレンタインの思い出」

昨日から江角悠子さんのオンラインサロン、京都暮らしの編集室に入会した。
いつも人気で満員、なかなか入れなくて、今回滑り込みで入会できて本当に良かった。(最後の1枠に間に合った…!)
ネット上には色んなライターのコミュニティがあり、これまで探してみたこともあったけど、ギラギラした競争の雰囲気があって苦手だった。

でも江角さんのオンラインサロンは落ち着いた雰囲気で、何より楽しそう!
これまで横のつながりが皆無だったけれど、これから世界が広がりそうな予感がしてワクワクしている。

さて、その京都暮らしの編集室にて2月のnoteチャレンジテーマがある。
・好きな本屋さんや図書館
・バレンタインの思い出
のどちらかから選んで書くというもの。
早速私は「バレンタインの思い出」について書きたいと思う。


省エネな友チョコ

私が学生のころ、バレンタインは男子にあげるより友チョコがメインだった。
友チョコって何だ…必要なのか…と当時から若干冷めた目で見ていた私は、クッキーにカラフルなチョコを乗せただけの簡単なものを適当に配っていた。
友チョコなんてクラスの女子から浮かなければいい、くらいに思っていた。

でも姉は違った。
姉は私より2つ上で、姉の代はバレンタイン本気組だったのか知らないが、とにかく友チョコに対する気合いが入りまくっていた。

ダ、ダックワーズ?!

一番忘れられないのは、姉が高校1年だったころのバレンタインだ。
姉は、友チョコとしてダックワーズを作ると言い出した。
ダ、ダックワーズ?!
友チョコとして予想だにしなかった名前が出たことに、私は動揺した。

あのふわふわな生地でクリームをサンドしてあるお洒落なお菓子?!
あれは買うものじゃないのか?
いやそもそも友チョコの域を超えているんじゃないか?
どうやって作るのか?
周りもそのレベルなのか?…
色んな疑問が湧き出たが、とりあえず成り行きに任せることにした。

これがダックワーズ。見るからに難しそう。
画像引用元:https://delishkitchen.tv/articles/2424

ダックワーズを作るにあたり、1つ問題があった。
それはクリームを挟むふわふわの生地は時間が経つとしぼんでしまうということだった。
それでは見た目が悪くなるし、食感も美味しくない。
今思えばじゃあ他のものを作ればいいじゃないかと思うが、
当時はどうしてもダックワーズを作りたかったらしいので仕方ない。
こういう妙なこだわりは私含め若いときほど強かったように思う。
そうして姉はバレンタイン前夜にお菓子を作ることになった。

超過酷な友チョコ作り

バレンタイン前夜、姉はキッチンに立って作業を始めた。
生地をひたすら混ぜなければならず、我が家にはボウルと泡だて器が擦れるシャカシャカシャカ…という音がひたすら続いた。
姉はまるで菓子職人になったようだった。

しこたま混ぜた生地をオーブンで焼いたのだが、香りが良いのに反して見た目はなんとも微妙・・・
どうやら材料の分量を間違えてしまったらしい。なんてこった。
あんなに時間と体力をかけて混ぜたのに、はじめからやり直しなんて!
高校で友チョコを作るのはこんなにも大変なのか!と中学生の私は思った。

ピンチの姉はというと、夜遅かったにも関わらずスーパーに卵を買いに行った。そしてまた生地作りを始めた。
何回聞いたか知れないシャカシャカシャカ…という音が再び我が家に響き、ダックワーズ作りは深夜にまで及んだ。
ここまで来るともう、ブラック企業の菓子職人みたいだ。
しかも音がうるさいと親に怒られたらしい。
高校で友チョコを作るのはこんなに過酷なのか!と中学生の私は思った。

そんなこんなで夜更け過ぎにダックワーズが完成した(らしい。私含め家族はみんな寝ていた)。
完成したものを私も少しもらったが、とても普通だった。
特別美味しくもなく、まずくもなかった。

あんなに手間暇かけたからもっと美味しいかと思ったが、初心者には難しすぎるチョイスだったのかもしれない。
最初からわかっていたことだったけど。
こうして姉がブラック企業の菓子職人と化して作ったダックワーズは無事(?)出来上がり、友達に配られた。

友チョコ界の頂点

姉の高校友チョコデビューを見ていた私は、若干ビビッて高校のバレンタインを迎えた。
みんな手の込んだお菓子を作ってくるかもしれないと思ったからだ。
でも、ダックワーズほど凝ったお菓子を作ってきた人は1人もいなかった。
どうやら姉は友チョコ界の頂点だったみたいだ。
そして私はやはり、クッキーにカラフルなチョコを乗せただけの省エネ友チョコで十分だと思った。

あれから10年以上経った今、学生たちはどんな友チョコを作っているんだろう。
そもそも友チョコ文化自体あるんだろうか。
もし作っているなら、今はSNSを使って簡単で美味しいレシピにすぐアクセスできるから、昔よりはハードルが低いのかな。
でもいくら便利になったとはいえ、作るのはその子自身。
だから、ダックワーズを作ろうとしている子がいたら全力で止めに行きたいなと思う。

おわり





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