恐縮ですが冒涜の時間です
■この記事の読み方
提供 ばっくどあ← 様
・時間がない人or流れてきたから開いただけの人
→いただいたギャラリーだけでも見てってください
・大規模魔術騒動にだけ興味のある人
→■冒涜の時間 の項までぶっとばしてください
・自分のキャラの絡みに興味がある人
→検索するとひっかかるかも
・なんで自分のキャラの名前が出てんだor名前間違ってるぞ
→@TsukumoShikiまでクレームください
・物好き
→最初から全部読んでください
■人の命はチョコレートではない
皆さん、バレンタインデー及びホワイトデー、二か月連続お疲れ様でした。
熾烈な戦いを極めたくびよっつ(便宜上、バレンタインデーフタハナについては以後『くびよっつ』として扱います)から一か月足らずの開催という事もあって、今回はそれまでに類を見ない試みをされている方が多かったように見受けられます。
双花建設とか。ヤミーステーキとか。
またステルス参加(PL情報を秘匿する参加)をされている方も多かったように思えます。毎回新鮮なドラマをお届けしようとする皆さんの創意工夫を感じられますね。
僕も途中までステルスしてましたが結果はお察しください。
僕もまた前回ロール用の大規模陣営『バラクーダ作戦』『Vichy』の運用や、くびよっつでの使用キャラクター『メリッサ・ベルナールド』のロストなど、非常に濃いロールプレイをさせていただいたので今回は流石に疲弊しておりました。
「もう争いたくない。平和なハナをやりたい」
などと、デスゲームに対してお門違いな要求を譫言のように繰り返し、鉄火場から縁遠いキャラクターメイクで皆さんとロールを楽しみたいと思っておりました。
■某氏「キャラ造形から平和する気0とは恐れ入る」
今回登録したキャラクターはNo.85『マントポワヴレ』
提供 水城待紘 様
前回ロストした『メリッサ』のGhostに相当し、同じく共に戦いロストした『使用人』(以後、ロベラ)、『テュルヌ』を蘇生すべく『蜘蛛の鋼糸と『七色のブーケ』を3つ集める事を目的とするものでした。
ただし『テュルヌ』の記憶は前回の死闘で引きはがした『泥の神』によって維持されていたため、蘇生を行うと彼女はこれまでにあったことを全て忘れてしまいます。
また、『ロベラ』も生前は自刃の命令か心中を希望していたため、蘇生という行いは彼にとっても冒涜となります。
「自分自身が三人と生きたい」という個人的な欲求を叶えるため、肝心要の大切な人達を冒涜するのか否か、煩悶しながら三日間(四日間)の旅を続けるという予定でした。
僕は基本、余程の事がない限りPL間の打ち合わせを行いませんが、今回はよその子の命運にかかわる"余程の事"だったため、関係者各位とは慎重にお話させていただき、この方針に踏み切りました。
■蛇足をどうドラマにするか
今回、準備期間に相当する0日目から散策及び襲撃が可能になっていたため、実質的にこの日からメインの活動が始まっていました。
(新仕様の感触を試す為だったものと思われます。いつもお疲れ様です)
周囲ロールや全体シャウトもそこそこに、装備を作りつつ花集め……と行きたいところですが、食料の調整が入るまではほとんど動けず、平原や廃墟にこもっていました。
漆黒堕天さんとの出会いや、後に敵対するフミンさんの水揚げ、誤チェストで食料がなくなったノストスさんの支援を行ったのもこの辺りですが、ターニングポイントとなる出会いは同じ年頃の参加者、ツバキさんでした。
前回、和睦陣営の拠点としていた52,38をシェルターとして活用するツバキさんを見て、接触を試みたのが始まりとなります。
ツバキさんの協力がなければ場合によっては後の展開で大きく躓いていた恐れがあるのですが、それについては後ほど。
ともあれ0日目は(魁メテオの強化ウニに突っ込んで事故死する事はあったとはいえ)比較的平和に過ごす事ができました。
(結局そのメテオ使いは漆黒堕天さんが身を粉にして落としてくれました)
その分、バディとのロールも捗りました。
PCであるマントポワヴレの決意が垣間見える一幕ですが、PLである僕は死ぬほど悩んでいました。
一応、Ghostからのブーケ使用はSurviveとなり、Lostを免れる事は仕様であると明言されています。
しかしそれを蘇生と捉えるか、呪縛からの脱却・昇天と捉えるかは人それぞれです。
(だからこそあえて明示はされていないものと推察いたします)
(説得力を持たせるために蜘蛛の鋼糸もミッションに加えていましたが、あくまでもグレーゾーンです)
よしんば蘇生するものとしたとしても、
「そこまでする価値があるのか」
「くびよっつのドラマに泥を塗るだけではないか」
「というか何をやってもマイナスにしか働かないのではないか」
というプレッシャーは常に感じていました。
死者蘇生という冒涜に見合うだけの説得力やドラマがどのようなものなのか、何もわからないまま見切り発車していたのです。
というより「これ最早哲学じゃね?」と考える事を早々にやめていました。
■廃墟生活者のドラマ
結論から言うとミッションは2日目の初めの方に達成しました。
此方の事情をある程度聞いてくれていたツバキさんが大量の花を、エンゼルランプくんがそこから足りない花を工面し、かつマントポワヴレが蜘蛛の鋼糸をあっさり拾ってしまった為でした。
蜘蛛の鋼糸は後半シャウトでもかなり苦労されている方が多い中、運が良かったというべきなのでしょうが、皮肉なことに「最悪集まらなければLostすればいいや」という逃げ道を塞がれた形とも言えます。
完走した感想ですが……
とはとても言えない状態です。それに気がかりな事もありました。
お世話になったツバキさんは兄からこの島の話を聞いてやってきたそうですが、どうもその兄というのが前回和睦陣営で最後まで戦ってくれた『マサヤ』さんとのこと。
それならば話すべきだろうと、自分が『メリッサ』である事を伝えますが、ツバキさんは露骨に機嫌を損ねてその場から立ち去ってしまいます。
当たり前ですが、放っておくわけにはいきません。ツバキさんが寝泊まりに使っている旧拠点に書置きを残し、探しにいきます。
という感じでお話が進む一方、他の参加者さんもアツいドラマを繰り広げられていました。
バディを傷つけられた事に激昂し、全てのFLOWERを賭けた死闘を申し込む一幕や、願いを叶えるため殺戮に奔るも、よってたかって止められて幾度となく殺されるメイドの少女など。
正直めっっっっちゃうらやましい!
え、なんで1日目でそんなクライマックスみたいなロールしてるの?
ぼ゛く゛も゛ま゛ぜ゛て゛!!!
今回は七つの嫉妬合わせもありましたが、僕が八人目になる勢いでした。
とにかくマントポワヴレが全く関与していない中でも見るからに楽しそうなロールがあちらこちらに発生していたため、装備集めもそこそこに僕も遅ればせながらロールさせていただく事に。
■呪詛というロールフック
シャウトは関係が構築されていたため、周囲ロールで凸待ちと思しき人を探します。幸い廃墟は人が多いため、ロールの種を探すに事欠きません。
そこで出会ったのが如何にも言語が怪しい仮面さん。そのままでは意味のない文字列から何かしらの法則があると読み、見事解読に成功!
と思いきやプロフィールに解読法思いっきり書いてましたね。
食料が余っているので受け取ってくれないかとの事でしたが、この食料不足の中ただで受け取るわけにはいかないと思い辞退。代わりにお話を聞かせてもらいます。
どうやら"愛"を知るまで言語が自在に使えない模様。知人が多ければ紹介も出来たことでしょうが、そこに至るまでに知り合った女性と言えば、取引で懇意にさせていただいているプロムハニィさんと、何故か僕の絵柄にそっくりなアイコンでいきなりメッセージを送ってきたマリヱさんのみ。
ホラーかな?
和睦陣営の頃なら何かしら力になれたかもしれませんが、いつもと違って陣営なし&ステルス状態のロールフックは哀しいほどに非力でした。
ロールフックといえば、今回も呪詛は強力なロールフックになっていましたね。かけた時点で500ダメージ確定。背水ラストスタンドメタとしても機能するようになったこの呪詛は今回最も猛威を振るったアビリティといって過言でないでしょう。
はい、その晩に何故か2回も喰らいました。
しかし、考えようによってはこれはチャンスです。そうでなくてもその日、願いを叶えるために戦い倒れてメイドさんを見たばかりです。
生前行われていた血で血を洗う戦いを、和睦陣営の犠牲を思い出さずには居られません。
何より、呪詛をかけられたままでは自分が死んでしまいます。最初にかけてきた丑の刻参りマンさんはバディを組んでいる者だけを狙っているようですが、見逃す理由にはなりません。
大義名分十分、いざ粛清の時!
と思って襲撃ボタンを押しましたがあえなく不発。呪詛返しで一足早くKillされてました。
肩透かしを食らったなあ、でも助かったなあと思っていると今度はキッドさんから呪詛を喰らいます。今度こそ粛清の時!と思って気づいたのですが、手持ちにはPowerとDefenceが上がる鈍足装備しかありません。
……あれ?これ逃走で染められたら詰むのでは?
どうしたものかと思っているとキッドさんからメッセージ。解除して欲しければ食料を寄越せとの事。ランサムウェアかな?
バディを組んだ時に包丁で心臓を一突きにしてやってもよかったのですが、もう一度かけられると面倒だったことと、思った以上に食料を持たれていなくて可哀想だったことも相俟って、少し多めに食料を渡す事に。
彼曰く、この脅迫方法はドクターオリネから教わったとのこと。なるほどあのVTuberが元締めか。いずれ殺そうと決意してお別れします。
メリッサだった頃、呪詛が原因で陣営崩壊した記憶があるため過敏に反応していましたが、空回り具合が何とも愉快なロールになったと同時に、大事にならなくてよかった事に安堵しました。
その後も工事現場から立ち退くためヤミーステーキにお邪魔したり、資材の提供を約束したりと細々とロールさせていただきましたが、頭の中にあるのはツバキさんの事と傍観していたメイドさんの事。
このまま自分たちだけ生還して帰る事はできないという想いは強くなり、いよいよその決意をエンゼルランプくんに打ち明けます。
■冒涜の時間
2日目(他の記事では3日目)は昨夜の反省を踏まえ、防御を犠牲に素早さをあげる装備を整えに。
蜘蛛の鋼糸がデフォルトで非常に強いので、それを基準にしてAgiを補強するためヌヌヌヌ剣を拾い、あとはバディから余りの装備を借りました。
キッドさんに呪詛ランサムウェアの手口を教えたドクターオリネに難癖をつけた結果、ハナアオジロザメさんの手により天誅が下される一幕(あとで知りましたが彼女自身は呪詛使えないそうです)などはじめは平和でしたが、そういった時間は長く続きません。
エントリーナンバーの若い方を誤チェストしてしまうロールなどを回していた矢先、無差別に襲撃し略奪をしている方を発見。
昨日はバディに決意を示しましたが、マントポワヴレに彼らを倒す義務はありません。大義名分もありません。
言ってみればそれはただのエゴであり、自己満足に過ぎないのですが、彼女に横槍を下しシャウトで宣誓します。
提供 しゃろみつ 様
「── 再誓 ──」
「僕はあなたを冒涜する」
さらに日が落ちてきた頃合いに数人がメテオを詠唱。ひとりずつ丁寧に撃墜し、都度お決まりの台詞をシャウトします。
この決め台詞ロール、前回くびよっつに登場していた審判の剣さんへの憧れから出ているという設定があります。
メリッサはメッセでも「本当の和睦にはあなたのような人間が必要です」とまで言ってたんですね。
同時に、仮にも一度は和睦を目指した少年が人殺しに手を汚すわけですから、その都度揺らぐ決意を再度誓い直すことで、この冒涜を完遂するという意志を表していました。
もっとも堕とされた人からすればただのキラーでしょうけれど。
以前より資材提供などで度々足を運んでいたヤミーステーキに入り、休憩がてらステーキを注文します。
人殺しをした後に肉喰うなんて図太いにも程がありますが、マントポワヴレなりに正気を保とうとした行動だったのかもしれません。結論から言うと肉は喰えませんが。
すぐにまた別の詠唱が始まったからですね。
再び出動。身に纏う返り血を増やし、再びヤミーステーキへ。
「もう焼けてますか?」とロールした矢先に、
There was a Battle.
アイエエエ!!襲撃!襲撃ナンデ!?拠点の中入ってるじゃん!
もしかしてBlood状態だと拠点に入っても護られないの?
もしそうだとしたら、
最高ですね。
ただまあそんな仕様知らなかったのでめちゃくちゃビビった僕とマントポワヴレは、店から飛び出して空へ飛翔するロールを回して三度出動します。
すると今度はこれまでの比じゃないくらいの同時詠唱が成されていました。勿論、マントポワヴレだけでなく蓉花さんや呪ナイパーこと刻辱さん、すずめさんなど様々なPKK(プレイヤーキラーキラー)も引き続き戦闘に参加しました。
さらにはユウさん率いる魔女狩り殺しが妨害に入り、大規模魔術肯定派からの呪詛がこちらを付け狙う四つ巴の乱戦に発展します。
白状するとこの時点で完全にヒートアップしていたのか、PCPL共々バーサーカー状態になります。
オブラビィくん及びギルバートさんは誰も殺さないメテオという大義名分で詠唱をしていたそうですが、当時それに気づかなかったマントポワヴレは無慈悲にその星々を落としてしまいました。
その辺りから旗色が変わってきます。
七つの嫉妬合わせのアコニスちゃんやフォルカーさんからの報復攻撃が相次ぎます。
殺されることはなくとも迎撃で落としきる事も出来ず、すぐに装備を入れ替えてその場から離れます。すると今度は七つの嫉妬合わせの盟主、ズィリャちゃんから呪詛を受けました。
後に誤認であると発覚するのですが、この時はいよいよ陣営単位で此方を狙ってきたものと思い込み、呪詛解除のため応戦に出ます。
提供 くりぐ 様
非常に強力な武器とアビリティを備えた彼女との戦いは熾烈を極め、撃破してもただちに二度目の呪詛を仕掛けてきます。
結局二度倒すまでに一度迎撃で死んでしまい、戦況はますます厳しいものになってしまいました。
ここまで全くロールしなかったわけではありません。
ジーロットちゃんを殺害したあたりでその面影から最愛の彼女テュルヌを思い出し、マントポワヴレは嘔吐します。
普段はシャウトを嫌うエンゼルランプくんによる制止で冒涜行為は一時中断しましたが、吃音が酷くなり、幻覚に苛まれ、とてもまともとは言い難い状態になると、かつて共に戦った黒騎士さんの幻影と対話を始めます。
一度は和睦を諦めたものの、やはり力ない者の為に戦いたい。Vichyの同志を弔いたい。
その一心で幻影を振り切り、再び鎌を手にする様はどう見てもGhostというより悪霊です。成仏してくれ。
その後も見ていられなくなったエンゼルランプくんも交え、Flowerを散らしながらも戦い続けました。
提供 せるぶ 様
エンゼルランプくんもBlood状態になった上で双方が倒れたため、少し冷静になって様子を見ます。
するとどういうわけか、死闘を繰り広げたズィリャちゃんが救いの手を差し伸べてくれました。
「あなたも私の苦しみを分かってはくれないだろうから……」と、何かを諦めているかのよう。
非常に気になりましたが、この機に乗じない手はありません。
その場での礼はそこそこに、残り少ない花弁を携えて再び戦地へ赴きます。
自衛の為に出てきたヤミーステーキのおねえさんの活躍もあってなんとか全ての魔術師を鎮圧します。
前回では同じ陣営に所属していたユウさんにも二度ほど殺されましたが、劣勢と知るや否や早々にブーケで帰還されました。
(今思えばかつての和睦陣営メンバーとの対決って相当アツかったですね)
■落ち椿
無事に鎮圧が終わって以降もメテオの詠唱はありましたよね。3日目(4日目)もそうだったと思われますが、シャウトでもリリィさんと少しロールした通り、マントポワヴレは以降メテオ狩りに参加していません。
(オオスミさんには事前に根回しされていたため、どちらにせよ手を出す気はありませんでしたが、ほしのこちゃんなどはそうではなかったため本来は襲撃対象のはずでした)
少し遡って鎮圧後の深夜、これには相応の理由がありました。
連絡が取れなくなって久しいツバキさんが、旧拠点近くの分断された橋に佇んでいるのを見つけたのです。
ただならぬ雰囲気。当然止めようと声をかけますが……
ツバキさんが思い詰めているのは、最早フタハナの実現は現実的でなくなったから。
書き置きに残していたメリッサの「マイナスから始めればいい」という持論は、まったく的外れなものでした。
彼女が、"彼"の願いはずっと今のままの自分で居たいという、マントポワヴレとは全く逆のものだったのです。
自分の行いが結果的に、守るべき対象の夢さえも挫いていた事を思い知らされながらも、マントポワヴレは三度にわたって彼へ手を差し伸べます。
そしてそれでも彼が勇気を振り絞れない時は、せめてそうさせた責任は取りたいと告げました。
結果として
提供 鳥瑚 様
それが最後の冒涜になりました。
落ちた椿を抱えて慟哭するマントポワヴレは、以降退場する時まで誰一人冒涜せず、彼を埋葬した旧拠点でじっと時が過ぎるのを待っていました。
自分は何のために戦っていたのか。
抗ってはみたものの、結局蛇足は蛇足でしかなく、いたずらに多くの願いを冒涜してしまっただけなのではないか。
バディを巻き込んでまで行った行為の意義について、いくら考えても応えてくれません。
応えてくれる相手は、この手で冒涜してしまったのですから。
■彼女たちのドラマ[プロムハニィ&仮面]
時間軸はさらに遡りまして。
まとめログにもプロムハニィさんの詠唱を取り上げていましたが、実は彼女との付き合いはただの取引に留まりませんでした。
その後も武器供給などでお世話になっていた彼女からは、しきりに大型免許の納品をせがまれるようになります。
その時点でPL視点からは、「特定のマスタリアイテムを強く欲しがるという事は全装備可能を持っていない」「ハチロクなどAgirityの上がる乗り物マスタリの外付けを欲しがるという事は魔術師」というあたりをつけていましたが、実際にロールでもその本性を垣間見せる一幕がありました。
魅了を解除するために彼女をビンタした折、プロムハニィさんの別人格が一時的に現れます。その内容は要求を叶え"事"が動き出した時は、その手で止めてほしいというものでした。
この時点でマントポワヴレも彼女の目的を確信していましたが、依然として協力を続けていました。
その理由は、実際にヤミーステーキを介して大型免許を納品した(後述するマリヱさんのお世話になりました)際、プロムハニィさんから「あなたは私に何を望みますか?」と尋ねられた時に答えてます。
「あなたのエゴを貫いてください」
マントポワヴレは、自分の冒涜的行為がただのエゴであると知った上で敢行しています。
だからこそ敵対するであろう彼女の行いも自らの手で未然に止めるのではなく、実行させた上で冒涜したいという想いを抱いていました。
全てが終わった後、マントポワヴレはシャウトにて"通常の言語"で会話している仮面さんを見つけます。
これは後から知った事ですが、仮面さんの呪いを解くために必要な愛。それを与えたのは他ならぬプロムハニィさんだったそうです。
彼女のメテオは結局失敗に終わりましたが、衆目とは別にかけがえのないものを見つけられたドラマの片鱗に奇しくも触れていたようです。
どういった馴れ初めがあったのか非常に気になるところですね。
■彼女たちのドラマ[マリヱさん]
今回僕はステルス参加をしておりましたが、その過程でキッドさんのイラストを描かせて頂く事でマスキングを図ったりしておりました。
しかしキャラクターリストを見ると何とも奇妙です。マントポワヴレと、キッドさんと、明らかにもう一人、なんか僕っぽい絵柄のキャラクターが居ます。
「え、誰これ」
描いた覚えがないのに、塗りのクセが酷似しているマリヱさん。
それだけなら偶然塗りが似ている方が参加されているだけかもしれません。
(こわいので)あまり考えずに過ごしておりましたが、
なんとマリヱさん本人からメッセが飛んできました。
まだその時はステルス解除していなかったのに。
恐怖体験のあまりチビりそうでした。
しかし彼女、見た目ほど恐ろしいお方ではなく、むしろこちらの願いを聞くや否や協力的な姿勢を見せてくれます。
お互い必要なものがあれば融通し合う協定を結ぶまで至りました。実際のところ、前述したプロムハニィさんへの大型免許は彼女の伝手で入手し、ヤミーステーキ経由で取引を行えました。
別れ際には知ってか知らずか、メイド服と蝋の羽を身に着けロベラ君そっくりの姿を見せてくれるなど、なかなかにくい演出をしてくれます。
「なんか怖いおねえさんだったけど、良い人だったな……」
では終わらないのがマリヱさんという人物でした。
ツバキさんへの最期の冒涜を行っている最中、周囲ロールで彼女たちのロールも見えてきます。相手はマントポワヴレにも呪詛をかけた、バディを付け狙う丑の刻参りマン。
彼の願いはバディの片方だけを地獄に引きずり落とす事でした。凶刃に倒れる彼のもとに、マリヱさんが寄り添います。
しかしそれは彼を救うためではありませんでした。彼の願いをよく覚えていたマリヱさんは、バディを組んだ自分達をカップルと見做し、彼に対し包丁を"使用"したのです。
嘘がなによりも嫌いなマリヱさんは彼に迫ります。それがあなたの願いだったはず。そうでしょう?ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ
ねえ?
いやめちゃくちゃこわい。
某動画チャンネル主ドクターオリネに対しても低評価の代わりに呪詛スパム連打してましたし、むしろどうして此方にはああも親切にしてくださっていたのか疑問を抱くレベルの怖さです。
今回手ごわい相手は多数存在しましたが、彼女はまた違う意味で敵に回さなくてよかったと思える相手でした。
■エンディング?
最終日を終える少し前、バディのエンゼルランプくんが帰ってきました。
少し離れたところで草笛を吹く彼を後目に、此方はツバキさんを埋葬した墓前に座り込み、再開発が完了しつつある元廃墟を湖越しに眺めます。
そこに現れるノストスくん。恐らくはオブラビィくん関連の報復攻撃でしょうか。しかしマントポワヴレは抵抗しません。
二度に渡る襲撃で瀕死の重傷まで追い込まれますが、彼はそれを以て"贖罪"は完了したとし、此方を殺害するまでには至りませんでした。
あらためて、自分がやってきた罪の重さを実感します。
提供 Ci 様
バディにバレないよう治療を済ませ、ようやく合流します。
そして最後にシャウトへ向けて撤退宣言をし、八つに増えた墓に向けて蜘蛛の鋼糸を使用するのでした。
かくしてミッションは果たされ、気絶しているテュルヌちゃんを抱え三人でブーケを使用しました。
記憶を失った彼女と、エンゼルランプ改めロベラくん。これからはその二人だけでなく、冒涜的な生還を果たす過程で背負った罪と共に生きていく必要もあります。
「ただマイナスに堕ちていくだけの人もいるってこと、忘れないで」
その言葉を噛みしめながら生きなければなりません。
■TrueEnd
物語はそれで終わったわけではありません。
マントポワヴレはフタハナ島から立ち去る前に、ふたつの希望を残していました。
あれだけ熾烈な戦いを経てなお救いの手を差し伸べてくれた人物。ズィリャちゃんの動向が気になっていた為、意を決してメッセージを送る事にしました。
そこでようやく勘違いに気づきます。彼女はメテオ狩りに奔走するマントポワヴレが気になって過去視の能力を用いただけで、呪詛はその副産物に過ぎなかったのです。
彼女には虐げられていた過去があり、元の世界に帰る事は彼女の希望には繋がらないそうです。
否が応でもツバキさんのことを思い出してしまいます。
自分にその資格はないと分かっていても、やっぱり手を差し伸べてしまいます。その先にマイナスしかないとしても、共に旅を続けていればいつか安息の地に巡り合えるはずと。
ダメで元々でしたが、彼女は勇気を出して手を取ってくれました。
マントポワヴレ達はブーケで帰還しますが、彼女には船に乗ってマルセイユを目指すように言います。
そこで再会を果たせる事を信じて。
一方で、彼女には次のようなお願いもしていました。
ツバキさんの墓に手向けをしてほしい。
そしてもし彼が望むのであれば、蘇生を施してほしいと。
それはマントポワヴレなりの悪あがきでした。
マントポワヴレは既にエンゼルランプくんと共に島を去っていましたが、同時期に案内人から契機となるアナウンスが流されます。
願望器は初めからなかった。この争いに意味はなかった。
どよめくのは何も生きている者ばかりではありません。
ここにきてツバキさんは、自分の死に疑問を抱き始めたのです。
そこに現れたのは七つの嫉妬であるベーラくんでした。
この島で何を成したのか、何を成そうとしたのか人知れず考えていた彼ですが、椿の声を聴き入れ、口づけを施してくれます。
時を同じくして駆けつけてくれたのはズィリャちゃん。
二人の行く先は同じくマルセイユ。
今度はツバキさんから手を差し伸べ、二人で93,17の港へ向かいます。
先んじてこの島から去ったマントポワヴレ。もとい、メリッサ・ベルナールドと再会する為に。
提供 鳥瑚 様
実際のところ、僕は退場してからしばらくの間、今回このキャラクターで参加して良かったのかずっと考えていました。そしてその答えは出ないまま、彼らのロールを見守っていました。
ツバキさんは生還を果たしましたが、夢が叶ったわけではありません。時間は残酷に流れていき、彼を男性らしく成長させてしまうでしょう。
ズィリャちゃんもまた然りです。マルセイユで再会できるか不透明ですし、できたとしても、彼女がそれまで受けていた苦痛を払拭できる程の生活は保障できません。
推定14~17歳のエンゼルランプくん=ロベラくんが最年長。誰も成人していない若年層の集まりですから、相応の苦労が待っているでしょう。
まさにマイナスから、ゼロへ迎えるかもわからない生活が始まるわけです。
しかしながら
それでも僕はマントポワヴレを今回参加させてよかったと思います。
正確には、彼らのおかげでそう思えるようになりました。
蛇足でも救える命はあるし、メリッサもまた彼らに救われたのですから。
■仮面舞踏会フタハナ
観測範囲が広がれば広がる程、"認知しているが交流はできなかったキャラクター達"というものは確実に増えていきます。
また、これはこのゲームに限った事ではありませんが、ある程度コネクションが形成されてくると人は"自分の気質に合うプレイヤーと交流する"ようになります。
しかしフタハナでは(皆が皆というわけではありませんが)積極的に新たな縁との巡り合わせを期待し、努力し、取り組んでいらっしゃるように思えます。
今回体験してみた、一見仮面舞踏会のようなステルス参加。それもまたその一環であり、色眼鏡のない新鮮な環境で遊びたくてそうしているの(かもしれない)だなと実感しました。
ごく短い期間で行われる濃密な喜劇と悲劇。基本的にそこが終われば参加していたキャラクターの物語もおしまいです。
しかし僕の個人的な創作スタンスですが、僕が最終的に見たいものはドラマが終わった後のキャラクター達の平和な営みであり、そういった意味では今回交流させていただいたキャラクター達の物語もようやく始まったという認識で居ます。
それらをここで語る事はないですが、そういった未来の出来事を共有する事もまたひとつの楽しみ方だと信じています。
提供 くりぐ 様
少なくとも僕は今とても楽しいです。
提供 木製柵 様
・ログまとめhttps://twitter.com/TsukumoShiki/status/1240620584507043846