第80回記念定期演奏会③
今回は、2018年12月に開催された第80回記念定期演奏会より、第3部で演奏された曲をご紹介します。
いよいよクライマックスです!
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Orient Express
作曲 Philip Sparke
オリエント急行は、ヨーロッパを横断する豪華列車の旅を彷彿とさせる楽曲です。
ロンドン・ヴィクトリア駅で、見送りや物を売る人々で溢れる賑やかな様子を表現した、華やかなサウンドで幕を開けます。
笛の音を合図に列車が発車し、次々と楽器が増えて徐々に速度を増していきます。
規則的に回る車輪のような中低音の伴奏、木管楽器の軽快なメロディー、高温楽器による汽笛のようなモチーフが現れ、列車の旅は進んでいきます。
故郷を懐かしむような繊細で哀愁漂う旋律や、重厚感のあるフレーズ、そして夢のような美しいメロディーが続き、道中の様々な場面や乗客の心情を感じることできます。
最後には列車が停車し、オリエント急行の旅は終わりを告げます。
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Poeme Montagnard
作曲 Jan Van der Roost
モンタニャールの詩は日本語で訳すと「山の詩」となります。
モデルとなっているのはイタリア北西部のアオスタと呼ばれる州都。
南アルプス山脈の麓にある自然の美しい街です。
フランスとスイスの国境に位置し、アルプス越えの重要な中継地であったため、アオスタをめぐって幾度となく侵略や戦争が繰り返されました。
この曲では、アオスタの雄大で厳しくもある自然やアルプスの山々の情景に加え、多くの侵略と戦争の歴史、かつてアオスタを治めた女性 カトリーン・ドゥ・シャランの姿など、その地に生きる人々の育んだ歴史や文化を感じることができます。
ヤン・ヴァン=デル=ローストの代表作の一つであり、魅力溢れる壮大な作品です。
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第80回記念定期演奏会の第3部で演奏した2曲をご紹介致しました。
どちらの曲も魅力に溢れ、その感動は言葉には言い表せません。
この機会に、ぜひ一度聴いてみてください。
次回は2019年6月に開催された、第81回定期演奏会で演奏した曲をご紹介いたします。
お楽しみに!