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卒業後の未来、とても明るいです。 この2年間で得た学びに勝るものはないと思います。

(この記事は5分で読めます。)

写真:琵琶湖 (滋賀県)

この記事は筑波大学理療科教員養成施設が

在学生の声をまとめたものです。

Date:2020/2/20

西川 恭史さんへのインタビュー

大学生活の経験のある彼が

未来の展望は明るいと語る施設について

教えてくれました。

出身学校 滋賀県立盲学校

2018/4 入学(推薦入試合格)

2020/3卒業

2020/4 就職 教員


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インタビューした人・記事を作成人

Kubota Satomi 

はじめに

西川さんはメールでも対面でも

いつもきちんとされています。

インタビューをお願いしたのも

多くの情報を提供いただけるだろうと考えたからですが

情報の正確性、正しい言葉での表現、

西川さんへのインタビューで

知らなかった多くの事を知ることができ

その後の他の学生へのインタビューでは

専門的な言葉や、深い内容も聞き取れるようになりました。

人を成長させる方だなあと感じました。

西川さんの下で勉学に励まれる学生が

今後、続々と本施設へ入学されると思うと

今から楽しみです。

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注1):理療科とは盲学校・視覚特別支援学校高等部等に置ける、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師を養成する課程の事です。本学本施設は理療科教員養成課程です。
注2):あはき師とはあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師を指します。

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きっかけと勉強法


Q.1本施設に入学されるまで、高校、大学進学から滋賀県立盲学校を経ていらっしゃいますが、どの時点で自立教科の教員を目指されたのでしょうか。またその理由も教えてください。

滋賀県立盲学校の理療科に入り、先生方から教員養成施設を勧めていただき、意識するようになりました。注1)理療科に入学したのは父の影響です。父も同じ眼疾で、滋賀県立盲学校で理療について学び、注2)あはき師の免許を取りました。小学校の時に眼疾は分かっていましたので、私も遠からず、理療科へ行くものだと考えていました。また、自分の好きな事を活かして教壇に立てるというのは、とても魅力的だと感じたからです。


Q.2理療科時代は臨床に直結する話は特に熱心に聞いていたそうですが、推薦入試の試験勉強はどのような事をしていましたか?またお勧めの勉強法はありますか?

推薦入試の試験方式は理療科の先生方から聞いており、小論文・面接に関してご指導いただきました。小論文は10作ほど、面接は3度ほど見ていただきました。
自分で行った対策は、携帯機器やPCを使い、通学中や隙間時間を活用して視覚障害者に関わる情報や、医療情報の収集です。主に点字毎日やヨミドクターなどのニュースサイトを活用していました。
これらは試験で書く・話すネタ作りになります。記事を見るだけでも活字に触れる機会が増え、小論文に活かす事ができます。毎日気楽にでき、おススメです。
また、理療科の先生方から臨床の体験談、視覚障害者のあるある話、盲学校の現状など様々な話を聞く機会があると思います。それらの内容を覚えておくと、面接の時に役立つと思います。

しっかり準備、効率的な学校生活


Q.1西川さんが学生時代に借りていた部屋は家賃2.5万円でキャンパス徒歩25分。 どんな物件だったのでしょうか。また部屋探しのコツは何ですか?


インターネットの物件検索サイトで見つけました。学生限定の物件で元々は寮として使われていた為、シェアハウスのような感じでした。エアコンと押入れのみの六畳のフローリングで、他は共同で使います。本学の附属視覚特別支援学校の近くにある為、教育実習の時はアクセスがよかったです。
部屋を探す時は、キャンパスまで徒歩圏内がお勧めです。満員電車はもちろんですが、夜盲、視野狭窄、視力低下による歩行の難しさなどの通学時のストレス軽減が主な理由です。
それでも、東京の公共交通機関の運賃は高くないと思います。学割も発行されますし、東京都の住民票と身体障害者手帳があれば都営のバスや地下鉄は無料です(都営交通無料乗車券)。その他、住民票が対象の区にあり条件を満たせば心身障害者福祉手当・難病患者福祉手当を受けられる可能性もあります。それらを活用して安い物件を探すなら、池袋より西の練馬区や埼玉の和光市が定期代も月5千円程でお勧めです。


Q.2徒歩圏内がやはり1番お勧めとのことですが、他に重要視すべき条件は何ですか?

家賃は1K・ワンルームで5万円〜8万円程(2020年現在)がいいと思います。先に述べた、通学時のストレスを考慮しても春日通り沿い(キャンパス最寄りの茗荷谷駅前の通り)の物件は通学しやすく、生活に必要なお店や外食にも困らないと思います。教育実習(1ヶ月半程)先へもバスで通えます。ある程度歩行に不便がなければ、路地物件や私のような徒歩30分程の所でも良いと思います。


Q.3理療科時代、様々な運動で好成績を残されていますが在学中も運動に励まれたのでしょうか。

勉強に集中したかったので、たまにジムに行ったり散歩をする程度でした。他のクラスメイトは頻繁にジムに行っていたので、運動をする時間は容易に確保できると思います。また、キャンパスの隣接施設に文京スポーツセンターがあり身体障害者手帳を持っていれば無料で使える設備があります。
その他、都内に視覚障害者向けのクライミング施設や社会人の視覚障害スポーツチームは色々あると聞きます。スポーツ関連ボランティアの募集の話もよく学校に来ますので興味のある方は是非、参加をお考えください。

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文京スポーツセンターは正門から教育の森を抜けて徒歩3分ほど。


Q.4在学中、マッサージのアルバイトをされていましたが、勉強との両立はどうでしたか?

私は2年生の6月からですが、入学後すぐに始める学生も多いです。勉強との両立が不安であれば夏休みからか、授業のコマ数が減る1年生後半からでも良いと思います。就職活動の面接対策にも効果的で履歴書にも書けるので、この業種のアルバイトはお勧めです。将来、生徒に話す時のネタにもなります。
ただし、教育実習中のアルバイトは無謀ですね。私はその間お休みしました。本施設の学生になられた際は、生徒にしっかり指導ができるよう教育実習に専念してください。

学校生活について

 
Q.1入学してから、戸惑いやイメージと違ったことはありましたか?

理療科の先生方から伺っていたので戸惑う事はなかったと思います。ただ理療科の時は2人クラスだったのが15人クラスになり、新鮮で懐かしいような感覚でした。また75分授業は初めの頃は少し長く感じましたね。

 
Q.2 1年生の授業と2年生の授業の違いは何ですか?

1年次は授業とレポートがメーンのインプット、2年次は1年次での学びを活かし臨床、教育実習、就職活動、卒業研究に励む、アウトプットです


Q.3 理療科教員課程は4人の専任教員と80名近い外部講師による授業で構成されていますが、各分野のエキスパートからの授業はどうでしたか?

専任教員の先生方はもちろんですが、外部の先生方にも、頭痛や腰痛、自律神経系のはり治療、結合織マッサージや、マニュアルリンパドレナージなど、様々な事を教えていただきました。臨床に役に立つ実技や座学が多くありました。教育に関わる事、研究に関わる事なども教えていただき、大変参考になります。


Q.4西川さんがよく見ている鍼に関するウェブサイトがありますね。本施設の専任教員のものだそうですが、どんなウェブサイトですか? 


徳竹忠司先生が※「鍼通電療法ーElectro Acupunctureー 鍼灸師の学びを応援するサイト」というウェブサイトを開設しておられます。EA(鍼通電療法)について非常に勉強になるサイトです。
Youtube配信があれば多くの方に見ていただけるのにと思う程です。興味のある方は是非、ご覧ください。

鍼通電療法ーElectro Acupunctureー 鍼灸師の学びを応援するサイト」

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徳竹先生より:

日本点字図書館発刊の月刊音声テープ雑誌「新医学」において一回20分ほどで身体各部位の診察・触察・刺鍼方法を解説した90編を、点字図書館の承諾の基に音源を公開しています。 時間が経過していますので、現時点では旧式となっている部分があることをご了承ください


Q.5卒業生の意見に「教員養成課程の持つ将来の明るい展望をもっとアピールすべき」という声がありました。今、願書を投函した当時の自分に、展望は明るいと言えそうですか?

とても明るいと思います。教員採用試験に合格できた事も良かったですが、この2年間で得た学びに勝るものはないと思います。教育についてはもちろん、臨床の知識や実技、研究手法等、新しい学びが多くあり、スキルアップできた事を実感しています。
卒業後は教員になる方が多いですが、研究や臨床の道に行かれる方も少数いらっしゃるようです。志しのある方は本施設への入学を強くお勧めします。



受験生へのメッセージ



筑波大学理療科教員養成施設では、主に「教育」「臨床」「研究」について、学ぶ事ができます。さらなるスキルアップを目指している方に、うってつけの場所です。入学試験、頑張ってください!応援しております。


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