蛮族とお花と『Stroll Green』
■これお花育てるゲームなんですよ
定期更新ゲームはそのタイトルごとに様々な世界観を持ち、
そこに登録されたキャラクターは
何かしらの理由と手段を以て戦う事となります。
カードを用いたり、
異能を行使したり、
グレムリンに搭乗したり、
アーティファクトの力を借りたり、
バディと一緒に禍々しい双剣を振り回したり……
『Stroll Green』ではストロールフラワーという、
島の中でのみ特殊な力を持つ花を用いて戦う事になりますが、
ショップに売られているのは栽培キットと種であって
ゲーム内通貨により花を購入する事はできません。
したがって、花はプレイヤーが育てる必要があります。
普段は剣と盾を持って戦う人も、
この時ばかりはジョウロやスコップを持って花のお世話するわけですね。
花を使用する事により新たなスキルが使えるようになる設計上、
一部例外(後述)を除いて花のお世話は必ず付きまとってきます。
一日一回支給されるAPを消費して、敵を倒しドロップアイテムを漁るか、
花壇をいじりに行くか、休憩して体調を整えるか
選択していくのがこのゲームにおける日常となります。
■[タイプ]というシンプルかつ奥深い役割《ロール》
多くのタイトルにはステータスという概念があり、
その割り振りやスキルの構成によって
あなたが登録したキャラクターの
役割《ロール》が決まってくるかと思われます。
敵を倒すアタッカー、
味方を守るタンク、
ヒーラー、バッファー、デバッファーなど
そのキャラクターにふさわしい役割を遂行することになります。
『Stroll Green』においてもステータスは存在しますが、
それとは別にもうひとつ、[タイプ]という概念があります。
このタイプはそれぞれ特殊効果を持っています。
闘志ならたまに力いっぱい殴ってとんでもなく高いダメージを出します。
頑丈ならたまにダメージをほぼカットして被害を抑えます。
キャラクターセレクト画面でも表示されるため、
一目でそのキャラクターの役割をある程度把握することができます。
■これ麻雀するゲームなんですよ
それだけじゃ物足りないあなたへ朗報です。
役割をはっきりさせるタイプですが、
これ同時に複数のタイプを発動させることが可能です。
ストロールフラワーを使用して得たストロールスキルには、
必ず[タイプ]と[特性]がセットで付属されます。
ここにあるタイプは特殊効果とは別に、
使用スキル欄にセットするとタイプ毎に
対応したステータス補正を得られます。
(例えば闘志なら少しずつ物理攻撃力と魔法攻撃力が上がります。累積可)
それだけでなく、同じタイプの花を4つセットすると、
メインタイプとは別にもうひとつタイプを発動させることができます。
頑丈で攻撃を凌ぎ、時に華麗で絶対回避をするキャラクターや
支援でステータス強化スキルの性能や成功率を上げつつ、闘志で火力を出すキャラクターなど
あなたがイメージする登録キャラクターの特性をより詳細に再現できます。
スキル枠は最大で16個まで増やせるため、慣れてくるとこんな事も。
ご無礼ツモりました。
平穏 闘志 増幅 庭師 親っ跳ねは6000オールでトビですね。
それぞれ違う傾向のタイプを組み合わせて汎用性を持たせるか、
似たような傾向のタイプを集めて一芸に特化するか、
どのように組むかはあなた次第。そこは他のタイトルでも同様ですね。
麻雀を引き合いに出しましたが、他人の牌を啼く事は基本できません。
花によっては特定のタイプが必ず出るものもあるので自力で揃えてどうぞ。
■キミだけの[特性]チョイスで差をつけろ
前述したとおり、ストロールスキルには
[タイプ]と[特性]が必ず1つずつついています。
[特性]とは追加効果のようなもので、
そのスキルの性能に+αの恩恵を与えます。
[回復]特性ならそのスキルの回復部分を大幅に強化します。
[重撃]特性は敵の防御を一部無視するようになります。
[猛毒]特性は攻撃部分に猛毒の付与、回復部分に猛毒の解除が付属します。
これら特性とタイプによって、
同じスキルでも全く別の挙動を示すようになります。
なお、これらのタイプと特性は、品種改良により変更することができます。
品種改良には素材となるストロールスキルを消費する為、
同じ花の同じスキルを複数個使っても無駄になりません。
大量の花壇から生産される花がただ廃棄されるような
哀しい現場は見なくていいということですね。エコだよそれは。
■何もかもが自在となる
あんまりシステム面の細かいところを話しても
プレイしていない人にとってはピンとこないので控えたいところですが、
ちょっとバッドステータス一覧だけでも見てくださいよ。
すごく、えげつないです。
連続行動が不発する麻痺に、スキル自体が不発する沈黙。
命中率と回避率ががくっと下がる不幸。
定期更新ゲームをプレイしたことがある人なら
目を覆いたくなるような効果が目白押しです。
この中では比較的マイルドに見える炎上ですら、
少しずつ減衰していくものの
動く度に最大HPの1割ずつ削れていくという破格の性能です。
しかしこちらが使用できるスキルも大概狂っているので、
考えて組めばこれらも気にならなくなるようなバランスに仕上がってます。
基本的に弱体化(ナーフ)よりも強化改訂で
バランスを取ろうとされているような印象なので、
要はゴリラになればだいたい何とかなります。
ただ、これらのえげつないバッドステータスや
アッパー調子な調整が問題になりにくい理由がもうひとつあります。
このゲームキャラステータスも自在に振り直せるんですよ。
勿論リソース消費しますけどね。
前述したとおりストロールスキルの[タイプ]や[特性]が自由に変えられ、
その上ステータスも変更できるとなると、相応の準備こそ必要ですが、
パーティーの仲間を癒すアイドル系少女が
一夜にして暴力教会の姉御としてライフル振り回せるようにもなります。
もちろん、そこまで極端な事しなくても、
躓いた敵に対応するため少し振り直すという事も可能です。
キャラクタービルドの自由度が非常に高いという点。
個人的にこのゲームを構成する大きな魅力のひとつだと思います。
■これ蛮族するゲームなんですよ
最初の項で、
「一部例外(後述)を除いて花のお世話は必ず付きまとってきます」
と記載いたしました。
花はショップに売ってないので、
基本的に花を揃えるには自分で育てるしかありません。
しかし同時に、花のお世話をしているだけでは
手に入らないものも多くあります。
散策によって手に入るドロップアイテムです。
店でも売られていない花の種。
スキルの発動タイミングを増やせる札などですね。
時間が経てば店に並ぶようになることもありますが、
仮にそうなってもゲーム内通貨は有限なので
全てを買いそろえる事は難しいかと思われます。
そこで散策に特化した蛮族の出番です。
彼らが新規エリアを開拓し、得たアイテムを市場に流します。
こうすることで花壇勢は新規アイテムを、
蛮族は新しい花などを入手することができます。
うまく回れば不得意な作業に携わらなくてもよくなるわけですね。
■でもやっぱり花を育てるゲームなんですよ
それだと戦闘で目立ててアイテムも手に入る蛮族有利なのでは?
そう思われるのもごもっともですが、
実はそういった風潮をひっくり返すタイプがあります。
タイプ 庭師
一番最後に登場したタイプであり、
効果は戦闘面・育成面両方で発揮するものになっています。
ところでこのゲームには[花図鑑]というものがあります。
これまで育ててきた花に関する情報が
どんどん増えていくいわゆるコレクター要素なのですが、
庭師の戦闘面恩恵は花図鑑の埋まり具合に比例します。
しかも一定のボーダーを超えるととてつもなく強くなります。
どれくらい強くなるかというと
それまで花壇に興味のなかった蛮族たちが
こぞって花図鑑を埋め始めるくらい強くなれます。
途中参加キャラクターを除き、
花壇は更新時にしか増やせないため、
花壇をより沢山持っている人ほど埋めやすくなります。
二毛作的に作った花を取引に出して稼ぐ事もできるでしょう。
蛮族プレイもいいですが、
これまで如何に花と向き合ってきたかで
報われる度合いが変わるという要素は
個人的にかなりアツいと思うのですが、如何でしょうか。
■『Stroll Green』RTA、ハイ、ヨーイスタート
この記事を読まれているということは、
恐らく第11回目更新が終わったのだと思います。
このゲームひとつだけ問題がありまして、
第13回目更新をもって最終回となるんですよね。
「え、じゃあこれまでの記事なんだったの?」
「あと2回でおわるじゃん!今から始めても遅いじゃん!」
「時間返せワカメ野郎!」
だが待ってほしい。定期更新ゲーム界隈に居る方ならば、
テストプレイ終了後も公開され、
依然としてプレイ可能なゲームをご存知のはず。
そう、アーティファクトと核を振り回すゲームですね。
『Stroll Green』もまた、
第13回更新後もしばらく遊べるようにするとの声明が出ています。
また、以降入手できなくなるはずのゲーム内通貨についても
入手する方法を検討してくださるそうです。
これから登録される方には大量のAPというリソースがあり、
戦闘画面で更新回数に比例したボーナスを受け取ることができます。
(ステータスだったり花壇だったり、選択できます)
したがって登録後即座にボーナスを受け取り、
気になるキャラクターをリンクすれば、
超高速でステージを周回することができます。
新しいステージを開放する条件を満たし、
その道すがらスキルを揃えて行けば、
然程時間もかからず最前線のキャラクターに引けを取らない
マッチョガーデナーに仕上げる事も可能です。
この記事を見て興味を持った方は、是非一度プレイ……
といってもこの定期更新ゲーム群雄割拠の時代に
時間を確保するのは困難極まると存じ上げます。
なのでまずはキャラクターリストだけでもどうぞ。
あなたの推しが居るかもしれません。
そしてもし推しとなるキャラクターが居れば、
その時干からびた我々の内奥から
原理不明のエナジーが満ち溢れ、
そして……
そして気が付いたときには推しにいざ絡まんと迫る
筋肉ムキムキマッチョマンの変態に
仕上がっているだろうと信じている。
我々はそういう生き物だと信じている。
彼らもおれを信じている。