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〈卒業制作への道 #4〉 卒業制作1

これはいまから2カ月前の4月20日のこと。

卒業制作は「卒業制作1」から「卒業制作6」まで、通算6回のスクーリングを通して作品制作をしていく。
その記念すべき第一回目に行ってきた、というお話。



4月1日の段階ですでに卒業制作着手の許可は出ていたので、卒業制作を視野に入れたリサーチを進めていた。
ただ、厳密にいえば「卒業制作1」が卒業制作のスタートラインであり、「ここからはもうとにかく最後まで走り切るしかない」と覚悟を決める日でもある。

スクーリング科目には必ず事前課題というものがあり、もちろん「卒業制作1」も例外ではない。
あらかじめ「自分がどんなことをしたいのか」「それはなぜか」「参考となる事例はあるか」といったことを書式にまとめて提出する。
つまり、「卒業制作1」の時点ですでにある程度やりたいことを決めておかなければいけないのだが、そこに関しては日ごろから「あーでもない、こーでもない」と頭の中で構想を練っていたので現段階でのアイデアを書き出していく。

卒業制作に関わらず、いま取り組んでいる課題の内容を普段から頭の片隅に置いておいて、アイデアを思い付いたらメモするようにしている。
ただ、他人に伝えるつもりで改めて書き出してみると、新しい展開を思いついたり、独りよがりになっていた部分や足りなかった部分に気が付けるのでこの事前課題のシステムは非常にありがたい。


卒業制作のテーマは、こっぱ人形を主軸に“農民美術を現代的に解釈して、地域の新しい魅力を再発見する”という建てつけにした。
ただ「こっぱ人形を作りたい!」だけでは卒業制作として説得力がないし、何より長野で出会ったこっぱ人形とその周辺にある物語や人との出会いがとても魅力的だったので、どうにかこの個人的な感情を社会と結び付けられないかと考えた結果、「こっぱ人形をきっかけに、その場所で見た風景、出会った人々を地域の魅力として共有できる社会」という未来像を掲げた、という感じである。
やりたいことは「みんな一緒に楽しもうぜ~!」くらいのカジュアルでポップなものなんだけど、文章にすると急にお堅くなってしまうのは性格的なものなのか、言語化がヘタクソなだけなのか…。


卒業制作のスクーリングは基本的に東京もしくは京都のどちらかを選択し、その選択地もしくは遠隔での参加になる。
自分は関西在住なので京都キャンパスを選択。
最後のスクーリングが1月上旬のコンパクトデザインだったので、実に3カ月ぶりの登校である。
久しぶりに降り立つ茶山駅はすっかり春の陽気となっていた。
1年目から2年目の春ごろまでは毎月のようにスクーリングがあったので、まばらになったスクーリング日程に「いよいよ学生生活も終盤に近付いているんだな…」という寂しさと、卒業制作に対するワクワクが混ざった複雑な心境である…。


去年までの卒業制作スクーリングでは東京と京都をZoomでつないで全員分の発表を見ていたそうなのだが、今年は参加者が多く、授業のはじめに卒業制作に関する説明が終わると東京と京都は完全に分かれての講義となった。
せっかくなら全員の発表を見たかったが、例年の入学者増を考えるとまぁ仕方ないかなとも思う。
学生からの直談判もあり、後日、全員分の事前課題をAirU経由で共有してもらえたので、なんとなく「こんなこと考えてるんだな」というのは知ることができた。
100人いれば100通りのアイデアがあるというのは本当におもしろい。
ただでさえ仕事が多いのに、献身的なサポートしていただける先生方には頭が下がるばかり…。


肝心のスクーリングの内容はというと、事前課題をもとに一人3分程度で現状のアイデアを発表していき、それに対して教員から質問が飛んでくるという感じ。
「中途半端なアイデアを持っていくとコテンパンにされる」という前情報とは裏腹に、終始和やかに進むので若干肩透かしを食らった気分。笑
とはいえ、「なぜそれをするのか」「卒業制作として自分がやる意味は」「それをすることで世の中にどのような影響を与えるか」といった、客観的かつ最も重要な部分に関しては躊躇なく質問が飛んでくるので、現状のアイデアから方向性を考え直さざるを得ない人も何人かはでてくる状況ではあった。

自分はというと、方向性は基本的に問題なく、「このまま進んでいいよ~」という感じだったので一安心。
ただ、わりと風呂敷を大きく広げてしまっているので、どこまで形にできるかは今後の自分次第…!


事前課題に対する講評が終わり、残った時間は数人でグループになってお互いのアイデアにコメントをすることに。
これはおそらく東京と京都が完全分離したおかげでできた時間なのだけど、これがすごく良くかった。

複数人で話すことで「こういうアイデアはどう?」「それならこういう話を知っている」といった具合に数珠つなぎ的にアイデアが派生し、まさに自分一人ではできないことができている印象だった。


そんな感じで初日が終わり、二日目は初日の発表を踏まえて先生方からフィードバックと次に向けての宿題がでる。
これは完全オンラインなので基本的には自宅から参加なのだが、せっかくなので学友と示し合わせて学校で受けることにした。(といっても教室でZoomに繋ぐだけなのだが)

講義が午後からだったこともあり、教室で学友と昼食を食べながら、最近個人的にハマっている中国茶の茶器セットを持ち込んで茶をふるまうという無駄に優雅な時間を過ごす。
パソコンの画面上だとなかなか交流するのが難しいので、直接会って話ができるこういう時間は本当にありがたいし、めちゃくちゃ楽しい。
付き合ってくれる学友に感謝である。

先生には「大学で受けてるやつが何人かおるな」と一発で見破られたものの、講義後にわざわざ教室まで来ていただき、アフタートークができたのも楽しい時間だった。


次回のスクーリング「卒業制作2」は7月なので、約3カ月の期間が空くことになる。
今回のスクーリングで自分の方向性が間違っていないことを確認できたので、このままリサーチを続けつつ、「卒業制作2」までにこっぱ人形を実際に作ってみるというのを個人的な宿題に設定した。(と書いている時点で実は完成しているのだけど…)

その前に、残った3年次TWをやっつけてしまわねば。
長いようで、あっという間の3カ月になってしまうんだろうな…。



このスクーリング後、5月・6月と何か所かフィールドワークに行っているので、そのあたりの話もちょこちょこnoteに書いていきたいと思ってます。

気長にお待ちください~。


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