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【嬬恋村には熊がいます。】熊と人間が共存して行くために私たちができること。

ども!嬬恋村観光協会SNS担当の坂田です。

突然ですが、皆さんはクマを見たことがありますか?

実は嬬恋村には、クマがいます。

嬬恋村は、とにかく自然が豊かな場所ですから、仕方のないことかもしれません。

とくに万座温泉エリアは、夏秋には毎日のように目撃されています。

幸い、クマによる人間への被害などは報告されていませんが、事故が起こってからでは遅いです。

今回は、増え続けるクマと人が共存して行くために、クマの特徴や、嬬恋村のクマ対策などの取り組みをこの記事でお伝えします。


嬬恋にいるクマ(ツキノワグマ)の特徴

万座温泉の牛池近くに現れたツキノワグマ(2023年撮影)

日本では今、「ヒグマ」「ツキノワグマ」の2種類生息しています。
もっとも危険な「ヒグマ」は、北海道のみ。その他の地域は「ツキノワグマ」だけです。
ツキノワグマはヒグマに比べると大人しく臆病な動物とのことです。
ツキノワグマは人の気配を感じたら逃げることが多いと言われています。
しかし、子育て中のメスのクマは危険です。
仔熊を守ることに必死なので、遭遇した人間を『敵』と見做して襲ってくる可能性があります。

ちなみにこの記事内での「クマ」はツキノワグマのことですので予めご承知おきくださいませ。

一番クマが出没する時期

7月中旬〜9月中旬は特にクマが人里に近づく季節です。
なぜかというと7月中旬以降の森は熊が食べるものが少ないからです。
また農作物が豊富で、観光などで人の出入りも多くなる時期ですので、人とクマの距離が一番近くなります。

クマが主に食べているもの

主食はアリや、木の実などですが、嗅覚が優れているため、においのあるものに誘引されます。
クマが里に来てしまう理由は、森に食べるものが減ったことと、農作物などのにおいで畑の場所を覚えてしまったことが原因だと言えます。

嬬恋村でのクマ被害と対策


目撃された主な場所


万座空吹にいたツキノワグマ

・万座温泉エリア
・鹿沢温泉エリア
・浅間高原シャクナゲ園
・農家さんの畑
・鱒谷養魚場
など

2023年度は別荘地への目撃情報もあります。

万座しぜん情報館独自のクマ対策


中でも万座温泉エリアは特に熊の頭数が多いです。

万座しぜん情報館では、熊の巡視・普及啓発独自で行っています。
決められた期間に万座空吹などのエリアで熊を巡視し、見つけた場合はロケット花火、熊よけスプレーなどによって追払います。

「あーすわーむ」さんは今年(2023年度)巡視などのご協力をしていただきました。

嬬恋村のクマなどの野生動物によるの被害事例など

少し話はそれますが、嬬恋村にはクマ以外にも野生動物がたくさんいます。

・イノシシ
・シカ
・ニホンカモシカ
・ニホンザル
・キツネ
・テン
・ハクビシン
・キジ
・フクロウ
・リス
・オコジョなど

特に、野生動物による農作物の被害は深刻です。
嬬恋村のキャベツやとうもろこし。また、家庭菜園を荒らす被害も多発しています。
嬬恋村役場の農林振興課が作物などをクマから守るために電気柵を設置したり、パトロール、そして猟友会によって捕殺を行っていますが、繰り返し被害を起こすクマを捕殺できたとしても、また新しいクマが現れる、そもそもの数が多すぎてなかなか被害が減らないのが現状です。

クマによる川魚養殖場の被害

嬬恋村で唯一川魚の養殖場をされている『鱒谷養魚場』さんでは、魚を育てているプールにクマが入って、ヤマメやギンヒカリ、ハコスチなどの魚を食べ放題されることが度々あると伺ったことがあります。
熊は体が大きい分、魚を多く食べるそうです。
一回で100キロ近い魚を失う場合もあるとおっしゃっていました。

クマに出会わないために私たちができること

被害や事故を未然に防ぐためにクマを見つけたら捕殺。それは人間の都合による処理方法であって根本的な対策にはならないかもしれませんが、全国的にクマ被害が多発しているため、クマの頭数を減らすために捕殺は避けて通れないことではあります。

ここでは、いつ、どこで遭遇するか分からないクマを避ける対策を紹介します。

①外ではできる限り飲食をしないでください。

クマは嗅覚が鋭いです。犬よりも更に嗅覚が優れています。
食べ物の匂いに釣られて食べ物を求めて人気のある場所に降りて来てしまいます。できる限り自然の多い場所(特に万座エリア)で食べ物のいい匂いを出さないように気を使いましょう。
キャンプやBBQの際も、生ゴミや食器などは密閉袋に入れるなどして匂いが漏れないようにしましょう。

②自然の多い場所などで散策する、登山する場合は熊鈴を持ち歩く

万座温泉エリアにある牛池などの短時間で済みそうな散策の場合も熊鈴を持ち歩きましょう。浅間高原シャクナゲ園も目撃情報があります。熊鈴の音によってクマに人間の居場所を伝えて近づいてこないようにしましょう。

もしも、道中で新しいクマの爪痕や糞、足跡などを見つけた場合は引き返す勇気も必要です。

⏬ちなみに、嬬恋村観光協会では、このようなオリジナルロゴがデザインされた熊鈴を販売しております。

それでもクマに出会ってしまったら

①クマが遠くにいる場合

クマがこちらに気づいている・いない関わらず、様子を確認しつつ、ゆっくり立ち去りましょう。大声を出スト熊を驚かせて興奮させることもあるのでやめましょう。クマは走るものを追いかける習性があるので走って逃げるのは大変危険です。

②近くにクマがいる

この場合も、あせらずクマを見ながら安全な場所までゆっくり後ずさりしましょう。クマとの距離が離れれば多くの場合はクマから先に逃げてくれるそうです。
人を気にせず逃げないクマがいた場合は、警察や役所に連絡しましょう。この時も、大声を出したりモノを投げたりまた走ったりすると危険です。とにかくあせらずゆっくり退避を。

③クマが襲ってきた

襲ってきたら、しゃがんで首の後ろに手を組んでうつ伏せになり首や顔、腹部を守ってください。

※クマを目撃した場合の情報提供のお願い

嬬恋村でクマを目撃した場合、どこに報告すればいいの?

・いつ
・どこで
・どんな大きさの熊
・どんな様子だったか

以上のことをご宿泊されているホテルの方か、万座しぜん情報館、嬬恋村観光協会、嬬恋村役場 農林振興課に情報をいただけますとありがたいです。

万座しぜん情報館
0279-97-4000(営業時間:9:00〜16:00)
嬬恋村観光協会
0279-97-3721(営業時間:8:30〜17:00)
農林振興課(鳥獣被害対策)

0279-96-1256(営業時間:8:30〜17:15)

嬬恋村役場 農林振興課「クマ目撃情報マップ」

嬬恋村役場 農林振興課 鳥獣被害対策では、ツキノワグマ目撃情報マップを用意しています。

嬬恋村へ訪れる予定がある方、別荘にお住まいの方などご活用いただけますと幸いです。


万座しぜん情報館では、クマへの関心を持っていただくためツキノワグマ展を行っていました(2023/8/19)

ここまでご紹介してきたツキノワグマの生態を紹介し、正しい危機意識で国立故園を散策していただくため、特別展として開催しています。
開催は、2023年8月末終了しました。

手前はツキノワグマの毛皮

〈万座しぜん情報館〉
群馬県吾妻郡嬬恋村大字干俣2401万座温泉
TEL:0279-97-4000
営業時間:9:00~16:00
休館日:無休

さいごに

嬬恋村のツキノワグマ事情いかがだったでしょうか。

2023年はとにかく嬬恋村だけでなく全国的にクマの目撃情報も、被害も多い年でした。
頭数も増えてきており、捕殺は捕殺はやむを得ません。

嬬恋村でも、嬬恋村役場農林振興課の鳥獣被害対策で毎日のように村内を軽トラックで見回っています。

また2023年11月15日〜2月29日までの間、狩猟が解禁となります。
期間中、村内外から多くのハンターが狩猟に入ってきます。

山に入る方、また山林周辺で作業される方は目立つ色の服装を身に着け狩猟事故防止にご協力をお願いします!

ぜひ、少しでも、みなさんのクマ知識のお役に立てたら嬉しいです。

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参考文献

ツキノワグマ展開催期間中、万座しぜん情報館で一冊100円で販売しております。(現在も販売中2023/11/14)

瀧井(溝口)暁子、濱口あかり、中下留美子、橋本操、岸本良輔、林秀剛, 『信州版ツキノワグマハンドブック私たちが知っておきたいクマのこと』, 発行NPO法人信州ツキノワグマ研究会, 2021初版.

本記事を執筆するにあたり、参考にさせていただきました。ありがとうございました。

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