「コスプレから溢れるエロス〜それは恐らくカタルシスなんだ」の話
20歳の頃。
女友達からこう問われた。
「なあ……一番エロいと思うコスプレって何やと思う?」
「んん?」
一瞬、質問の意味を考えて、こう答えた。
「喪服(着物)じゃな……次点は……修道服」
「マジでー?高校の友達も、おんなじ事言いよんねん」
「そっちは?」
「ウチは普通にナース服とか……ベタやけど」
「確かに、分かりやすいわな」
「何で喪服なん?」
「……覆われてる部分が多い程に、想像力も掻き立てられるわなー。
冠婚葬祭の中でも葬式の時って、まあ、しめやかな厳粛な雰囲気じゃしなあ。
何じゃろ……触れてはいけない物に触れる……禁忌を破るって言うか……」
「あんた……結構ヤバいなあ」
「そうかー?一度くらいは、皆考えてんじゃないかなあ」
「ちょっと、変態っぽいで」
「えっ、質問に素直に答えてその言われよう……」
変態/普通の状態と違う事。
正常でない性行動をすること。また、そのような傾向をもつ人。
なる程……。
その数ヶ月後。
あの伝説の映画&ドラマ「失楽園」が日本列島で猛威を振るった。
私は失楽園は映画派。
出来るものなら古谷一行の尻はそんなに見たくなかった……(役所広司の尻が見たい訳でもなかった……)
更にしばらくして。
椎名林檎が何かの雑誌で喪服を着ていて(しかもお歯黒まで、施されていた)
その姿を見た我々は、まず迸るエロスに圧倒される。
そして、漂う大正浪漫とか、文学とかの香りに時間差で延髄辺りをやられるのだ。
「流石、林檎やなー」
と溜息を溢さずにはいられなかった……
(本能のあれ)
(無罪モラトリアムのあれ)
ほらー。
割と皆好きだった訳じゃろう。
私が変態なのか……
皆が変態なのか……
皆が変態ならば、それはただの「普通」になるだろう。
詰まる所、単に、それぞれの嗜好の偶然の一致……
このテーマは……
奥と闇が深過ぎる。
⚠この曲は椎名林檎の中でも特に好きなのだけれど、気分が落ちてる時に繰り返し聞くと、富士の樹海に消えたくなる事があるので、用法用量に、気を付けてお聞きください⚠