【創作BL小説】金持ち旦那大ピンチ!スランプで作家廃業?湯けむりセラピーで暁都を救えの巻【浮気な彼氏番外編】
⚠️創作BLです。
⚠️本編は以下のサイトで無料公開しています。
https://tsukiyo-novel.com/2021/12/10/uwakare1/
⚠️浮気攻め要素含みますので、閲覧はご注意ください。
⚠️一部性的描写を含みます。18歳未満の方は閲覧・購入をお控え下さいますようお願い致します。(イチャイチャ度★★★★☆)
スランプ到来
書斎には高々と資料用の本が積み上げられ、大量のエナジードリンクの空き缶が転がっている。
真っ白な画面のパソコンを前に頭を抱えた作家と、1人の編集者。
「先生、執筆の方はどうですか」
「・・・」
作家はそのウェーブの掛かった髪の毛をぐしゃぐしゃと掻く。
「先生。このままだと新刊落としちゃいますよ」
「・・・!!」
苛立った様にパソコン画面には文字が並んでいくが、またすぐデリートされていった。
「暁都先生。また僕らの新婚旅行、伸びますよ」
「んがあぁぁぁぁあ!!!!!!!」
暁都先生は欲求不満を爆発させて立ち上がり、天に向かって吠えた。その目は大分血走っていて、色んな我慢の限界を示していた。
暁都さんには試練が訪れていた。
とにかく作品が書けなくなってしまったのだ。
それ故原稿を落としまくり、心底楽しみにしていた冬の新婚旅行には春になっても未だ行く見通しすら立たないでいる。
『スランプの訳は』
休憩しましょと誘い出し、その無骨な手を引いてリビングへ連れてきた。
コーヒーを淹れるのは、本日3回目。
「うっ・・つらいよお・・」
ソファで僕の太ももに頭を乗せて暁都さんはしくしくと言った。そのハンサムな風貌にはだいぶ翳りが見える。
「まあまあ・・僕もフォロー頑張るから。編集として・・」
苦笑して言った。
ここ数ヶ月、何故か作品が書けなくなった暁都さんは来る日も来る日も出版社さんから催促され、ある日逆ギレしたのだ。
『萌えないおじさんにいくら催促されてもやる気なんて出ないんですよこっちは!!!!!』
そんなこんなでどういう訳か僕が編集という立ち位置に抜擢されてしまい、以来暁都さんをせっつく係をやっている。
僕の太ももをジーンズ越しにカリカリ引っ掻き、いじけている暁都さん。変なとこ引っ掻かないで欲しいんだけども。
その柔らかな髪を撫でながら僕は言った。
「ね?とりあえず1章だけ今日は書いてみよ?終わったらチュウしてあげる」
「チュウ1回じゃやる気でないもん・・」
「じゃあ2回?」
「・・前払いでキス1回」
チラチラとこっちを見上げている。暁都さんは欲張りな時がある。
「良いよ、それで1章書いてね」
「がんばる・・」
もそりと起き上がると暁都さんは、僕を正面からじっと見据えた。ハンサムな顔立ちは、真剣な眼差しをすると更に色気を増して僕はいまだドキドキしてしまう。
僕にそっと触れるだけのキスして・・それはチュ、チュとあっという間に深くなっていく。
好きな人とするキスは気持ち良くて・・じん、と身体の奥に火が灯る。
僕の後頭部を抑え、覆い被さるようにして尚僕を貪る暁都さん。彼も昂っていくのを感じ『あ、やばい押し倒される』と思ったところで暁都さんは僕からふいと離れた。
・・あ、さみしい・・
中途に煽られてしまった僕は、物欲しげにしていたのかもしれない。
暁都さんは苦笑して言った。
「そんな顔しちゃダメだよ・・我慢出来なくなる」
途中で止めたのは、暁都さんのスランプに理由があった。
何故か突然スランプになった暁都さんは、
ベッドインして本格的にイチャイチャすると何故か更に書けなくなるのだ。
『僕が原因で!?』と最初は青くなったけど、僕が悪いと言うことではないらしかった。但し理由は分からないけれど。
だからとにかく締切が迫る時はキスより先はしない。これが僕らの今のルールだった。
でも年齢の割にそっち方面に精力的な暁都さんは、その我慢がシンドイみたいで・・
「・・な、何?」
暁都さんは僕の顔をじっと見つめたかと思うと、自身の頭をぐしゃぐしゃと猛烈に掻き・・
「dおkmぉいjんbgfvcんhlx!!!!」
声なき声をあげ僕の太ももに勢い良くまた倒れ込んできた。
そしてうつ伏せのまま、僕の尻だのアレだのをジーンズ越しにワシャワシャワシャ!とまさぐり始めた。
「ちょっと・・!」
髪をギュッと掴んでも辞めてくれないし!次はフンフンとワンコみたいに僕の匂いを嗅がれて恥ずかしくって!ジーンズ越しに色んなところがぶがぶと噛んでくる。あうっそこは・・!まだ明るい日中だってのに!
「あっ・・!コラ、辞めなさい!!!こら!!!!」
って叱ったら、暁都犬はグルン!と勢い良く仰向けになってようやく悪さを辞めた。キュウンクウンと言わんばかりに。
カフェインでギンギンの瞳と目が合ってビビる。でもその瞳は、ただただ僕を哀しそうに見上げていて、心なしクマがさらに濃くなったような・・?
「だ、大丈夫・・?なんか今の一瞬で痩せた・・?」
彼はただコクリと頷いた。
ここのところ様子がおかしい暁都さんだった。
昨日の夜中とかトイレに起きたら、なんか台所
に明かりがついていて。確認しにいったら、暁都さんが僕のエプロンの匂いを嗅いでいた。
何してるの!?って聞いたら、さみしくて眠れなくてつい・・とか。
その前の前の日には、僕宛の長文ラブレターをただひたすらに書いては破って捨てて、また書いたりしていたこともあった。
ここ連日の奇行続きに、これは本格的にガス抜きが必要だと確信した。
ちょっと前から立てていた計画を、実行に移す時が来た様だ。
彼の哀しげな瞳を覗き込んだ。
「暁都先生、よく聞いて。先生最近疲れすぎてるよ。思い切ってお休みを取ってみるのはどう?」
「・・いやでも・・それじゃ次の新刊落としちゃうし・・ううっごめんね不甲斐ない夫で・・ウッ」
またしくしくし出した。泣いてはいないけど、メンタルが大分やられているようだ。
こんな暁都さんはやっぱり変だ。
「そうじゃなくて!1泊2日の温泉旅行!それくらいなら良いでしょ?
今のまま煮詰まってても多分そんな進まないしさあ。先生のやる気を出すために、ここはひとつ僕がひと肌脱ぎましょう」
聞いた瞬間カッとその瞳を見開いた暁都先生。
「!?温泉でひとはだ・・とは・・やだ奥さんたら・・湯けむり・・え・・」
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