xuさん企画参加 #おかしをくれたらおかえしするぞ
小学生の頃。
お菓子作りが大好きだった。
お母さんの料理の本には
美味しそうなお菓子がいっぱいのっていた。
ペパーミントのゼリー。
プリン。
アイスクリーム。
クッキー。
パウンドケーキ。
スイートポテト。
簡単な物から少しずつ。
色んなお菓子を作った。
あれは四年生の時だった……
自分で買ったお菓子作りの本の中から
これ!
と選んだのは
「シュークリーム」
今考えても、まあまあの難易度だ。
しかし、当時のつくねは恐れを知らない。
「シュークリームは難しいんじゃない?」
やんわり路線変更をすすめるお母さん。
「いや、大丈夫!」
つくねの大冒険が始まる……。
まずはカスタードクリーム作り。
*
美味しいカスタードクリームが出来上がった。
(ほーら、これくらい出来るんじゃから!)
つくねは調子に乗っている。
次はいよいよシュー生地作り。
材料を入れ、混ぜる……?
(なんじゃこりゃ……)
「おかーさーん!何か変!」
「あー、継粉になっとるわ〜」
継粉/ままこ
粉を水などでこねるとき、こなれないで粉末のまま固まった部分。だま。
「えー……どうしたらいいん?」
「よく混ぜて……後は一個一個つぶすかなあ」
(おぉ……めんどくさー)
と思いながら、出来る限りつぶし、何とか形を整え、オーブンに入れた。
オーブンを覗くと……
「あー……まだ膨らんでない」
20分……30分……
待てど暮らせど膨らまない。
シュー生地はそのまま、オーブンの中で焦げ始めた。
「えー!何でー!?」
私は叫んだ。
「シュークリームはなあ……結構難しいんよー」
母が残念そうに言った。
*
あの後……
どうしたっけな?
ペタンコのシュー生地にカスタードクリームのっけて食べたんだっけな?
ただ一つだけ覚えてるのは……
(これ、絶対作文に書くし!)
学校へ提出する作文の面白いネタが出来たぜ。
と言わんばかりに書いたその作文のタイトルは……
「大失敗のシュークリーム」
フッフッフッ……
つくねの若かりし頃の、ホックホクのにやけ顔が思い浮かぶな……
失敗しては
ネタにして。
失敗しては
ネタにして。
やってる事が
30年前と、さほど変わってない!
ブレ(られ)ない私!
そう……
つくねの芯は
ダマでいっぱいのシュー生地から出来ている。
xuさんの、おもしろカワイイこの企画……
つくねと一緒にあなたも参加してみないか?