『モアナと伝説の海』と謎の秘密基地【ミステリアスアイランド】
こんにちは、月兎です🌙🐇
2024年12月6日、待望の新作ディズニー映画『モアナと伝説の海2』が公開されました🎉
ディズニー作品に無頓着な私でもモアナは好きなほうでして、今作の公開は結構楽しみにしてました。
公開当日は金曜日だったので仕事終わりに吹替で、その翌日土曜日は字幕で、すでに『モアナと伝説の海2』を2回観てその余韻を噛み締めているところです。
本noteでもそんな話題沸騰の今作のトレンドに乗っかっていきたい…!
月兎ができることはただひとつ!
モアナと関係のあるディズニーシーのネタを擦ること!!
というわけで、今回はミステリアスアイランドについて語っていきたいと思います!!!
※どうなってんだこいつの頭の中
まぁ、おそらくモアナとミステリアスアイランドについていっぺんに話しているコンテンツは世界中どこを探してもないはずなので、いつも通り気持ち悪い妄想を楽しんでいってもらえれば幸いです。
それではさっそく本編参りましょう。
※本記事には『モアナと伝説の海2』のネタバレはありませんが、最後に今作について少し触れた考察をお話しします。
舞台背景の類似性
まずはモチーフになっている舞台の話から。
※これだけ聞いて、モアナとミステリアスアイランドの類似性を感じ取ってしまった方はだいぶ冒されてるDオタなので危機感を持ちましょう
『モアナと伝説の海』のディズニープラスの作品詳細文が結構面白いので引用します。
いろいろツッコミたいポイントはあるのですが、
まずはじめにご紹介したいのは、「太平洋」「オセアニア諸島」といった実在の場所がモチーフになっていること。
この作品は、現在のハワイやニュージーランドを含むポリネシア諸島をモデルにしており、その歴史や文化要素を多分に取り込んだものとなっています。
太平洋のアメリカ大陸とオーストラリアの間に位置するポリネシア諸島には、現在のハワイやニュージーランド・イースター島・タヒチなどが含まれ、ざっくり南太平洋広域みたいな感じでざっくり捉えていただければ幸いです。
ディズニープラスの特典映像として見ることのできる「南の島の声をたどって」というドキュメンタリーがあるのですが、
それを見ると、『モアナと伝説の海』が現地へのロケハンを通じ、ポリネシア諸島の文化に敬意を払って作られた作品であることがわかります。
タトゥーやココナッツ、踊り、伝統航海術...
この映画を構成するディティールすべてに根拠があることを知ると、改めてエンタメとは大変な業界だと思い知らされます。このへんの文化の深掘りだけでも多くの考察が生まれそう...🤤
興味のある方はぜひ↑のドキュメンタリーもあわせて見てみてくださいね。
今回は細かな話は置いておいて、一旦は「『モアナと伝説の海』は今から3000年前〜2000年前くらいの南太平洋を舞台にした物語である」ということだけおさえていただければと思います。
では今度はミステリアスアイランドのターン。
私が世界で一番好きなアトラクション(←更新されることはない)、「センター・オブ・ジ・アース」のあるこのエリアは、謎の天才科学者ネモ船長の秘密基地という設定が敷かれています。
そんなミステリアスアイランドに関する昔のディズニーリゾートブログには、下記のような記載が。
ここが火山のカルデラであることはよく知られていますが、実は南太平洋に浮かぶ孤島だったんですね。
また、エリア内の様々なプロップスから、ミステリアスアイランドは1870年代という時代設定だということも読み取ることができます。
まとめると、「ミステリアスアイランドは1870年代の南太平洋の孤島にある秘密基地」ということになります。
"南太平洋"というあまりにもうっっすい共通点からこんなアホアホトークをしようと思い立ったわけなのですが、時代設定については全く違いますよね。両者には2000年以上の時代の隔離があるのです。
でもだからこそ、それぞれにゆかりのある神話や、登場人物たちの開拓の歴史なんかを探っていくと、思いもよらぬ共通点が明らかになったりします。
※歴史は繰り返す定期
一見関係のないディズニー作品から、ディズニーシーのいちテーマポートの新たな捉え方のヒントが見つかるかもしれません。
というわけでここからは、『モアナと伝説の海』を題材にしてミステリアスアイランドという謎多きテーマポートを考察していこう!というテイで話を進めていきます。
ポリネシア神話とギリシャ神話
まず神話に関する共通点から。
有名な話かと思いますが、『モアナと伝説の海』に登場するマウイはポリネシア神話に実際に登場する半神です。
太平洋に浮かぶ数々の島とそこに住む人々を創造したとされていて、
人間に"文明"を与えた「文明英雄」のひとりであり、一方で神や自然界の秩序を破り物語を展開する「トリックスター」と言われています。
マウイはポリネシア神話だけでなくその周辺地域の神話にも登場し、少しずつ違う言い伝えが残っています(映画の冒頭でタラおばあちゃんが口頭で物語を子どもたちに話していることからわかる通り、この南太平洋一帯の文化は口伝によって伝播したんだそう)。
そのため映画のマウイはいろんな神話をごっちゃにして作られたキャラクターなんですが、映画におけるマウイは人間からの愛に飢え、人に感謝されるため島を引っ張り上げて、太陽を捕まえて昼間を長くし、火を盗んできた神様として描かれていますね。
"テ・フィティの心を奪う"なんてのは、「文化英雄」たらしめる証明であると同時に、自然の秩序を壊す「トリックスター」的な行動であると言えます。
一方、世界で最も有名な神話といっても過言ではない、ギリシャ神話における「文化英雄=トリックスター」といえば、天界の火を盗んで人々に与えたプロメテウスが挙げられます。
...もうお察しかと思いますが、ディズニーシーにはプロメテウス火山というシンボルがあり、この火山とゆかりの深いエリアこそ、ミステリアスアイランドなのです。
これは妄想の域を出ない話ですが、「"プロメテウス火山"という名前をつけたのはネモ船長である」という持論があります。
まあこれは、"プロメテウス火山"の表記がある一番古い資料があるのがミステリアスアイランドだから、という単純かつ短絡的な根拠なんですが...
神話は違えど、同じ「文化英雄」であり「トリックスター」がモチーフになっている点が、モアナとミステリアスアイランドの共通項のひとつといえます。
以上のことを踏まえまして、『モアナと伝説の海』のマウイを参考にしてみると、
①人間からの感謝に飢えている
②文化を豊かにしたい(「文化英雄」的な側面)
③文明や社会を破壊する(「トリックスター」的な側面)
...といった特徴が、ミステリアスアイランドのプロメテウス火山に、もっと言えばその名付け親(仮)であるネモ船長にも当てはまるのではないかと思うのです。
ネモ船長のパーソナルな部分についてはジュールベルヌの小説や映画『海底二万哩』も参考にしなきゃいけないのですが、
・19世紀後半、欧米諸国で産業革命が次々と進む世の中で唯一人間の手が及んでいない"海の中"を自在に移動し、海上を進む船を襲い続け、どこの国にも属さず社会の秩序をガン無視した行動を取り続ける(③)
・海底農園を作り海藻で飢餓を救いたい、地底の神秘や海底に沈んだアトランティス文明の機知で技術の進歩に貢献したい(②)
・クラーケンに襲われた際に救ってくれた者を大切にする、「神秘の島」にたどり着いた人間のピンチを救うなどといった、厳格でありながらも仲間想いな性格(①)
...というように、ネモ船長自身がマウイのような存在なのではないかと考えたり考えなかったりしています。
そんなネモ船長が秘密基地として選んだ孤島の火山を、自分自身と重ね合わせて「プロメテウス火山」と命名したのではないだろうか?
そしてそのプロメテウス火山にも、他のテーマポートとの関連性の中で、上記のマウイ的要素を見出すことができるのではないだろうか...?
というのが、私のプロメテウス火山考察の基礎部分になります。
※他のテーマポートをまたいだプロメテウス火山の話はいつかするかもしれませんが、ディズニーシーの核心そのもののお話なので、月兎noteの最終回になると思ってください←
とこんな感じで、モアナの最高の相棒マウイからプロメテウス火山に繋げてお話ししてみましたが、みなさんはどのようにお考えでしょうか?
みなさんのイマジネーションや考察の種の一助となれば幸いです。
閉ざされた環境が外への"冒険心"を醸成する
では今度は、もう少しシー・オブ・イマジネーションジャーニーらしいお話を。
モアナの冒険譚や世界観をとりまく歴史的背景から、ミステリアスアイランドの「冒険とイマジネーション」要素を考えてみます。
先にお伝えしたように、『モアナと伝説の海』は今から3000年前〜2000年前ほどの時代。
3000年前までは、モアナの先祖たちが"伝統航海術"を駆使して南太平洋一帯の島々を開拓していったと映画では描かれています。
そこから1000年ほど、島に定住して海に出ない時代がやってきて、海に選ばれし少女モアナがその時代の終止符を打つ、というストーリー展開になっていることはみなさんもご存知の通りです。
我々現実世界の歴史ではどうかというと、紀元前1200年ごろには南太平洋の島々を自在に移動する航海術が確立されていたんだそう。
そこから具体的にいつまでとかはわからないのですが、ハワイではこの航海術の文化が少なくとも数百年の間失われていたとのこと。
やっぱり史実をかなりリスペクトした作品だと感じますね。
話を映画に戻すと、この空白の期間に「海の外に出てはいけない」という島の掟が作られ、島々がそれぞれ閉鎖したコミュニティを形成することになります。
そこに安住する人がほとんどではありますが、ごく一部、こういう抑圧された環境で「外の世界を知りたい」と声をあげる人がいて、そのエネルギーが歴史を動かすというのはいつの時代も変わらんのですね。
まあモアナの場合は、単純な好奇心に加えて島長としてのプレッシャーや責任感ゆえの行動だったわけですが。
さて、時代がかなり進んで近代。
ミステリアスアイランドの時代設定である1870年代周辺に目を向けてみると、近代化が進み、欧米諸国をはじめとする"中核"と発展途上国である"周辺"に二分化する「世界システム論」という資本主義社会全体の捉え方が確立されてきた時期です。
つまり、よい意味でも悪い意味でも、海を渡って技術や文化が活発に行き来しているわけですね。
このような情勢の中、ラテン語で「何者でもない」を意味するネモ船長がとった行動は、「海の孤島に"秘密"基地を構え、他のどの国・地域の人間にも見つからないよう研究をする」という、あまりにも当時のトレンドにそぐわないものでした。
ある意味、モアナと逆の行動をネモ船長がとったといえます。
国々との繋がりや社会的交流に辟易したネモ船長が、世の中から距離をとるために秘密基地の建設に至ったのではないか...?いずれにしても"やりすぎ"は反発を買うということですね。
そんな秘密基地に、優秀な科学者として特別に招待されてしまった我々ゲスト。
「センター・オブ・ジ・アース」や「海底2万マイル」で目にする驚異的な光景は秘密にしておいてほしいとネモ船長には言われます。
実際、ミステリアスアイランドは方々が火山に囲まれ、カルデラを潜っていかないと出入りができない(いい意味で)息苦しい空間ですよね。
※「水門開いてるじゃん」とBGS勢のみなさんから刺されそうですが、我々を招き入れるために"一時的に"開けているだけなのでノーカンです。あくまで「ミスアイって閉鎖的な空間デザインだよね」って話をしています
...しかし、こうやって意図的に抑圧されると外に飛び出したくなるのはゲストも同じ。
2つのアトラクションで起こる"想定外の出来事"はネモ船長も予期できないくらいの大発見なわけですから、「この体験をいろんな人に伝えたい!」というイマジネーションが醸成されるのは時間の問題です。
そうするとどうなるか...?
毎度の記事でうざったくお伝えしてしまい申し訳ございませんが、「世界線を超える」という"想定外の出来事"が起こります。
ミステリアスアイランドと隣り合っているテーマポートは、メディテレーニアンハーバーとポートディスカバリーとマーメイドラグーンの3つ。
謎の天才科学者の秘密基地で得た知識と体験が、少し後の時代のイタリアに伝わり、未来のマリーナでどのようになっているか答え合わせを行うわけです。
そして、マーメイドラグーンとミスアイの関係については近いうちに考察記事をあげようと思っているのですが、マメラグというエリア自体が"ネモ船長の思い描く楽園"として描かれており、彼の代わりに我々が行くことができるのだと考えています。
※この話はまた後日のお楽しみにしてもらえたらと思います...
読んでくださっているほとんどの方を置き去りにしている自覚はありますが、もう少しだけご辛抱ください🙇笑
モアナが冒険に出ることになった動機と、我々ゲストがミステリアスアイランドから飛び出せる原因が同じだという話をしましたが、
実は、モアナとマウイが乗り越えていく試練も、ミスアイで我々が目の当たりにする"想定外の出来事"と非常に似通っているんです。
劇中で、マウイの神の釣り針を取りに行くため、海のさらに下にある"ラロタイ"という冥界に迷い込むシーンがあります。
そこに棲む巨大なカニのモンスター「タマトア」に2人は苦戦するわけですが、これって2万マイルのクラーケンのシーンとめちゃくちゃ類似してないですか...?
タマトアって、ラロタイに迷い込んできたもの・生き物から光るモノだけ奪って、あとはすべて始末するかなり極悪なキャラクターだなと思うのですが、2万マイルのクラーケンも海の覇者として船を無差別的に襲い、海底へ沈み込めまくる"船の墓場メイカー"なんです。
小型潜水艇もクラーケンに狙われ、メインパワーがオーバーヒートするくらいには戦闘に苦戦してしまいます。
そんな絶体絶命の中、モアナとマウイは間欠泉を利用して一気に海上まで噴き上げられ脱出します。
え?急上昇して脱出...?海より深い世界に迷い込んで最後自然の力で元に戻るシナリオって、まさに「センター・オブ・ジ・アース」なのでは??
...そう、このラロタイのシーンには、ミステリアスアイランドの2つのアトラクションの要素を見出すことができるのです。
こういうあたりが、モアナとミステリアスアイランドの大きな類似性なんじゃないかなーと(まじで勝手に)妄想しています。
※しかも"間欠泉"ってのがミスアイでも見られる現象でまたいいよね
おまけにもうひとつ。
テ・フィティの心を奪われた姿であるテ・カァというキャラクター、字幕だと「溶岩の魔物」と表現されるのですが、英語をよく聞いてみると「lava monster」と言ってます。
ん?ラーヴァモンスター...?あれ、こいつに出くわした優秀な科学者のみなさんもたくさんいるんじゃないでしょうか?()
こんなところにも共通点があって、まだまだ考察の余地がありそうです。
2000年の時を超えて、海が世界線を繋いでいく
長々と話してきましたが、ラストに最新作『モアナと伝説の海2』に絡んだ考察を、ネタバレがない範囲でさくっとお話ししようと思います。
あくまで私の考えにすぎないですが、今作全体を通して貫かれているテーマは"繋がる"ことです。
海が繋がれば島と島が繋がり、そこに生きる他の島の民とも繋がる。そして海にいる限り、故郷の愛すべき人たちと心が繋がる...いろんなものを"繋ぐ"ために、モアナたちは冒険に出かけます。
かたやディズニーシーは、「冒険とイマジネーションの海」をテーマにした、8つのテーマポートで構成された世界。
海やその源となる泉や川で8つのパラレルワールドが"繋がって"おり、ゲストのイマジネーションによってそれぞれの世界線にワープすることができます。
モアナたちが強い使命感や愛情で海を繋ぎ、その約2000年後、海とゲストの強いイマジネーションがあるおかげで冒険ができていると想像すると...?
なんかエモくないですか?そんなことない??()
この映画をがっつり題材にしたコンテンツは2024年時点でディズニーシーにはなく、強いて言えばビリーヴ!と先日発表されたハンガーステージの新ショー「ドリームス・テイク・フライト」くらいですが、
海を題材にしている作品ですし、ディズニーシーのストーリーに一石を投じる出来事が起こることを期待したいと思います。
ということで、今回は『モアナと伝説の海』からミステリアスアイランドを捉え直してみよう!の回でした。
めちゃくちゃ長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございます!
ちなみにモアナ2は個人的にかなり好きな作品になりました。
1よりは確実に好きです。完全にアナ雪と同じパターン辿ってます()
ストーリー的な面白さについては賛否あるみたいですが、いい感じに考察の余地があって私は結構お気に入りです。
あとは音楽ね。冗談抜きですべての劇中歌いいです!個人的には前作以上の豊作だったなと思います。
回し者でもなんでもないですが、ぜひ劇場まで足を運んでみてください!
次回以降はモアナの南国ムードから一変、クリスマスにまつわる記事を2本投稿予定ですので、どうぞお楽しみに♪
それでは、またのご来航お待ちしております⛵️
よい冒険を🌏
Thank you for coming and spending time where adventure and imagination set sail.
〈お知らせ1〉
2024年11月7日(木)の15:05、東京ディズニーランドで行われていたハロウィーンのスペシャルパレード、「ザ・ヴィランズ・ハロウィーン“Into the Frenzy”」のテーマ曲『MAKING MAGIC DAY AND NIGHT!』を私のYouTubeチャンネルでアップしました!!!🎉
この秋、月兎の心を何よりも弾ませてくれたこのパレードに、感謝を込めて、誠心誠意細かいところまで、とことんこだわって作りました。
自分ができる最大限の恩返しを、ぜひ聴いていただけると幸いです。
いいなと思っていただけたら、高評価や曲の感想・コメントお待ちしております。10メートルくらい跳び上がって喜びます。
相当な労力をかけて丁寧に作りきった、大事な宝物に仕上がりましたので、3分ちょっとだけ、耳を傾けてやってください。
どうぞよろしくお願いいたします!
🎃MAKING MAGIC DAY AND NIGHT!🦇
作曲:Adam Gubman & Danny Elfman
編曲:月兎
ジャケット画像:Chat GPTにより作成
参考:CAFUNE-かふね- 様
〈お知らせ2〉
記事にしてほしい話題やテーマを随時募集しております!!
シーのアトラクションが1番の得意ジャンルですが、それ以外(ショー、レストラン、ショップについてなど)のリクエストでも大歓迎です✨
※noteのコメント欄、もしくはInstagramのDMにてご連絡ください
※ランドやディズニー映画のリクエストでも構いませんが、お応えできない可能性がありますのでご了承ください🙇