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名著『失敗の本質』から考えるTSUKURUの活動に参画する意義
こんにちは、いかがお過ごしでしょうか。
在宅勤務が続く中、4月に第一子が誕生した私は、一気にライフとワークがごちゃまぜになりました。
慌ただしくも楽しく過ごしております。
一転して真面目な話ですが、今回は、普段は大企業で新規事業関連の仕事に従事する私が、
なぜ、TSUKURUで副業に取り組むのか。
ということについて、戦時日本の組織的欠陥を考察した名著『失敗の本質』をご紹介しつつ述べたいと思います。
1.名著『失敗の本質』とは? なぜ今注目されているのか?
『失敗の本質』は、野中郁次郎をはじめとした、日本を代表する組織論の研究者たちによって執筆された本です。
出版から30年以上を経た今でも、多くの組織のリーダーに指針を与える名著です。
ご存知の通り、日本軍は第二次世界大戦において米軍に敗北しました。
この本には、
”なぜ敗北したのか”
について、組織論の視点から紐解き、その教訓を現代の企業経営に生かすことを目的として書かれています。
本著は、3章から構成されており、
1章ではミッドウェー作戦など6つの作戦における問題点の分析
2章ではすべての作戦に共通する「失敗の要因」
3章では2章を基に考察した「失敗の教訓」
がまとめられているのですが、
この70年以上前の出来事から得られる「失敗の教訓」が、現代に至っても全く活かされていない、ということで、何か大きな「失敗」が起きる度に注目を集めています。
(“失敗の本質”、“コロナ”でググると沢山ヒットします。。。)
ここではなんとなく全体を俯瞰して頂くために、「失敗の要因」の項目を抜き出しておきます。
<戦略上の失敗要因>
◯あいまいな戦略目的
◯短期決戦の戦略志向
◯主観的で「機能的」な戦略策定-空気の支配
◯狭くて進化のない戦略オプション
◯アンバランスな戦闘技術体系
<組織上の失敗要因>
◯人的ネットワーク偏重の組織構造
◯属人的な組織の統合
◯学習を軽視した組織
◯プロセスや動機を重視した評価
失敗の要因に関しては、いずれの項目も、ご自身が所属される組織を思い描くと、合致する項目があるのではないでしょうか?
*名著である一方、非常に難解な本です(特に1章が)。 読まれる際には、1章はざっくり、2章からじっくり読まれることをオススメします。ご興味ある方は、本稿では触れていない3章の「失敗の教訓」もチェックしてみてください。
2.現代の日本企業にも通ずる、戦時日本の失敗の要因
本著で述べられているいくつかの失敗の要因の中でも、特に私が所属する“日本の大企業”に通じる2つのポイントについて解説します。
①目的があいまいである上に、コミュニケーション不足により方向転換できなかった
ノモンハン事件、ガダルカナル島での戦いなどでは、戦略や目的があいまいなまま、戦闘が開始されてしまいました。
戦争の目的は当然、戦争に勝つことではないのか!?
…と一見、議論の余地がないようにも思えますが、一つ一つの戦闘においての「勝ち」の定義はそれぞれ決めておく必要があります。
そうでないと、適切な意思決定はできないからです。
それではどのように意思決定されていたのでしょうか。
非合理にも「組織内の空気」によって作戦が決定されていきました。
その上、コミュニケーション不足により、本来チェック機能を有しているはずの組織原理もほとんどはたらかず。
こうして明らかに作戦が失敗しているにもかかわらず、さらに戦力をつぎ込んで被害を拡大させてしまいました。
“あいまいな目的“、”コミュニケーション不足による決断のおくれ“
これは現代の日本企業においても、同様の経験をされた方も多いのではないでしょうか。
大きな企業であればあるほど、タテの階層構造による、“伝言ゲーム”に起因して、
・トップと現場の認識の乖離
・遅い意思決定
・中間管理職の当事者意識の欠如による曖昧な意思決定
が起きているように感じます。
②特定の戦略原型に徹底的に適応しすぎて学習棄却ができず、自己革新能力を失ってしまった
ガダルカナル島での海戦と陸戦では、日本軍と米軍の「組織的な学習能力」の違いが、決定的な差を生んでいます。
第1次ソロモン海戦で、当初米軍は、日本軍の攻撃により大被害を受けました。
しかし、戦闘方法を改善することで、最後の第3次ソロモン海戦では、日本海軍を圧倒する形で勝利を収めます。
対比的に、陸戦において、日本軍先遣隊は米海兵隊との最初の戦闘で全滅したにも関わらず、それ以降の2回の攻撃でも同じような戦法を採用してしまいます。
結果、甚大な被害を生みながら飛行場を最後まで奪回できず、撤退を余儀なくされてしまいました。
これは、過去の陸戦における強烈な成功体験から生じたと言われていますが、日本の、特に製造業では、同様の現象が起きているのではないでしょうか。
長寿な日本企業において、仕事のマニュアル化、最適化は相当進んでいるものと思われます。
それは効率的なビジネスの遂行を支える一方で、そこから一歩外れることを妨げていると考えられます。
VUCAの時代における組織としての柔軟性の欠如は致命的であり、非常に危機感を感じております。
3.なぜ私がTSUKURUの活動に参画したのか?
私を含め、大企業で働く多くの従業員は、上記で述べたような問題点にはとっくに気が付いているように思います。
ですが組織は変わらないのです。(それ故、未だに「失敗の本質」が注目されているのですが。。)
もちろん私は、日々組織を変えるための小さな努力を続けていきたいと思っています。
一方で、
そもそも私自身がすでに日本型組織に染まっているのかもしれない?
そう思い立ったことが、私がTSUKURUの活動に参画している理由の一つです。
今回解説した2つの失敗の要因に対応した、組織のあるべき状態として
・最前線で勝機を発見し、即座に判断できる
・新たな概念を柔軟に取り入れ、変化を誘発し続けられる
これらが考えられます。
SDGs事業開発、という難易度の高いミッションに、もがきながらも正面から取り組むTSUKURUは、必然的にこの2つの条件を満たしています。
そんなTSUKURUでもがくことで、あるべき組織での働き方を体現し、自己を変革出来ると信じて、日々精進しております。
4.まとめ
今回は、名著『失敗の本質』を紹介しつつ、私がTSUKURUの活動に参画している理由をご紹介させて頂きました。
TSUKURUには私のほかにも大手企業でバリバリ働きながら副業しているメンバーがいます。彼らが副業をしてみて思うこと、是非ご覧ください。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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この記事を書いた人は
mitsu
副業でTSUKURUに参画しています
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