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カネと自己実現と起業の関係〜お金が好きすぎて社長と大喧嘩した話〜
1.マネードリブンの僕
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こんにちは。TSUKURUでインターンさせていただいている池田哲生(いけだてつお)ことTetsuです。
突然ですが、みなさん「お金」は好きですか。
僕はお金が大好きです。
みなさんもお金、好きでしょう?
でも僕はみなさんの何倍も「お金」が好きな自信があります。
だって、誰かからもらえる「お金」は究極的には自分が社会に与えた貢献度合いの指標であり、お金があればあるほど人間は幸せになれるんですから。(この辺は各大学が研究論文を出しており、諸説ありますが後述します)
さらにいえば「お金」は「社会における自分の存在価値」を指し示すスコアであります(少なくとも僕はそう思います)から、金を稼げない人間は社会貢献の度合いが足りていないとも思います。
まずは自分で生きていけるくらい金を稼げるようになって、やっと一人前。
起業家たるものならば、自らの事業で社会に貢献して金を稼ぎ、自分のみならず社員を稼がせてあげることで、幸福に導いてあげることが使命。
不確実性を友とし、リスクをチャンスととらえる起業家に報いることで社会を進歩させようとする”資本主義社会”に生まれた以上、金を稼ぐことは正義であり、金を稼げない事業をするなんてセンスがないなあと思っています。
2.ミッションドリブンの社長
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とは言え僕のインターン先TSUKURUの社長である辻吉彦氏は、僕と全く異なる考えを持っています。
僕の入社面接時には、
「俺は金を追わない」
「金があっても人は幸せになれない」
「小さな金を作るようなビジネスに興味はない」
とハッキリ言っておられました。
彼にとっては「人と地球が1000年続く仕組みを作る」ことこそ、自分の使命であり、起業の目的だそうです。
その言葉通り、社長の作る事業は利益率の高いアドセンス・アフィリエイトなどといった大学生が小銭稼ぎにやるビジネスとはかけ離れた、大企業とのアライアンスを含む壮大なものとなっています。
3.社長の視座VS僕の視座
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そんな社長の元で働いていても、やっぱり僕はお金が大好きです。
「金を稼いでも幸せになれない」と言われても「じゃあ年に10億くらい稼いでから言ってください」と思ってしまいます。
「東大生は社会では使えない」と言われるのに対して、「じゃああなたが東大入ってから言ってください」と言いたくなるようなもんですね。
僕とてAmazon CEOジェフ・ペソス氏や投資の神様ウォーレン・バフェット氏が「いやあ、俺資産総額500億ドル持ってるけど毎日クソだわ〜早く幸せになりてえよ〜〜」とか言ってくれたら流石に納得しますが(笑)
はい、舐めたこと言いましたごめんなさい。
話を戻すと、金を重視する僕と理想の実現を掲げる社長の違いってなんなんでしょう。結構この視座の違いには悩まされてきました。
僕は、今のところこの違い(=マネードリブンの価値観とミッションドリブンの価値観の相違)は「年齢と経験」から現れると考えます。
4.幸せの価値と起業の意味
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なぜ「幸せの価値観が年齢・経験によって変化する」と思うようになったか。
それは大学に入ってからの4年間で数々の社長・個人事業主の方々とご飯を共にしたことに起因します。
僕は、ご縁に恵まれ今まで20〜30人の経営者さんとお会いして、お金と自己実現の関係やお金と幸せの関係、自己実現と幸せの関係についてお伺いしました。
その結果、少しだけ自分なりの発見がありました。
たくさんの経営者さんとお話した中で得た傾向として、若い世代の経営者さんほど
「カッコよく思われたい」
「金を稼いでブイブイ言わせたい」
「キラキラした生活がしたい」
「周りと違う”何者”かになりたい」
といった、マネードリブンに近い動機で起業をしていました。
一方で、老年の経営者さんほど
「社会をよりよくしたい」
「ワクワクする仕事しかしたくない」
「お金は本質じゃない」
「事業自体が楽しい」
「会社の成長自体がエンタメ」
というように答える傾向がありました。
なんなんでしょうね、この余裕感の違い。
どうやら幸せの定義が歳をとるにつれて変わっていることが見て取れます。
5.満たされた先にあるもの
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さて、ここでちょっと昔話題になった金と幸福に関する研究を引用してみましょう。
2002年にノーベル経済学賞を受賞した米国の心理学・行動経済学者のダニエル・カーネマンがギャラップと共同で行った調査によると、アメリカ人が収入の増加に比例して幸福増加を感じられる臨界点は年収75,000ドルで、それを超えると年収の増加に対して幸福度の増加は鈍ってきてしまうようです。
臨界点は民族や時代によって異なっており、日本では800万円とか1200万円とか様々言われています。
同じ論文にて、カーネマンはお金と幸福が比例しなくなる原因について3つの仮説を主張しています。
・一定水準を超えると価値のわからない贅沢消費となるから
・年収増加により満足度は向上するが、幸福度自体は向上しないから
・年収増加と幸福の関係を結び付けて過大評価しすぎているから
上記の3点がカーネマンの主張になりますが、ここで注目したいのが真ん中の「年収増加により満足度は向上するが、幸福度自体は向上しないから」という主張です。
もう少し噛み砕いて言えば、結局金で買えるのは「いっときの満足感」だけであって、「幸せ」というような一生続く充足した感情は、お金を稼いで使うだけでは得られない、ということに気づくため、年収と幸福が比例しなくなると言うことです。
例えばブランド物の香水やアクセサリー、ラウンジで開けるシャンパン、50億円以上するプライベートジェットなどは買った時は一番興奮しますよね。
でも、それらも数回使えばそれは徐々にいつもの日常に溶けていき、数ヶ月後には、人間はまた新たな満足感を求めてしまいます。
ここで、ついに一時の満足感のための消費を繰り返す自分の薄っぺらさに気づき、人間はお金を稼ぎ使うだけの営みに飽きて、お金で買えない「幸せ」を求め始める。
その「幸せ」の答えこそ、「家族の愛」や「仕事の楽しさ」なのではないかと僕は予想しています。
この仮説をもとにすると、若い頃に一定水準稼ぎ終えた年長の起業家たちが、事業を通して金を稼ぐのではなく、「楽しい仕事ができているか」「自分がワクワクできているか」という、マネードリブンを超越した別の価値観で仕事を選ぶようになるのも自然な流れとして肯けますね。
こんな風に視座や価値観の違いを説明できたのは非常に面白い発見でした。
6.やっぱり今の自分に金は必要
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ここまで読んでくれたみなさんありがとうございます。
仮説が構築された以上、僕のやることはもう見えてきました。
勘の良い読者のみなさまならお気づきでしょうが、
まずは臨界点まで金を稼いで稼いで稼ぎまくることが必要です。
金で買える幸せに飽きるようにならなければ、幸せの価値なんてわからない(はず?)なんですから。
今日も今日とてお仕事三昧。
お読みいただきありがとうございました。
▽この人が書いた記事はこちら▽
画像引用
「視座と視野」Gusan
「貴金属買取の豆知識」KGB
「幸せってなんだっけ?ー受講生時代ー」楽読京都四条烏丸スクール
「年収がいくら増えても「幸せ」には直結しない訳」東洋経済
「福沢諭吉から学ぶティール組織」Goo
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この記事を書いた人は
tetsu
人生当たって砕けて21年目。
旅とお酒と音楽が好きです。
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