レトロなタイムマシンに身を委ねて【ディズニーシー・エレクトリックレールウェイ】
こんにちは、月兎です🌙🐇
ディズニーシーの特徴であり、魅力として取り上げられることも多い「エリアとエリアの繋がり」。
その中でも特に繋がりが深いのが、アメリカンウォーターフロントとポートディスカバリーです。
1912年のアメリカンウォーターフロントに住むニューヨーク市民・ケープコッド村民が「こんな未来だったらいいなぁ」と考えた世界が、ポートディスカバリーになります。
(我々が住む現実世界の年代からみると)昔の人が考える未来の世界、いわば"レトロフューチャー"と呼ばれる世界観ですね。
そんな空想の世界を行ったり来たりすることのできる"想定外"の冒険ができるのがディズニーシーの醍醐味ですが、
物理的にも設定的にも2つのエリアを繋いでいる神アトラクション、それが「ディズニーシー・エレクトリックレールウェイ」です。
前回、同じ移動アトラクションである「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」を紹介させていただきましたが、どっちが好き?と言われたら、めちゃくちゃ悩んだうえでエレクトリックレールウェイを選びます。
※トランジットスチーマーライン回も長い記事ですがぜひご覧ください!
そんなエレクトリックレールウェイの好きポイントを、いつもの如く気持ち悪い目線でお伝えしていきますので、よろしければ最後までご覧ください!
なお前回同様、このアトラクションをただの移動アトラクションとしてしか捉えてない人は、いいから黙って最後まで読みたまえ(←言い方悪くなっとるやんけ)
また、ご紹介するほとんどの内容が公式設定ではなく月兎による妄想ですので、ご理解のうえ読み進めていただければと思います。
それではさっそく参りましょう!
20世紀初頭のアメリカから、時空を超えた未来のマリーナへ
今回は、アメフロ→ポートと、ポート→アメフロを対比するようにして記事を書いていこうと思います。
単なる過去→未来、未来→過去というタイムスリップではないことを、本記事のゴールにして考えていきましょう。
アメリカンウォーターフロントにおけるエレクトリックレールウェイ誕生の経緯は、現実世界のアメリカの歴史とともによく知られています。
蒸気機関車から電車へと最新技術の移動手段が移り変わり、最初は路面電車として走っていたが、事故が多発し、路上の混雑などが社会問題になって、高架上に電車を走らせることを考案。
路面にまだ線路が残っていることから、本当に高架上に電車が走り始めた初期のころだとわかります。
※実際の歴史だと騒音が大きいなど住民からは不評で、高架鉄道はあまり長続きしなかったようです。パークでも「レストラン櫻」や「スチームボートミッキーズ」のあるデランシーストリートでは、確かにエレクトリックレールウェイの騒音がうるさいですよね
そんな産業革命の波に飲まれ、科学技術が進歩しつつあるイケイケなアメリカの世界。
以前の記事でもお伝えしましたが、この時代は特に科学信仰が強く、技術の進歩こそが正義です。
そんな時代なので、自然を軽視する風潮も根強く、船で海産物が撹乱され大量生産が当たり前に行われる世の中に対し、「未来はもっと自然や生き物と調和してたらいいなぁ」とアメフロの住民が願った世界線がポートディスカバリーなのではないかと、上記のシーライダー回で述べました。
※確かにニューヨークエリアってウォーターフロントパーク以外はあまり木が植えられてない印象が
実際、ポートディスカバリーに行くと、海の生き物を大切にしようと謳う研究所があり、プロメテウス火山の岩肌に緑が見られるなど、自然に配慮した世界になっていることがわかります。
...こういったエリア間の設定があると仮定したうえで。
前回のトランジットスチーマーライン回では、アメフロにいるときのゲストの立ち位置は、ニューヨークもしくはケープコッドの住民(本当はよそから来たが現地住民にそう認められる)であるとお伝えしました。
我々はアメフロに一時的に住まわせてもらっている(?)分際で、先に申した"科学信仰への不満"を実際に抱いているのは現地住民(キャスト)側です。
とすると、ゲストは現地のニューヨーカーやケープコッド村民から、「今は科学バンザイな感じで窮屈な世の中だけど、未来はね、自然と調和した世界になってるんだよ!」みたいな妄想話をどこかで聞いているのかもしれません。
このタイミングで、私が毎度提示している「冒険とイマジネーション」の公式について復習したいと思います。
ゲストはよそから来た「冒険者」である・・・①
キャスト(従業員)にも役割があり、ゲストの旅をエスコートする存在である・・・②
ゲストがアトラクションで目の当たりにする体験は、当初予定されていたものではない・・・③
ゲストのイマジネーション(想像力)によって、誰も予期せぬ大冒険をすることになる・・・④
前回のトランジットスチーマーライン同様、このアトラクションにおいての「予期せぬ大冒険」とは、エリアをまたいでパラレルワールドへワープすることです。
他のアトラクションにおいてはキャストさんが当初予定していた旅やツアーとは違う体験をしてしまう...という構成になっていますが、
この移動系の2つのアトラクションはディズニーシーを"神視点"で捉えるメタ的な立ち位置をとっている都合上、キャストさんはゲストのパラレルワールドのワープを予期して案内しているため、あくまで「ゲストから見て想定外である」という例外設定を持ちます。
では、この想定外な出来事を引き起こすゲストのイマジネーションとは何か?
ずばり、「アメフロの住民が夢見た未来のマリーナがどうなっているか確かめたい!」という"探究心"だと考えています。
先に述べた、我々ゲストが現地のニューヨーカーやケープコッド村民から未来の妄想話を聞いているのではないかという考察がこの結論に繋がるわけです。
彼らは他の世界線へ移動することはできませんが、私たちは「冒険者」として時空を超えることができます(もしくはできると信じ切っています)。
未来への期待が高まることでこのようなイマジネーションが醸成され、アトラクションの中で世界線移動をするというありえない現象を可能にしているのでないでしょうか?
タイムスリップがこのアトラクションにおける"想定外の出来事"と捉えられるわけですが、注目してほしいのは乗車時の「電車のスピード」。
進行方向右手にメディテレーニアンハーバー、左手にアメリカンウォーターフロントのニューヨークを見たあと、木々が生い茂るエリアに入った途端、音を上げてぐいんとスピードが速くなります。
そしてスピードが元に戻ると、木々の間からポートディスカバリーの景色が視界に開けるのです。
これ意識して乗るとほんとにタイムスリップを実感するので、ぜひ注目してみてください。
※目つぶって音だけで楽しむのもおすすめ
...アメフロ発のターンを終える前に、ちょっとだけ(もしかしたら反感を買うかもしれない)駄話を。
もともとはアメリカンウォーターフロントのケープコッドエリアとポートディスカバリーには密接なつながりがありましたが、ポートディスカバリーから「ストームライダー」が消えたことで、両エリアの関わりが(ほぼ)なくなってしまいました。
でも、エレクトリックレールウェイのタイムスリップという観点からみると、ストームライダーのクローズはむしろよいストーリー改変だと言えるかもしれないのです。
なぜなら、電車がスピードを上げてタイムスリップしているのは、ちょうどケープコッドエリアの真裏を通っているときだから。
(ケープコッドの建物の裏側が少し見えはするものの)このとき視界は木々に囲まれており、タイムスリップ前はニューヨークの街並み、タイムスリップ後はポートディスカバリーの景観が広がるので、「ニューヨークエリアとポートディスカバリーを繋いでいる」のだと、意識を新たにすることができるのではないでしょうか?
皆さんはどう思いますか?これを聞いてもストームライダーのほうがお好きですか??()
未来のマリーナの技術・体験を、20世紀のアメリカへ持ち帰ろう
さあ、アメリカンウォーターフロントの人々が想像した未来都市、ポートディスカバリーに到着しました。
ここでは開発中のウォータービークルの試乗ができたり、かつて海洋生物への理解や保全意識に乏しかった20世紀初頭の反省を活かすかのように、「海洋生物研究所」にてシーライダーという乗り物に乗ったりすることができます。
海産資源の撹乱や大量生産に対する疑問を抱いていたニューヨーク市民・ケープコッド村民の想いは無事未来に届いていたのです。
また港に大きな船を停泊させて富や権力を誇示する光景もなくなり、利便性を重視した超小型のウォータービークルの開発により、海にも人にも優しい生活が営まれようとしています。
空想の世界なので実現されていて当たり前、なのかもしれませんが、我々ゲスト(冒険者)は実際に乗り物に乗り、こんなことが起きたよ!という実体験を得ることができるのです。
それはアメリカンウォーターフロントの住民からしたらありえない出来事なわけでして、彼らの代わりに憧れの乗り物の搭乗体験をしてきていると考えられはしないでしょうか?
であるならば、ゲストが果たさなければいけない責務はただ一つ。この体験を、アメフロの現地住民に伝えるということです。
いつの時代も報連相は欠かしちゃいけません。
ゲストは歩けばいくらでもパラレルワールドを渡れるのでその凄さがあまり実感できないかもしれませんが、冷静に考えたら過去から未来へ、そして間髪入れず未来から過去へ戻るなんてことはできないはず。
しかし、それを可能にする方法のひとつとして、ポートディスカバリー発のエレクトリックレールウェイがあるわけなのです。
もう察しのいい方はお気づきでしょう。
ポートディスカバリー発のエレクトリックレールウェイがタイムスリップを可能にしているその理由とは、「未来のマリーナで体験したことを、アメフロの現地住民に伝えたい!」という"冷め止まぬ興奮"=イマジネーションが醸成されているからではないでしょうか?
もしくは、「彼らがどんな反応をするのか楽しみ!」という"期待"かもしれませんね。
電車の動きについても、木々が生い茂るエリアに入ると少しスピードが緩くなり、そこからあまり変化せずアメフロの駅に到着します。
こっちは解釈が難しくて、未来にいる間は速く進み、時間を巻き戻すかのようにスピードを遅くしてそのまま過去の世界ではゆったり、みたいなことなんですかね...
↑ありきたりなことしか言えてないので、皆さんの解釈もぜひ教えてください!
ポートディスカバリーでの体験は、アメフロ現地住民にとっては新鮮で驚くべきことばかり。
一体どんな反応をしてくれるのでしょう...?
そして未来のマリーナの技術を伝えることによってタイムパラドックスが起き、アメフロ時空での技術開発にも拍車がかかります。
前回のトランジットスチーマーライン回でミスアイ→アメフロの流れでハイドロフォンが開発された、みたいな話をしましたが、エレクトリックレールウェイの影響も決して侮れないのではないでしょうか。
ちなみに前回の記事でしっかり触れていなかったのですが、ロストリバーデルタ発のトランジットスチーマーラインはゲストだけでなく神殿・遺跡で採れたサンプルをニューヨーク国立博物館に運ぶ役割も持っています。
現地での調査結果を他の時空に送り込むことで双方の世界が発達する...という考察は、エレクトリックレールウェイのみならず、トランジットスチーマーラインでもできてしまうんですね。
ところで。
ディズニーシーは現実世界の歴史と瓜二つな設定を持つが、微妙に時代・年代が違うみたいな話があります。
これは、私がnoteやポッドキャストなどでお世話になっているひろひろさんが、2024年2月にポッドキャストでお話しされていた"時空歪曲説"にて触れられているテーマです。
そのお話の中に、「ビッグバンドビートで演奏されているジャズは1920年〜1940年台のものだよってミッキーが紹介しちゃってる」という、あまりにも細かくてうざったい指摘(※褒めてます)をされているんですね。アメフロは1912年ですから確かにおかしいです。
しかし、エレクトリックレールウェイという未来からやってきた電車の存在を考えたら?それに乗ってきたゲストが未来のジャズのお土産話もしていたとしたら...?
この電車は、技術だけでなく文化の加速化にも貢献しているのではないかと捉えられはしないでしょうか?
...はい、ひろひろ先生以上にやかましくてすみません()
※あ、触れてしまったので言わざるを得なくなってしまったのですが、BBB終了のニュースに関してあれこれ述べるつもりはございません。これに伴いSNSではディズニーシーを批判するかのような意見が飛び交い、しんどすぎるので一時的にX(Twitter)とThreadsが見れなくなっておりますこと、この場を借りてご報告させていただきます。みんなもコンテンツありきじゃなくて、ディズニーシーそのものをもっと好きになろうよ...()
...というわけでいかがでしたでしょうか?
エレクトリックレールウェイとかいうアトラクション、やばくないですか??笑
※まあ勝手に妄想してるだけなんですけどね
冒頭に「トランジットスチーマーラインとエレクトリックレールウェイだったら後者のほうが好きかなぁ」と言ったのは、アメフロ発とポート発でゲストが抱くイマジネーションが異なるのがあまりにもおしゃれで素敵すぎるから。
同じアトラクションなのに、別々の感情が醸成されて"想定外の出来事"が起きているという点にロマンを感じざるをえません...
便利な移動手段としてだけでなく、ぜひ"ディズニーシーのいちアトラクション"として今度は乗ってみてください。
いろいろな発見があったり、いろんなことを妄想できちゃう神アトラクションだと思えるはずですよ。
それでは、またのご来航お待ちしております⛵️
よい冒険を🌏
【参考】
http://www.dreamagic.jp/tds/attraction/der.html
⚠️以下、ディズニー好きな方は閲覧注意
本記事でアメリカンウォーターフロントの負の側面を書いていて思ったことがあるので、追記として以下記載させていただきます。
お暇な方はぜひお読みください。
アメリカンウォーターフロントのようなアメリカバンザイ!な世界を完全に良しとしない(悪い側面も見せる)あたりが、私がディズニーシーを推す理由なのかもしれません。
ディズニーランドのほうはウォルトの理想・思想を詰め込んだテーマパークですが、なにを隠そう、ウォルト・ディズニーという人物はめちゃくちゃアメリカファーストな人です。
別に、日本人として過去のアメリカの行動が許せない!(まあ許しちゃいけないことなんだけど)、みたいな謎の国民意識があるわけではないですが、アメリカが絶対正義みたいなのが私はあまり得意ではありません。
これが、私がランドが苦手な理由のひとつかもしれません。そして、過去のアメリカの栄光を描きつつも"完璧"な世界とはしなかったアメリカンウォーターフロント、もといディズニーシーには感謝してもしきれません。
...ほら、月兎がなんでシー単体で好きなのか、皆さんもだんだん解像度高くなってきたでしょ?()
でも下のお知らせにある通り、ショーパレとか(主に音楽だけど)コンテンツ単位で見ればディズニーランドにも好きなところはあります。諸々誤解なきように🙏
〈お知らせ1〉
2024年11月7日(木)の15:05、東京ディズニーランドで行われていたハロウィーンのスペシャルパレード、「ザ・ヴィランズ・ハロウィーン“Into the Frenzy”」のテーマ曲『MAKING MAGIC DAY AND NIGHT!』を私のYouTubeチャンネルでアップしました!!!🎉
この秋、月兎の心を何よりも弾ませてくれたこのパレードに、感謝を込めて、誠心誠意細かいところまで、とことんこだわって作りました。
自分ができる最大限の恩返しを、ぜひ聴いていただけると幸いです。
いいなと思っていただけたら、高評価や曲の感想・コメントお待ちしております。10メートルくらい跳び上がって喜びます。
相当な労力をかけて丁寧に作りきった、大事な宝物に仕上がりましたので、3分ちょっとだけ、耳を傾けてやってください。
どうぞよろしくお願いいたします!
🎃MAKING MAGIC DAY AND NIGHT!🦇
作曲:Adam Gubman & Danny Elfman
編曲:月兎
ジャケット画像:Chat GPTにより作成
参考:CAFUNE-かふね- 様
▼音源はこちら
〈お知らせ2〉
記事にしてほしい話題やテーマを随時募集しております!!
シーのアトラクションが1番の得意ジャンルですが、それ以外(ショー、レストラン、ショップについてなど)のリクエストでも大歓迎です✨
※ランドやディズニー映画のリクエストでも構いませんが、お応えできない可能性がありますのでご了承ください🙇