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百貨店のビターな思い出
この時期になると、百貨店の催事スペースに特設会場ができ、選りすぐりのチョコレートを堪能することができます。
以前に百貨店で働いていたこともあって、辞めてからはなかなか百貨店に足が向きませんでしたが、それでもチョコの誘惑には勝てません。
休日の早い時間に会場を訪れてみると、午前中であってもすごい賑わいです。会場にはチョコレートの甘い香りと来場者の熱気が漂っていました。
毎年のことではありますが、混雑のあまりほとんど身動きがとれないような人気店もありました。近寄ることすら躊躇われます。
お店のスタッフさんは慌ただしくて落ち着く暇もなさそうです。なんだか以前のわたしを思い出してしまいます。休憩時間はきちんと取れているのでしょうか。
わたしのお店では、昼に1時間、夕方に30分の休憩時間がありました。
他のスタッフと調整しながら休みを取るのですが、休憩室はいつも満席で、ゆっくりと休憩できる場所がほとんどありません。
仕方なく外に出て、そのあたりのベンチや花壇の脇に腰を下ろし、お昼ごはんの菓子パンをかじっていました。あのときは、ゆったりと流れる雲が羨ましかったですね。
どこまでも続くようなその行列に並ぶ勇気などわたしにはなく、空いているお店のチョコをまじまじと見ていると、スタッフのかたが商品の説明をしてくれます。
なかには「ご試食どうですか?」と提案してくれるお店もありましたが、うかつに手を出してしまうと情にほだされてしまうので、きっぱりとそこは断ります。
日々、百貨店で働かれている方々には頭が下がります。
せめてチョコレートのお値段とスタッフのお給料が釣り合うといいのですが、世知辛い世の中ですね。
チョコレートを食べて気分を落ち着けましょう。
お気に入りは「SILSMARIA(シルスマリア)」のチョコレート。オーソドックスなものが好きです。