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【後編】KPI解説:FY25Q1決算を新事業KPIに基づきご説明します!
こんにちは、ツクルバIRチームです。
事業KPIアップデートを解説する記事の後編として、2024年12月13日(金)に発表したFY25第1四半期決算を、新事業KPIに基づいてご説明します。
アップデートの背景や新事業KPIの詳細をまとめた前編記事を先にお読みいただくほうが、本記事の内容をご理解いただきやすいと思いますので、ぜひ以下よりご覧ください。
・この記事は約7分で読めます・
0.新事業KPIのおさらい
新事業KPIでは、性質の異なるビジネスである「仲介・付帯サービス」と「自社企画商品」について、売上総利益を個別に開示すると共に、自社で能動的にコントロール可能な売上総利益の構成要素を「主なレバー」として設定しすることで、より事業の実態に即した指標としました。
具体的な内容は、以下画像または前編記事をご覧ください。
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ここからは、新事業KPIに基づいて、2024年12月13日(金)に発表したFY25第1四半期決算をご説明します。
1.売上総利益の実績
新事業KPIでは、売上総利益を仲介・付帯サービスと自社企画商品に分けて開示しています。どちらも共に伸長し、売上総利益の合計としては前年同期比プラス19パーセントの7億9,100万円で着地しました。
特に自社企画商品の売上総利益は、前年同期比プラス157パーセントと大きく増加しました。この背景は「3.自社企画商品の実績」でご説明します。
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2.仲介・付帯サービスの実績詳細
仲介・付帯サービスの売上総利益は「取引件数×収益単価」に分解でき、さらに取引件数は「営業人員×営業生産性(営業人員あたり取引件数)」に分解することができます。
売上総利益の構成要素となるこれらの指標を開示KPIとして設定しているため、個別にご説明します。
①取引件数・収益単価の四半期推移
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左グラフの取引件数については、中古マンション市場の軟調や前期のマーケティング方針に起因した集客不足が影響し、前年同期比マイナス7パーセントの244件で着地しました。
前年同期比で微減となりましたが、これは前期起因の影響が大きいため、期初から想定していた結果です。改善のため、既に足元ではデジタルマーケティング強化やプロダクト改善を通じた集客の強化を実施しており、これが下半期の取引件数に寄与する見込みです。
なお、市場動向についても、上昇基調の中の一時的な停滞であったと認識しており、下半期から緩やかな上昇基調に戻ると見込んでいます。実際、2024年8〜10⽉の首都圏における中古マンション取引件数は、前年同期⽐でマイナス5パーセントだった一方で、足元11月の実績では前年同月比プラス10.6パーセントの2ケタ増となり、5ヶ月ぶりに前年同月を上回っています。
続いて、右グラフの収益単価は、主にリノベーションサービスの販売増や取引物件単価の増加により、前年同期比プラス20パーセントの290万円と伸長しました。今後は、収益率の高いリノベーションサービスなど付帯サービスの拡大と共に、緩やかに増加する見込みです。
まとめると、収益単価は堅調に推移している一方で、取引件数は前年同期比でマイナスとなりましたが、期初想定どおりマーケティング強化など先行支出の効果が下半期に発現すると共に、市況も回復することで、取引件数は右肩上がりの推移に戻る想定です。
②営業人員数・営業生産性の四半期推移
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左グラフの稼働営業人員数については、前年同期比でプラス17パーセントとなりました。期初方針通り、採用活動を先行して行ったため、育成中人員を含めた営業人員数は前年同期比プラス22パーセントで着地しています。
通期連結業績予想の達成に向けた営業人員数の確保は概ね完了しており、足元では育成中人員の早期稼働に注力しています。
右グラフの営業生産性(稼働人員数あたり取引件数)については、集客増に対して稼働営業人員数の増加が先行したことにより、前年同期比マイナス21パーセントで着地しています。
取引件数に関する説明でも記載したとおり、先行支出の効果として下半期に集客数が増加する予定のため、営業生産性も改善する見込みです。
以下、③と④は当社の事業構造をより深くご理解いただくための参考情報です。KPI進捗の把握を目的とされる方は、これらの項目を飛ばして「3.自社企画商品の実績詳細」にお進みください。
③参考:カウカモユーザーの住宅購入プロセス
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繰り返し記載している「先行支出の効果が下半期に発現する」の根拠について、カウカモユーザーの住宅購入プロセスをもとにご説明させてください。
代表的な流れとして、まず、住宅購入をご検討されている潜在ユーザーがカウカモを認知し、そのうちご興味を持っていただいた方がカウカモを閲覧し、会員登録をします。
その後、購入意欲が高まると、個別物件へのお問い合わせを行います。これを起点に、当社営業担当が伴走して理想の住まい探しを行い、理想の物件が見つかったら契約・決済により購入が完了します。
住宅購入プロセスの各段階では、一定のリードタイムが生じるため、集客の先行指標である会員登録から決済までは約5~10ヶ月の期間を要します。
次の項目で、実績データと共にさらに深堀りして説明します。
④参考:足元の集客状況と売上寄与までのリードタイム
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左グラフのとおり、当第1四半期に実施したマーケティング施策の効果として、集客の先行指標である新規会員登録数は、前年同期比で約1.7倍と堅調に伸長しました。
右グラフ(※1)では、直近2年間に登録した会員からの売上総利益を示していますが、新規登録した会員は、翌四半期及び翌々四半期の売上総利益に大きく寄与し、以降の寄与はなだらかに減少していく傾向にあります。よって、上半期における新規登録会員の増加は主に下半期以降の売上総利益に寄与する見込みです。
※1 2022年7月以前に登録した会員や非会員からの売上総利益は含んでおりません。
3.自社企画商品の実績詳細
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冒頭でお伝えした通り、自社企画商品の売上総利益は前年同期比プラス157パーセントの8,100万円で着地しました。投下資本の増加を通じた規模拡大を推進しながら、右グラフのとおり資本効率性を高水準で維持しています。
自社企画商品は今後もさらに規模拡大を推進する予定ですが、規模拡大をしても業界水準に秀でた資本効率を維持できると考えています。この背景を、自社企画商品の特徴をもとにご説明します。
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自社企画商品は「仕入」「開発」「販売」の3フェーズで構成されており、カウカモの顧客基盤や取引データとのシナジーが発揮できるビジネスです。
仕入フェーズでは、カウカモの人気エリアに集中することで、高い仕入効率を実現しています。
開発フェーズでは、カウカモの取引データに基づく、顧客ニーズに最適化したリノベーションを行うことで差別化と高付加価値化を実現しています。また、メーカーと連携したオリジナル商材の開発も推進することで、さらなる粗利率の向上にも取り組んでいます。
販売フェーズでは、中古・リノベーション住宅に興味を持つ50万人以上の会員に対してアプローチできるため、スピーディーな売却が可能です。
これら、カウカモとのシナジーに基づく、他社と差別化された特徴から、業界水準より秀でた資本効率性を実現しています。
4.編集後記
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
KPI解説の前編・後編記事をお届けしました。これらの記事を通じて、事業KPIをアップデートした背景や足元の実績、当社のビジネスモデルなどについて、理解を深めていただけていたら幸いです。
また、当社業績はもともと下半期偏重ですが、本後編記事でご紹介したとおり、当期においては下半期に先行支出の効果発現を見込むため、従来以上に下半期に業績が伸びる計画です。よって、当第1四半期時点では、通期予想に対し堅調に進捗していることも合わせてご認識いただけますと幸いです。
今後も、毎四半期の決算にて新事業KPIを用いて進捗をお伝えしてまいります。ご不明な点やご意見などございましたら、お問い合わせフォームより遠慮なくご連絡ください。株主・投資家のみなさまとの積極的なコミュニケーションを行い、頂戴したご意見を事業へフィードバックすると共に、情報発信の改善に尽力します。
本年も大変お世話になりました。みなさま、良いお年をお迎えください。
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