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ポポーと尼さんとわたし

 ポポーという果実をご存知だろうか。見た目はマンゴーに似ている。カタチはあけびにも似ているかも?というとイメージ遠くなるか。ネットで検索すると味はマンゴーとかバナナとかって出てくる。

そんなポポーを知ったのは今から7年前、
NHKのEテレにて放送していた
「やまと尼寺精進日記」だ。
この番組は月に1度、確か最終日曜日に18時から放送されていたのでうっかり忘れることもあり、
なのでいつも放送されていた頃はカレンダーの
最終日曜に赤丸をつけて番組表で放送の確認をしていた。(ちなみに2020年3月にレギュラー放送は終わってしまった。がYouTubeチャンネルにて舞台となっていた奈良県桜井市にある音羽山観音寺の今を観ることは出来る。) 
 その番組を何で知ったのかは忘れたけれど。当時の私は30代後半に入った頃。今では自他ともに認める図太い神経の持ち主だがその頃の私、こころは揺れやすくてすぐ折れる持ち主でして…。
単刀直入に言うと妙齢を過ぎたこともあり周囲から言われる結婚というものがイヤでイヤで結婚の「け」の字を聞くだけで自然と涙がこぼれることもあり、吐きたくなったことも多々あった。
そんな私が悩みに悩んだ挙句の果てに辿り着いたのが尼さんになること、だった。幼なじみのポテコに

私が尼さんになればね、両親を自分の手で 供養することが出来るじゃない。それって最高の親孝行じゃないか、と話すとポテコには
「親が生きているうちにするのが親孝行でしょ」 と呆れながら言われたことは今も覚えている。
んで尼さんになるための本やらハローワークやら 漁っていると尼さんもなかなかの就職難だと知り、ショックを受けつつ諦めた気持ちを歌に詠んだこともあった。
おっと!少しずつ、脱線しはじめているので戻る。「やまと尼寺精進日記」は観音寺のご住職さん、
副住職さん(ご出身は群馬の人らしい)お寺のお手伝いさんの3人の女性がお住まいの音羽山の四季折々の自然を慈しみ、自然の恵みを丁寧にお料理にされ、美味しく召し上がる姿を映した番組だ。
当時の私は音羽山にも似たような風景の青梅市に住んでいて「自然の中で丁寧に暮らす」という意識もややあったので番組内で紹介されていた蕗味噌に梅干しに栗の渋皮煮にゆずジャムに…放送のたびに感銘を受けて色々と作っては季節を楽しんでいた。
その番組の9月の放送の際に出てきたのがポポー!で、ご住職は子どもの頃からポポーが大好きとの事だった。マンゴーのような形の果実を手で皮を剥き、そのままカプっと懐かしそうに美味しく
いただく姿を見て食べてみたーい!と思い
その晩、母に電話をしてみた。
(おそらくうちの母とご住職は同じくらいの年だろうな、と思ったので)
「ポポー?知ってるよ。むかし、食べたことがあるよ。最近じゃ見かけないね。
ちえはどこで知ったん?」
やっぱり!そんな昔から実はメジャーだったのか?うちの庭でも育てられるかな?
「あれは、あったかい地域のものなんじゃない?」そっかぁ。と諦めてはいたもののポポーをいつか食べてみたい!という気持ちはずっとあった。
それから7年か。なんとはなしに9月の終わりに「ポポー食べてみたい」と言ったら金曜日の上司が「うちの庭で育ててますよ」
なんと!!願いは口に出してみるものである。
そして翌週、ホント収穫は夏の終わりから9月頃までで時期が過ぎてしまってますが…
と10月にも実ったポポーをくださった。
完熟の黄色いポポーと、少し青いポポー。
さっそくひとつ、包丁で皮を剥いて切ってみる。
しっとり感触がアボカドにも似ている。食べてみると思ったよりもねっとり感はなく、さらっとしたマンゴーという感じ。種の周りのゼラチン質が柿にも似ている。こんなに色んな果実の名前を出したら
ややこしいな。
ともかく寒い土地でも育つらしいので帰省したら畑に種を蒔くことにした。庭にも蒔こう。
ぐひひ、週末ポポー農家になって近所のファミマの農産物コーナーで販売したい。
(※このファミマは道の駅みたいなもの)

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