「疲労困憊と漢方とフタをしなよ」の話
ここ一週間程、ささいな事でイライラする事が多かった。
少しの事で怒って、
「そんなに怒らんでいいのに」
と息子に言われ、
「怒ってないし」
という、あまり良くないパターンを何回か繰り返した後、
(あ、今、仕事が繁忙期なんじゃ。そして、私は疲労困憊の状態なのだ)
と、気づいた。
3〜5月は引っ越しが多く、ウチの会社の一番忙しい時期なのだ。
毎年恒例のハズなのに、忘れていたのは、去年の繁忙期が(私は)忙しくなかったから。
自分が疲れている事すら気づかなかったなんて……そんな事あり得るのか……
結局、体が疲れると心も疲れるんじゃなー、と極めて当たり前の事を思いながら、
(そうだ!漢方飲もう!)
と6年前から、年に一回ほどお世話になっている、漢方薬局を思い出した。
6年前。
「チャングムの誓い」を見て漢方に興味がわき、群ようこさんの「ゆるい生活」を読んで漢方の興味が増し、駅前の昔からある漢方薬局に行ってみた。
漢方は保険が聞かない上、薬を煎じるのが手間と言えば手間だ。
しかし私は、むしろ
(おぉ……この茶色い汁が……チャングムが煎じてた薬のようだ……この苦味の中にある仄かな甘み……効いてる気がする……そうよ、私は元宮廷女官……)
一週間分の薬をもらい、調子が良くなり、そのまま忘れて、次の繁忙期に思い出す……
そのループ&ループなのだろう……
予約も取らず、ふらりと寄ってみたが、やはり行って良かった。
「ここ一週間ほど後頭部に少し、鈍い痛み、重みがあるような感じで……」
「2年前来られた時は……こんな症状で……と言われてましたけど……その時は頭痛の事は言われてなかったですね……」
「頭痛とか普段ないので、しばらく続くなあ、と」
「今年は梅雨入りも早いし、今、体調崩されてる方多いんですよ……」
色々と話をしながら、丁寧に問診をしてもらい、薬を出してもらった。
薬を処方してもらうと、現在の体調は芳しくなかろうと、
(よっしゃ、もう、治ったも同然だ!)
と、帰り道の足取りは軽かった。
(あーあ、今日からしばらく漢方生活じゃわ。煎じるの面倒くさいけどな…ふふ…)
等と思いながら、紙の袋から薬を取り出すと
(え?今回、粉薬なんじゃ!)
道理で袋が小さい訳だ。
取り出して、飲んでみた。
(あーあ、ただのにっがい薬ですわ……にが)
煎じるあの工程が良いのになあ……
と思いながら、夜も薬を飲み、就寝した。
今朝、起きると
明らかに調子が良い!
昨日までは
(やだ、動きたくない……)
だったのに!
今朝、お弁当を作る時に、レンジを使っていると
「シュ〜バチバチッ!」
えっ、何の音?
レンジを開け、庫内を確認する。
庫内に何かのタレが付着しており、コレが原因とすぐに分かった。
犯人が誰なのかも。
「かっちゃん。昨日私が寝た後、タレのかかった物食べたじゃろ?食べるのはいいけど、レンジ用のフタもしくはラップをしておくれよ」
「そっか、ごめんね。手間を増やして」
「いいんよ、私、なんか元気になったから!」
シャ乱Qの「空を見なよ」の替え歌
作詞 わたし
汚れはすぐに出るから
逃げることはしない
オレはいつも自分にそう言い聞かせる
〜中略〜
フタをしなよ
タレが流れていく
その先には汚れあるか 知らないけれど
目の前にはただ じっとこっちを見て
うなずいてるタレがいる
すっかりほら フタにつつまれてる
〜中略〜
すこしずつほら 綺麗へちかづく
ふふ、調子が出てきたな……
そうでもないか……(´Д⊂グスン