生物学類 単位認定について

この記事は生物学類向けの記事になります。



はじめに

 この度は筑波大学 生命環境学群 生物学類の編入試験合格、本当におめでとうございます。編入についての情報や同じ編入を志す仲間が少ない中、今まで頑張ってきた皆さんの努力が合格という形で報われて本当に嬉しいです。春に筑波でお会いできる日を今から楽しみにしています。

新たな大学生活への期待も膨らむ中、入学後のスケジュールや単位認定についてはインターネット上にあまり情報がなく、今後必要だろうということでこの記事を書くことになりました。

入学後のスケジュールについては大まかには他の学類と同じであり、情報科学類向けの記事に詳しく書いてあるのでここでは割愛させて頂きます。また、2023年度編入学者用に作成した冊子のPDFファイルがとても分かりやすく大学生活全般についてまとまっているので是非見てみてください。

・編入生のためのファーストペンギンセミナー2023


 本記事では主に生物学類の単位認定についてできるだけ詳しく書きたいと思います。
本記事はR5年度に高専のマテリアル・バイオ工学コースから生物学類に二年次編入した学生が書いています。卒業要件、単位認定の仕方などは年ごとに変わる可能性が大いにあり、必ず自分の年の履修要覧を確認することをお勧めします。また、三年次編入や大学の生物系学科出身の方とは単位認定の結果が大きく異なるため、結果については参考程度に見て頂けるとありがたいです。

記事について質問や疑問ありましたら筑波大学編入生の公式X(itf_hennyu2023)まで連絡頂けると返せると思います。
あなたの残りの高専、大学生活が悔いなく楽しいものになり、筑波大学での新たな生活がそれ以上に楽しいものになることを心より願っています。

単位認定について

 他の学類と同じように、配布されるExcelファイルに高専や大学で取得した単位と、それに合致するような授業を見つけて記入していくのが主な作業になります。

生物学類は他の学類に比べ単位認定の基準が厳しい印象がありますが、その分サポートは厚いです。前年度に編入した先輩や、担任の先生が助けてくれます。

(用意するもの)

卒業に必要な履修科目及び修得単位数の表(生物学類)
履修要覧に書いてあります。履修要覧は入学後配布されますが、インターネット上でも確認できます。「卒業に必要な履修科目及び修得単位数(生物学類)」は「5-2 学内諸規則等(履修細則等)の」のP.202に載っています。

この表を元に単位変換を考え、また卒業要件を満たすように今後の履修も組み立ていきます。

記事作成者は二年次編入のため、R4年度に入学した人たちと同じ卒業要件であり、今の一年生(R5)年度とは卒業要件が異なります。来年度二年次編入する方はR5年度入学の一年生と同じ卒業要件であり、この記事の表とは博物館に関する単位の扱われ方が少し異なるので必ず自身の履修要覧で卒業要件を確認してください。

成績証明書
担任の先生が提出した成績証明書を元に適用できる単位とそうでない単位、その単位がどの科目群にあたるのかを予め分けてくれます。それを元に合致しそうな授業を自分で見つけExcelファイルにまとめていきます。

ここからは高専生に向けた話になります。
単位変換において基本的に1~3年生の単位は使えません。あくまで大学一年生、二年生にあたる4,5年次の単位が対象になるからです。我々が血反吐を吐きながら4日で13科目とか頭のおかしいスケジュールで受けたテストに含まれる微分積分や線形代数、有機化学などは基本的に水の泡になります。
改めて後述しますが、応用数学や高分子化学といった直接は合致していない単位を線形代数や微積として変換していくことになります。

・KdBっぽいなにか
大学で開講されている授業一覧を検索できるシステムです。キーワードや科目番号を入れるとそれと合致した授業が出てきてシラバスを確認できます。
UIが公式のKdBより使いやすく、お勧めです。


※卒業に必要な履修科目及び修得単位数の表について

 まず、卒業に必要な履修科目及び修得単位数の表(生物学類)について解説します。画像を見ながら読んで頂けると嬉しいです。

単位は基礎科目と専門基礎科目、専門科目に分かれており、科目は選択科目と必修科目の二種類に分かれています。
基礎科目と専門基礎科目を1〜2年生で履修していき、2〜3年生で専門科目や専門実験を履修するイメージです。
また、科目群ごとに単位数の下限(最低この数は履修してね)と上限(この数以上とっても単位として認めないよ)が決まっています。Ex. 関連Aの9~31
単位認定するときは画像で色がついている部分である基礎科目と専門基礎科目の一部を主に埋めていくことになりますが、基礎科目の下限数まではなるべく認定しておきたいです。このパズルを埋める作業が単位認定のめんどくさいところです。

それぞれの科目群とその単位認定について解説します。
色がついているところが主に単位認定できる場所です。
専門科目や専門基礎科目の一部は2〜3年生で取る科目であったり、必修として大学で受けて欲しいという理由があったりすることから単位認定が難しい場合が多いです。

ピンクは専門基礎科目であり、〜概論と基礎生物学実験が単位認定できます。
一年生が受ける必修科目であり、ここを多く認定できるとスムーズに専門科目や専門実験が履修できます。R5年度は高専から二年次編入した編入生が私を含め二人いますが、どちらも単位認定できたのは分子細胞生物学概論のみでした。他の生物系学科出身の編入生は4〜5つほど認定できている人が多かった気がします。基礎生物学実験についても高専出身者は単位認定できませんでした。生物系学科出身者も基礎生物学実験Ⅰについては必ず履修する感じでした。

赤は基礎科目の中でも関連Aと呼ばれる理系よりの科目群を表しています。最低9単位、最高で31単位まで履修することができます。
ここが少し複雑なのですが、関連Aの中にさらにCoreと呼ばれる科目群が存在します。そしてこのCore内の科目から最低6単位は履修する必要があります。Coreは最高28単位まで履修することができます。
Coreの6単位を入れて、関連Aが最低9単位以上になっていれば関連Aの取得要件は満たしていることになります。
単位認定の多くはこの関連Aにあたる科目であり、最低の数を超えないことはないと思いますが、Coreはなるべく6単位分認定していきたいところです。

青は基礎科目の中でも関連Bと呼ばれる文系よりの科目群を表しています。最低の6単位まで認定できると嬉しいです。

緑はその他の必修の基礎科目を表しています。学問の誘いについては単位認定できず、必ず受けることになります。
体育について少し解説します。
体育は基本的に一年生と二年生で一年かけて1単位ずつ取る方式になっています。
単位認定の都合から基本的に編入生は二年生で受ける応用体育という科目を履修する必要があります。
二年生で受ける応用体育という科目は一年かけて同じ競技をする科目であり、春学期と秋学期で同じ日、同じ時間に授業が入っています。ここで春学期は大丈夫でも秋学期に必修科目が重なるという事案が発生することが多々あり注意が必要です。
自分は手続きすることで、春は受け、秋学期の分は来年の秋に履修するという方式にして頂きました。同じ二年次編入のもう一人の方は今年体育取ることは止め、来年に受けることにしていました。
外国語や情報も単位認定できない場合は必修のため受ける必要があり、概論と被ることはありませんが、専門科目を履修できなくて辛かったりします。

(単位変換のやり方について)
単位認定の具体的なやり方について解説します。
基本的には色付きの部分の単位と自身の単位を見比べて、パズルを埋めていく作業です。
選択科目についてはひたすらKdBでそれっぽいキーワードを入れたりその科目区分の科目番号を入れたりして探すしかありません。シラバスの内容が完全にあっていなくても大丈夫ですが、他の学類に比べ生物学類は厳しく見られている印象です。

前述した通り、高専生は3年生までの単位は基本的に使うことができません。そのため、微分積分のところに応用数学を入れたり、有機化学のところに高分子化学を入れたりと完璧に合致する単位があるにも関わらず諦めなければいけない歯痒い思いをすることになります。また、卒業研究はバイオ系のテーマであれば認定することもできたはずです。

単位は1対1対応する必要はなく、2.0単位の授業に対して、高専(大学)時代の二つの1.0単位授業を使って認定するといったことも可能です。
また、「認定単位数>認定に使う単位数」になっていれば高専3年次の単位も混ぜ込むこともできます。

個人的には負担の少ない順でピンク→緑→青→赤の順でExcelファイルを作っていくと良いと思います。Excelファイルができたら担任の先生にその都度見てもらい、コメントを頂き直していく感じです。高専(大学)時代のシラバスと大学のシラバスのにらめっこがずっと続きますが気合で頑張ってください。先生がコメントしてくれるので最初はあまり考えず楽観的に「まあいけるだろ」とあまり内容が合っていなくても丸投げしてみても良いと思います。

以下に自分の最終的に提出した単位認定の表を載せます。参考程度に見てみてください。結果的に41単位を認定することができました。三年次編入の方は70~75ぐらいだった気がします。本当に曖昧な記憶なのであまり信用できる数字じゃないです。

履修について

 二年次編入か、三年次編入か、学芸員や教職を取ることを考えているか、大学院に行かず就職することを考えているかなどの条件によって人によって全然履修の組み方は違ってきます。
基本的には3年生までで単位をほぼ取り切り、4年生は卒業研究のみにするのが理想とされています。
生物に関わらず自分の受けたい興味のある授業を取っていければ理想ですが、専門科目も40単位以上取らないといけないわけで、時間割を埋めようと思うと結構色々制約があり難しかったりします。履修で悩むのも一つの大学の楽しみと考え、入ってから色々一緒に悩みましょう。履修が確定するまでは取り消しもできるので、一度入れてみて授業に出て忙しすぎたり難しすぎたりしたら消す感じで良いと思います。
また、生物学類は実験・実習科目を最低4科目履修する必要があります。(「卒業に必要な履修科目及び修得単位数の表」の右下に小さい文字で書いています)
実験実習についてはGPAを元に既に抽選が行われており、編入生と総合学域からの移行生は7月以降に改めて希望調査が取られ、秋学期から実験実習に参加することができます。しかし、先生に直接交渉し、春学期、夏休業中から実験実習科目に参加することも可能ではあります。できるだけ早めに直接交渉し参加した方が良かったと少しここは後悔しています。

その他知っておくと便利かもしれないもの

 大学生活で必要なwebツールを紹介します。
「Twins」→「履修登録できる君」
「KdB」→「授業内容わかる君」
「manaba」→「授業できる君」

(https://twitter.com/TachiFish_T/status/1512200061266305027)より引用

「えりたん」→「場所わかる君」
「Twin:te」→「時間割作れる君」

「Twitter」
筑波大学はTwitterが盛んな大学なため、苦手でなければ入れておくと面白い授業やイベントが流れてきたりして便利だったりします。
T-ACTのこの活動も自分はTwitterを通して知りました。

おわりに

 書きながら自分の4月5月を思い出してました。
冗談抜きでこれまでの人生で一番忙しい2ヶ月で、常にアドレナリンが出ているみたいな感覚で「なんで俺まだ頑張れてるんや?」と自分でも不思議になりながら頑張ってた記憶があります。ちゃんとその後絶起を繰り返すダメ大学生に成り果てましたが、まあ大抵そんなものです。

今ある高専生活、大学生活を悔いなく終われるように、これ以上ないくらい思いきり楽しんで欲しいです。たくさん頑張ったあなたのこれからにたくさん楽しいことがあることを心より願っています。

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