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即答で「親の卒業式」と答えたことがあります。
大体「は?」って言われます(笑)

私は元々裏方気質が強すぎるので、まず「結婚式=自分たちが主役」はピンときていませんでした。
あとは、ステキなドレスを「作りたい」とは思っても「着たい」とならなかったのもあります。

プランナーとして現場に立てば、もちろん新郎新婦の考え方にもたくさん触れることができ、そのお二人らしい理由で結婚式をおこなうという流れを知ることになります。人それぞれ。どんな風でも良いかなと思います。

『私にとっての結婚式とは』となったとき考えたのは
「そもそもなぜ人は結婚式をしたのか」という歴史から入ります。
元々の日本の結婚式は
「新郎家」と「新婦家」が結婚によって結びつきました、これから両家ともに協力していきましょう
というのをお伝えする場所だったわけで、そこで相手の家に
「こんな素敵な新郎ですよ」「こんな素敵な新婦ですよ」を
「親」が親族・近所に伝えるためのもの。
だから新婦は「自宅」から出てこんなキレイな花嫁ですと見てもらい、
「新郎の家」で結婚式をやるし、親族一同で三日三晩お祭り騒ぎだったのだと考えられます。

結婚式を「学問」としてインプットしていたので、そういうものかなと思っている私にとっては「家と家」が重要なのだと思っていました。
それは結構今でも思っています。

でも時代は「令和」。
先の考え方は昭和よりずっと前の考え方で、さらには古来より伝わる
「家婚」と言う話。
それを理解しようというのがそもそもおかしいと言われたらそこまで。

現在の結婚式の形は昭和に入ってとある会場が商業用に演出してきた部分もあり、そして戦後に欧米の考え方が一気に入ってきたことにより
結婚は「人」と「人」の契約という日本人はほぼ無宗教に近いのに
「神」に誓うという素晴らしい演出の結果、豪華なドレスや、背の高いケーキや、ゴンドラ演出といった「個性をアピールする場所」になっていったのだろうと感じています。

決してそれが良いとか悪いとかの話ではなく、どこに焦点を置くかとなったとき、「私」はまだ「家と家」という古くからの「日本人的感覚」が悪くないなと思っていたので、結婚式はプランナーとして考えるならば自分が主役ではない方が良いなと思っていたのが基本にあります。
とはいえ私も「平成」で結婚してますし、こんな仕事をしています。

結婚を決めました、結婚式をしますとなったときどうしたいか?
と考えた結果、

●自身の両親に育ててくれたことに感謝し、いったん自力で頑張りますという決意表明をこめての「卒業式」の場にする
●私たちのために時間を割いてくれた列席者の方に感謝を伝える場所
●引き続き夫婦で交流してもらえるようにお願いする場所
●新郎家(旦那さんの家族・親族)に私の仕事のプレゼン

となったわけです。
最後のは「仕事を継続したい」事もあり同居を決めていた私にとってのマスト案件ですが(笑)
結婚を伝えたときに当たり前に参加してくれた人への感謝、お祝いをしてくれる人への感謝の場所にしたかったことと、
できるだけゲストの方の顔が見える事が大事でした。

両親へは大げさなことはしませんでしたが、式の準備を共有すること
例えば
*私の衣装は母に決めてもらう
(後から言われるのが絶対にイヤだったので、衣装合わせに同伴してもらいました)
*婚礼に必要な物は母に聞く
(結果私のが詳しくて確認しただけになりましたが)
*嫁入りに必要と思われる物の買い物は一緒に行く
(ここは母のこだわりが見えたところでもありました)
*親族席は両親に決めてもらう
*感謝の手紙はきちんと書いて読む

といった感じです。
手間だな、意味わからんこと言っている・・・など実際経験してみて感じたことは山ほどあったと思いますが、やって良かったとは思っています。

コレはあくまで私の話であって、こうすべきな話ではありません。
ご両親がいない場合ももちろんありますし、事情が人それぞれ違いますから、参考までにという話です。

何が言いたいかというと、「結婚式」は人それぞれで良いと言うことです。
現場大好きなプランナーですが、今まで全く同じ「現場」は一つもありません。
「結婚式」は何度経験しても、同じスケジュールなんてあり得ませんし、
同じ新郎新婦、ゲストなんてもちろん有りません。
10人いれば10通り、10パターンの
「私にとっての結婚式」が有ります。
そしてそれは新郎と新婦でもそれぞれ違ったりします。

違うことが悪いわけでもなく当たり前

その中でどうやって組み合わせていくか、どうやって納得いくところをくみ取っていくか、「気持ちのバランス」と「費用」が今の時代はより一層難しくなっているんだなと感じています。

そしてそこに世代の違う、違う時代を生きた親や親戚がいたりするので、より複雑。そこをきちんと整理してあげた上で結婚式を進めることができたひとは「やって良かった」と感じることができるのではと思っています。

「あなたにとっての結婚式とは?」
今はどれだけの人が考えているのかわかりませんが、
費用も相手もすべて忘れて、そこを突き詰めると案外面白い物が見えたりするかもしれません。
過去には
「自分たちの好きな物をアピールする場にしたい」
「思い出の場所をゲストに共有したい」
「好きなアイドルのようになりたい!」と歌ってくださった方
いろんな方がいて、それをどうやって「二人の結婚式に組み込むか」をスタッフで考えて実現してきました。

「費用」も「時間」もかかること。
そしてなにより多くの「人」が関わることなので、
もし「結婚式をする」と言ってくださる方がいるのであれば、
その人にとっての結婚式が叶うと良いなと思います。









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