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ふらり家族下車の休日
子どものとき、ある町にあったゲームコーナーに入り浸っていました。ポケットモンスターの世界に登場する大きな町、コガネシティです。
ポケモンバトルで集めたおこづかいをコインに変換して、景品に並んでいた強い技マシンに交換するのが目的でした。
スロットには当たりやすい台があって、しばらく遊んでみてあんまり調子が良くなさそうだったら、隣の台に移動してみたりして、目標コインに向けてガンバっていましたね。
ポケモンがワールドワイドになるにつれて、そのようなギャンブルの要素があるゲームコーナーがなくなってしまい、少し寂しさを感じます。
海外ではギャンブルに対する規制が厳しい国が多くあるそうです。
ギャンブルが含まれたコンテンツだと、ゲーム販売時の年齢設定を全年齢に出来ないリスクがあって、メインターゲットの子どもたちに届かないことは本末転倒でしょうか。
にぎやかなパチンコ屋さんだって、18歳未満は入店出来ないようになっているようです。
駅に向かう途中で、開店待ちをしている行列をときどき見かけます。一度も訪れたことがないので、一体、どのような雰囲気なのか気になっています。
「パチンコって面白いのかな?」
そんな興味がむくむくと湧いてきて、パチンコ屋さんで働いていた知り合いに聞いてみました。
「30分で1万円がなくなっても気にならないなら楽しいかもね」
1時間で2万円です。なかなかのサービスですね。
そんなリスキーな遊びをして楽しい人なんているのかなと思い巡らせてみると、身近に一人いました。わたしの父親です。
休みの日にふらっと一人で出かけていき、夜になるとふらっと帰ってきます。
母の手前では散歩だと言い張っていますが、そんなに長い時間歩いていたら、足がパンパンで次の日は仕事どころでありません。
お菓子が貰えたり、お寿司が食べられたり、パチンコってなんて素敵なシステムなんだと、子どもの頃のわたしは思っていました。
どれくらいのお金を投じていたのでしょうか。今では、そういう日もあるよね、と妙に納得です。
家にいるとどうしても父親として見られてしまいますので、肩の力が抜ける空間が必要だったのだと思います。
わたしが実家を離れた現在でも、父はときどきお散歩に興じているようです。
お散歩に営業時間があって良かったなと思います。
もしも24時間営業だったら、コガネシティのゲームコーナーにいたようなキャラクターになっていたことでしょうから。