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【前編】KPI解説:ツクルバはなぜ事業KPIをアップデートしたのか

こんにちは、ツクルバIRチームです。

ツクルバは、当第1四半期に事業KPIをアップデートしました。FY24通期決算発表にて事前に告知させていただいていたものの、「なぜアップデートしたの?」「新事業KPIにおける当第1四半期の実績はどうだったの?」など、疑問を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

事業KPIは、株主・投資家のみなさまが投資判断をするうえで重要な情報と認識しているため、アップデートの背景や新事業KPIに基づく足元の実績について、前編と後編に分けて解説させていただきます。

本記事が、みなさまの疑問を解消する一助となりましたら幸いです。

・この記事は約7分で読めます・


1.これまでの事業KPIのおさらい

事業KPIをアップデートした背景をご説明するにあたり、まずは従前の事業KPIについて解説させてください。

これまでツクルバは、主要事業である中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「カウカモ」の、GMV(※1)とテイクレート(※2)を事業KPIとして設定し、四半期推移を開示してきました。

※1 プラットフォーム上で取引された商品やサービスの売上総額のこと。
※2 GMVのうちプラットフォーム提供者の取り分(収益)の割合のこと。

これにより、カウカモの事業規模と成長性をGMVで示しながら、利益率の異なる4つのキャッシュポイント、「①物件の売買仲介」「②リノベーション及び付帯サービス(インテリア除く)の提供」「③インテリアの販売」「④自社企画商品の販売」について、テイクレートを用いてカウカモ全体の付加価値として包括的に示すことで、ツクルバが”プラットフォーマー”として競争優位性を高めつつ事業拡大している様子をお見せしてきました。

以下画像は、FY24通期決算説明資料からの抜粋です。旧事業KPIに加え、上述の収益形態についても詳細を記載しています。参考としてご覧ください。

2.事業KPIをアップデートした背景

GMVとテイクレートを用いることで、プラットフォームの販売実績や市場規模、収益性などを包括的に示すことができます。これらは各社で広く利用されており、それ自体は事業の実態を端的に伝えるわかりやすい指標だと思います。

一方で、ツクルバの事業の独自性と転換期にある現状を考慮すると、株主・投資家のみなさまにとって、より事業の実態がわかりやすく、当社として、より改善点を把握しやすい事業KPIに刷新する必要があると考えました。

アップデートした具体的な背景は、主に以下3点です。

①GMVとテイクレートでは事業の実態を正確に伝えられなかった

ツクルバのように、プラットフォームを提供しつつも利益率の異なる複数のキャッシュポイントを持ち、その中心が仲介手数料であるような複雑なビジネスの場合、GMVとテイクレートでは、何がどのように売上総利益に影響を及ぼしているのか把握するのが難しい課題がありました。

②通期営業黒字化の達成に伴う事業フェーズの変化

ツクルバは、FY24に通期営業黒字化を達成しました。今後も営業黒字を継続できる筋肉質な財務体制を整えたことで、自社企画商品の規模を拡大させられる事業フェーズに入りました。実際に、FY25の販売件数は前期比で+50%程度を計画しています。

自社企画商品は、銀行からの借入金や手元資金を原資として物件を仕入れて、リノベーションにより魅力を高め、売却が完了するまで自社の資産として抱える、BS(貸借対照表)への影響が大きいビジネスです。

一方で、当社売上の多くを占める仲介・付帯サービスは、特段の資産を抱えることなく、他社物件売買の仲介手数料や施工業者・保証会社などへの斡旋手数料を得る、PL(損益計算書)への影響が大きいビジネスです。

自社企画商品の規模が大きくなり、今後もさらなる拡大を見据える状況において、性質が異なる二つのビジネスそれぞれで売上総利益を開示したほうが、より事業の実態を把握しやすく、株主・投資家のみなさまの投資判断に資すると考えました。

③新サービスの展開を見据えた、さらなる事業変化への対応

ツクルバは、物件を「買う」「リノベーションする」「売る」だけでなく、物件売買後も続くお客さまのライフタイムに沿ったサービス展開を目指しています。既に、一部で居住中サービスや住み替え支援を行っています。

このように、既に事業フェーズのさらなる変化が起こり始めており、将来的な新サービスの提供を見据える状況において、それらの変化による影響にも対応した、事業成長の背景を正しく把握できる事業KPIを設定する必要があると考えました。

以下画像は、FY25第1四半期決算説明資料の抜粋です。ツクルバが目指すサービス構想の参考としてご覧ください。

3.新事業KPIの詳細

前置きが長くなりましたが、こちらが、新事業KPIです。

上述のとおり、性質の異なるビジネスである、仲介・付帯サービスと自社企画商品について、それぞれの売上総利益を個別に開示する方針としました。

加えて、主要事業の仲介・付帯サービスについては、売上総利益を取引件数と収益単価に分解し、取引件数については営業人員数と営業生産性(営業人員あたり取引件数)までさらにブレイクダウンして開示することで、これまで以上に事業の実態を正しく把握していただけるように再整理しました。

さらに、当社が能動的にコントロール可能な売上総利益に紐づく複数の要素を、「主なレバー」として設定しています。これらは毎四半期の開示は行いませんが、従前より社内でモニタリングしていた指標を事業KPIとして対外的にも明示することで、より経営意識を高めて早期に事業改善を行える体制を構築しました。

また、お客様のライフタイムに繋がり続けて「暮らし」を一貫してご支援する、今後のサービス展開を考慮した設計もしています。「買う」→「住む(居住中)」→「住み替える(売る・買う)」→「住む」→「住み替える」・・・、というサイクルの各フェーズにおいて、当社がお客様に対してシームレスに価値をお届けすることができるようになると、買側仲介・付帯サービス・売側仲介、それぞれの成長がこれまで以上に連動して伸びていくことが想定されます。

「顧客ライフタイム構想」とも言えるビジネスの実現を見据え、この事業成長を押しなべてご確認いただけるよう、仲介・付帯サービスとして一つの指標にまとめました。

なお、旧事業KPIであるGMVとテイクレートは、引き続きFACTSHEETにて開示を行っております。当社IRサイトに掲載しているので、必要に応じてご参照ください。

4.編集後記

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

事業KPIをアップデートした背景について、ご理解いただけましたでしょうか。KPI解説の後編記事では、新事業KPIに基づいて、12月13日に発表したFY25第1四半期決算をご説明させていただきます。そちらも楽しみにお待ちください。

本記事の内容に限らず、ご不明な点がございましたらお問い合わせフォームより遠慮なくご連絡ください。

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