どちりなの祈り|零|序節
こんにちは、躓くロバです。
ここまで『どちりな』の主題と輪郭を読み解いてきました。
主題である神学的徳のうち、希望の徳とリンクした功徳として、祈りが挙げられていました。
ここから各論に進みます。原典に従い、しばらく祈りの話をします。
これから6回に分けてゆっくり読み解きます。
今回は1回目なので、導入です。
『どちりな』でどんな祈りが紹介されてる?
そのお祈りは今も継承されてる?
という2つの疑問に応えます。
どんな風に紹介されてる?
という疑問については、次回以降の宿題です。
シリーズ「どちりなの祈り」、
はじまり、はじまり。
『どちりな』における祈りの展開
『どちりな』ではどんなお祈りが紹介されているのでしょう。
結論を先に述べますと5つのお祈りが紹介されています。
目次を見ていてパッと目につくのは、主の祈り、アヴェ・マリアの祈り、元后あわれみの母の3つです。これらはそれぞれ、第三章から第五章の章題となっています。
1. 主の祈り(=パアテル ノステル, 『どちりな』第三章 )
2. アヴェ・マリアの祈り(=アべ マリヤ, 『どちりな』第四章)
3. 元后あわれみの母(=サルベ レジナ, 『どちりな』第五章)
残る2つは第四章(アヴェ・マリアの祈りの章)の中にあります。
第四章は5つの節から成っています。下の図をご参照ください。
第一節でロザリオの祈り(=ロザイロ)が、第五節でコロハの祈り(=コロハ)が紹介されています。間の第二節から第四節は、これらの祈りを補足するものと理解していただいて問題ないと思います。差し当たり。
4. ロザリオの祈り(=ロザイロ, 『どちりな』第四章第一節)
5. コロハの祈り(=コロハのオラショ, 『どちりな』第四章第五節)
固有名詞がたくさん出てきて混乱してきますね。
ここまでの話をまとめておきましょう。
1. 主の祈り(=パアテル ノステル, 『どちりな』第三章 )
2. アヴェ・マリアの祈り(=アべ マリヤ, 『どちりな』第四章)
3. 元后あわれみの母(=サルベ レジナ, 『どちりな』第五章)
4. ロザリオの祈り(=ロザイロ, 『どちりな』第四章第一節)
5. コロハの祈り(=コロハのオラショ, 『どちりな』第四章第五節)
これら5つのお祈りの具体については、記事を改めて一つずつご紹介します。
『どちりな』における祈りの現在
ここまでに見てきた5つの祈り。
これらは今日も継承されているのでしょうか。
率直に申し上げて、ロバに分かることと、分からないことがあります。
はじめに分かっていることについてですが、次に示す4つの祈りは、カトリックにおいて継承されていることが確認できます。
1. 主の祈り(=パアテル ノステル, 『どちりな』第三章 )
2. アヴェ・マリアの祈り(=アべ マリヤ, 『どちりな』第四章)
3. 元后あわれみの母(=サルベ レジナ, 『どちりな』第五章)
4. ロザリオの祈り(=ロザイロ, 『どちりな』第四章第一節)
主の祈りとアヴェ・マリアの祈りは「世界でもっとも大切な祈り」と位置付けられています(日本カトリック司教協議会 聖書・教理部門 監修『YOUCAT 堅信の秘跡』p.75)。
ロザリオの祈りは「カトリック教会の中で古くから愛されてきた祈り」として、今日も大切にされています。元后あわれみの母は、ロザリオの祈りの最後に唱えられます(ドンボスコ『絵で見るロザリオの祈り』)。
実をいうと「世界でもっとも大切な祈り」もロザリオの祈りの中で唱えられます。ややこしいですよね。ロザリオの祈りは複数の祈りを組み合わせたものなんです。詳しくはまたいつか。
ロバに分かっていることはここまで。
コロハの祈りについては全く分かりません。
あれこれ調べたのですが、2021年10月現在、確認できていません。
そうは言いましても、カトリックに接近し始めて1年ほどしか経っていませんから、私の知らないところで継承されている可能性も大いにあります。
そこで、読者のあなたにお願いです。
コロハの祈りについてご存知のことがありましたら、ぜひお教えください。
あるいはカトリックの歴史に詳しいお知り合いがいらっしゃいましたら、この記事をその方にご紹介いただけませんでしょうか。
コロハの祈りをテーマにした記事を一ヶ月後くらいに書きたいと考えています。「その頃までに目撃情報があればいいな」と願いつつ、筆をおきます。
次回は「主の祈り」をご紹介します。
戦国時代と現在の「主の祈り」を比較します。
次回が楽しみ!『どちりな』面白い!
という方は❤️で教えてください!