「信じるか信じないかはあなた次第」の話
息子が4、5歳の頃だったか……
さっきまで遊んでいた息子が、隣にちょこんと座って
「お母さん、〇〇がどうしてお母さんの所に来たか知っとる?」
「ん?それは、どういう……」
「雲の上のお空の、もっともっと上の高い所から、下を見てな。△△ちゃんの家もいいけど、お母さんがニコニコ笑って楽しそうだったから、お母さんのお腹にピュッて入ったんよー」
「おぉーっ!ナニソレ?マジか!?」
なんせ突然な事でビックリした。
それが本当であれば、
「何と不思議で素敵な話か」
と思う。
それが創作であれば、
「お主、なかなかやるのぅ」
と思う。
そういう話をすれば、なにがしかの食いつきが得られようと考えての事なら、素直にその能力が素晴らしい。
「えー?それ、ホンマにホンマ?」
「本当よ」
「そっかあ……私を選んで来てくれたんなら、それは本当にありがとう」
「〇〇こそ、ありがとね」
私はこれを素直に信じる事にした。
仮に創作だとしても、誰も傷つかないし、単純に、
(いいな、そういうの)
と思えたからだ。
あれから5年経った息子に、その話を覚えているか尋ねると
「うん。空の上から、かっちゃんとお母さん見て、幸せそうじゃな、って思って……それでお母さんのお腹に入ったんよ」
と、彼が今激ハマりしている、「ご飯ですよ」をたっぷりかけたご飯を食べながら、答えてくれた。
昭和
平成
令和も。
それは桃鉄の如く、時空を超えて。
美味いよな、「ご飯ですよ」
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