【SPOON】言葉のはじまりは歌だった?~つながりの進化生物学~
こんにちは。つくしです。
最近、進化生物学の本を読んでいます。
「なんでそんな難しいの読んでるの?」とびっくりされたけど、やっぱりSPOONを始めてから、声とか、コミュニケーションとか、言葉とかに興味があるからです。東京大学で人間の言語を含む動物のコミュニケーション行動と心について研究している、岡ノ谷一夫教授の本を読んでいます。
前回から同様に、「つながり」の進化生物学、という本から、歌と言葉の話を紹介しようと思います。
人間の言葉
動物の言葉のようなものを比べてみると、人間の言葉には大きく以下の4つの特徴があります。
●学習して増えていく
…経験や学習によってしゃべったり書けたりするようになる
●文法があって多様性がつくれる
…言葉を繋ぎ合わせてたくさんの情報を盛り込んだり、新しい意味を作れる
●社会性がある
…人と仲良くするために雑談をするなど、生きていくために必要のないことも話す
●思考に用いられる
新しい音を学べるのはクジラと鳥と人間だけ
先に言ったように、人間の言葉の特徴のひとつに「学習」があります。喋る過程においては「新しい音」を学ぶことが大切です。
聞いた音を、マネして言い返せる、発声できるようになることを「発声学習」といいます。
これが出来るのは
・イルカやクジラなどの鯨類81種類のほとんど
・鳥類約1万種の半分、約5,000種
・霊長類約220種の中で人間だけ
だそうです。
共通しているのは呼吸をコントロール出来ること。息を意識的に止められることが、発声に大きく影響しているんだそうです。
はじまりは歌だった
この本を読もうと思ったきっかけのフレーズまでたどり着きました。
人間の言葉が歌からはじまった
という説。ずっと昔からいろんな学者が唱えていたそうです。
フランスの思想家で音楽家のジャン=ジャック・ルソーは1750年代に、生まれたばかりの言葉は、「方法的である以前に歌うような情熱のこもったもの」であったといっています。そして、情熱的な歌が情熱を失って言葉になった、と。
チャールズ・ダーウィンも「音楽的な発声を音節化された音でまねることから、さまざまな複雑な感情を表現する単語が生まれたのかもしれない」としています。
言葉を喋るのは人間だけだけど、歌をうたう動物はたくさんいるから、人間の言葉もまた、歌から生まれたのではないか…
進化の過程で、歌をうたう能力と、音に特定の意味を結びつける能力が掛け合わさって言葉が生まれていった…
文字に起こすと、上手く説明出来ていないように思いますが、なんとなくでも伝わっているでしょうか。
新しく言葉やコミュニケーションの情報を見つけたら、また噛み砕いてお伝えしたいなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。次回もお楽しみに( ᐛ👐)
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参考:
「つながり」の進化生物学(岡ノ谷一夫/朝日出版社)
言葉の誕生を科学する(小川洋子、岡ノ谷一夫/河出文庫)