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"ディズニーシー時空歪曲説"の源は、ファンタジースプリングスにあり【FS考察⑤】

こんにちは、月兎です🌙🐇

2024年の6月にディズニーシーに誕生した新エリア「ファンタジースプリングス」。
ピーターパン、ラプンツェル、アナ雪という現実味のかけらもない3つの物語の世界がひとつのエリアにごちゃっと集まる、いわば"ディズニーシー版ファンタジーランド"だと捉えている方がほとんどかと思います。

しかし、わざわざディズニーシーにできるからには、"テーマポート"を名乗っているからには、他エリアとの繋がりや綿密なバックグラウンドストーリーがあるのではないか?ということで、オープン前からシーオタクの皆さんによる様々な憶測や考察が飛び交っていました。

そんなどうしようもない(←失礼)オタクのひとりが、最近私の記事でもよく取り上げさせていただいているひろひろさん。
彼は2024年2月に以下のようなポッドキャストを投稿し、ファンタジースプリングスに関する少なーーーい情報から壮大かつ秀逸な考察を繰り広げています。

師曰く、「ファンタジースプリングスはディズニーシーの"時空歪曲説"の源として存在するのではないか」とのこと。
前回記事でちらっと紹介したような「BBBで使われているジャズの年代がアメフロの時代設定とずれている」といった例や、「エクスプローラーズランディング(プロメテウス火山の麓にある要塞)は本来スペインにあるはずなのに、イタリアを舞台にしたメディテレーニアンハーバーにある」などの事例を取り上げ、ディズニーシーというテーマパークは時間と空間の歪んだ世界なのではないか、というのが彼が提唱する"時空歪曲説"です。

当時のポッドキャストでは、そのエクスプローラーズランディングを本拠地とした秘密結社「S.E.A.」創設期のメンバーであるレオナルド・ダ・ヴィンチの、「空間描写を行う"絵画"に時間的な拡がりを付与した」という功績に着目し、時空間を超えるためのヒントをダ・ヴィンチが得ることで、ディズニーシー全体の時空を歪めてしまっているのではないか?という結論に至っています。

その放送からはや9か月が過ぎようとしている現在。
ファンタジースプリングスのオープンからだいぶ時間も経過したことですし、そろそろ答え合わせをしてもよいのではないか??というのが本記事の趣旨となります。
※本人に許可も取らず勝手になーにやっとんだ



なお、以前「ファンタジースプリングスはディズニーシーの23年越しの自己紹介である」という、同じくディズニーシーを俯瞰した記事を投稿していますので、よろしければぜひご覧ください。


前回は、私の持論である「ディズニーシーは8つのパラレルワールドの集合体である」という話の深掘りとなりましたが、
今回はひろひろ先生の"時空歪曲説"を正としたとき、ファンタジースプリングスはディズニーシーの大テーマとなる「冒険とイマジネーション」の源といえるのか?に対する回答を一緒に考えていきましょう。


...前置きからお察しの通り、今回は力が入っとります笑
ぜひ最後まで楽しんでお読みいただけますと幸いです!


過去・現在・未来をテーマにした4つのアトラクション

前回の「ファンタジースプリングスは〜自己紹介である」記事の復習になりますが、ファンタジースプリングスは泉の精霊が生み出した"虚構"の世界。
3つの物語の世界があたかも本物かのように広がっていますが、すべて精霊による"記憶"です。

ん?記憶...?
さっそく考察しがいのありそうなワードが出てきましたね。

その"記憶"の中で、各物語の登場人物(主要キャラ、キャストさん)が意思を持って我々ゲストをもてなしてくれている、というのが私の考えです。
精霊が自分の庭に世界観をコピーした後は、意思を持った登場人物たちが新たな物語を紡いでいくため、「ピーターパンのネバーランドアドベンチャー」「フェアリーティンカーベルのビジーバギー」のような映画にはないストーリーを目の当たりにし、アナ雪エリア=フローズンキングダムでは城の門が開かれ晩餐会やフィヨルドの船旅が開催されているのだと考えています。
※公式からそう言われてるわけじゃないよ、勘違いしないでね


精霊さんが物語のどこの時系列を見てきてコピーしたのかが、3つのエリアごとに違うんですね。
「ピーターパンのネバーランド」の場合は、ピーターパン1が終わったあとの時系列。
「フローズンキングダム」の場合もアナと雪の女王2のあとの時系列と言われており、
唯一「ラプンツェルの森」だけ、塔の上のラプンツェルの物語の序盤(まだラプンツェルが塔に監◯されているタイミング)の"記憶"がエリアに再現されています。

…という話を踏まえたうえで。
ファンタジースプリングスにある4つのアトラクションは、それぞれ"過去""現在""未来"をテーマにしているのではないかという持論がありまして、
FS考察の番外編という記事を過去に投稿した際に、実は当時「考察の種」としてご紹介した内容になります。
今日、満を持してこの種が花ひらくときです。

簡単に復習すると、
「アナとエルサのフローズンジャーニー」はただのフィヨルドの船旅かと思いきや、過去に繰り広げられたアナとエルサの物語を目の当たりにする"過去"をテーマにしたアトラクション。
「ラプンツェルのランタンフェスティバル」は映画の序盤と同じ時系列からモブキャラとして年に一度のランタンフェスティバルに向かうという、まさに今、映画の時系列をなぞっている"現在"がテーマのアトラクション。
「ピーターパンのネバーランドアドベンチャー」「フェアリーティンカーベルのビジーバギー」は、ピーターパン1のウェンディたちの冒険が終わったあとの"未来"を舞台にしたアトラクションです。

過去・現在・未来をそれぞれ象徴するアトラクションがファンタジースプリングスにはあるというお話、まずはご理解いただけているでしょうか?
この前提から妄想を膨らませていきますが、重要なのは「泉の精霊」「ゲスト」「物語の住民」という三者がどういう立場なのかを把握しておくことです。

ここは泉の精霊が自由に物語の世界をカスタマイズできるお庭。
「塔の上のラプンツェル」は中途半端な時系列で自分の庭にコピーしてしまっていますが、精霊は小川をたどっていくことでいろんな世界線の物語にワープができ、かつそのコピーを作り出せるので、絶対不動のメタ的存在といえるでしょう。
一方、物語の住民は精霊によって生み出され命を吹き込まれた存在で、その物語の中に閉じ込められた、一番視座の低い立ち位置にいます。各エリアのキャストさんがその最たる例です。

では我々ゲスト=冒険者はどうかというと、どちらにもなりうる存在です。
それぞれの物語を映画として鑑賞できるという意味ではメタ的な存在だし、同時に、物語の中に入った瞬間そこのモブキャラとしてもてなされるという、どっちつかずな二重の側面を持ちます。
※物語の舞台をそっくりそのままコピーできる精霊の力にはどう頑張ってもかなわないので、やはり一番視座が高いところにいるのは泉の精霊です


ここから先は、「泉の精霊」「ゲスト」「物語の住民」の三者に分けて、各アトラクションで起こる出来事が誰にとって想定内・想定外なのかを整理して考えていきましょう。

三者の関係は流動的に近づいたり遠ざかったりするものの、それぞれに大きな隔たりがある。真ん中にいるゲスト=冒険者のみがいろいろな立ち位置に行くことができ、モブ視点と神視点を同時に持つ場面も。

まず「ピーターパンのネバーランドアドベンチャー」と「フェアリーティンカーベルのビジーバギー」。
先ほども申した通り、ピーターパン1のあとの時系列を精霊がコピーし、その世界の中でゲストはロストキッズ認定されます。
映画のあとの世界なので、ここで繰り広げられるストーリーはすべてロストキッズたち次第。精霊の"記憶"にもないオリジナルストーリーです。
ロストキッズとして迷い込んできた(?)ゲストが船に乗りながら空を飛んだり、妖精と同じ大きさになったりすることは、ゲストからしたら"想定外=ハイライト"だと捉えられますが、さらに俯瞰的な立場である泉の精霊からしたら「ふーん」くらいの出来事でしょう。時系列が入れ替わって時空が歪む、なんてことは特に起きていません。

次に「ラプンツェルのランタンフェスティバル」。
このアトラクションは結構解釈が難しく、かつとても奥深いです。
ゲストは映画「塔の上のラプンツェル」のモブキャラ的な立ち位置。なのでボートハウスのキャストさん同様、塔の上でずーーっと歌ってる少女がコロナ王国の王女だなんて知りません。
しかし同時に、我々ゲストは「塔の上のラプンツェル」という物語を俯瞰しているメタ的な立ち位置でもあります。映画の結末を我々は知っていますよね。
なので、このアトラクションで起こる「ラプンツェルが塔から降りてユージーンとのデートに出くわす」という光景は、モブキャラとしては"想定外の出来事"だけど、物語を俯瞰する立場からすればもう知ってるよ〜という"想定内の話"
ゲストに2つの立ち位置が与えられるという過去になかったタイプで、そこからいろんな解釈が生み出せるので、個人的にはかなり好きなアトラクションです。

最後に「アナとエルサのフローズンジャーニー」。
アレンデールを訪れた観光客=モブキャラのゲストは、城の離れから「アレンデールロイヤルツアー」という夜のフィヨルドを巡る船のツアーに参加します。
ところが出発してまもなく、トロールの魔法(とゲストの強いイマジネーション)によって、"ちょっと昔"にあった"とても仲のいいお姫様の姉妹"の物語を目撃。
それこそ映画のように平面的に見ているわけではなく、またVRゴーグルのように仮想世界を360度見回して…とかでもありません。ガチで時間が遡って過去の物語の世界に飛ばされます。
そして物語を見るゲストの感情に合わせて、ボートがわけわかんない動きをする…
これにはさすがに、モブキャラであるゲストはもちろん、神視点で俯瞰している泉の精霊もびっくりな現象でしょう。
自分がコピーした前の時系列に物語のモブキャラがタイムスリップしているわけなので、泉の精霊にとっても"想定外の出来事"が起きている唯一のアトラクションだと結論づけてよいのではないでしょうか?

こういうイメージですよね。アナ雪1のストーリーを示す矢印がそっくりそのまま今に移ってきた感じ。


…もう十分やかましくなっているのは重々承知しておりますが笑、本記事のゴールである"時空歪曲説"に少し近づいてきたのがおわかりでしょうか?
ファンタジースプリングスという精霊が生み出した魔法の泉でゲストが体験する"想定外の出来事"のうち、「アナとエルサのフローズンジャーニー」では時空の歪みが起き、それ以外では起こらないという事実を導くことができるのです。

このことを踏まえたうえで、他エリアに話を広げていきましょう!


"想定外の出来事"で時空を超える

これも前回の「ファンタジースプリングスは〜自己紹介である」記事の復習ですが、海が8つのパラレルワールドをつなぐという私の持論をもとにすると、海の源となる川、さらにその源となる泉があると考えるのが自然の摂理(?)です。
パラレルワールドのワープを可能にする海の源こそ、泉をテーマにしたファンタジースプリングスだと考えています。
※なぜこの説を支持するに至ったかは前回記事を参照してね

このうざったい雑画像を2回も使うことになるとはね…()

であるならば。
他のエリアで起こっている"想定外の出来事"も、ファンタジースプリングスに起因していると考えるのが自然かと思います。

そして、そのファンタジースプリングスで"想定外の出来事"を経験してきたのは、紛れもなく我々ゲストです。
ファンタジースプリングスで体験する"想定外の出来事"が源となり、イマジネーションがより膨らむ。
そのままパラレルワールドを渡ってきて、他のテーマポートでも過去や未来に思いを馳せるイマジネーションが醸成されることから、時空を超えた冒険も可能になる…
あのとき、アナとエルサの過去の物語に飛ばされたときのように。

ゲスト=冒険者の凄まじいイマジネーション力は、ファンタジースプリングスでの"想定外の出来事"に由来するものである。
過去にタイムスリップをする"想定外の出来事"を経験したことから、そのイマジネーション力には時空をも歪めるパワーがある。

…これが、"時空歪曲説"をファンタジースプリングス絡めて考察したときの私の答えです。

わかりやすい例が「ソアリン:ファンタスティック・フライト」。
"イマジネーションで時空を超えた空の旅をする"と公式が言っているのでほんとにそのままなんですが、飛ばないはずのドリームフライヤーの模型で向かう先は、どう考えてもメディテレーニアンハーバーの時代設定である19世紀終わりとは思えない光景ばかり。
オペラハウスが建設されたのは1973年ですし、東京タワーが開業したのも1958年です。ていうかあの東京の夜の街並みはいくらなんでも現代すぎます。
つまり、"空への憧れ"という強すぎるイマジネーションが、ゲストを"未来"に連れて行ってくれたアトラクションといえますね。

そして、"未来"をテーマにしたファンタジースプリングスのアトラクションといえば…そう、妖精の粉で空を飛ぶ「ピーターパンのネバーランドアドベンチャー」です。
ネバーランドで空を飛んだという楽しい記憶と、アレンデールでの時空を超えた船旅が大きな伏線となるアトラクション、それこそ「ソアリン:ファンタスティック・フライト」なのではないでしょうか…!?
個人的にめちゃくちゃ激アツな説なんですが、みなさんいかがですか?着いてきてますか?()


最後にS.E.A.を絡めて本記事を締めたいと思います。
そんな神アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」の舞台であるファンタスティック・フライト・ミュージアムという博物館の2代目館長を務めるのが、S.E.A.初の女性会員であるカメリア・ファルコという人物です。
彼女のひたむきな努力と、その意志を受け継いだクソ強イマジネーションの持ち主であるゲストの共同作業により、彼女が発明したドリームフライヤーはとんでもなく華々しい功績となるわけですが、その一部始終を少し離れた要塞から見守っているおじさんがいます。
…そう、レオナルド・ダ・ヴィンチです。
※皆さん、こいつまじかって思ってますよね?私は至って真面目です

もちろんはるか昔に死んでいるはずなんですが、「フォートレス・エクスプロレーション」にて行われている"ザ・レオナルドチャレンジ"という謎解きプログラムに参加すると、彼がゲストを認識して話しかけてくるんです。
冒頭でも話した通り、彼はS.E.A.の創設期メンバーのひとり。時代は違えど、同じS.E.A.会員であるカメリアの功績には注目しているのではないでしょうか?
ドリームフライヤーで起きた時空の歪みを彼が目の当たりにして、「空間描写を行う"絵画"への時間的な拡がり」という着想を得た…それがルネサンス期に万能人として褒め称えられたゆえんなのだとしたら、我々が知っている歴史以上に発達した未来が待っているのではないか、、?

未来にワープした過去の人物が未来の産物から着想を得る、というタイムパラドックス的なお話は前回前々回でもお話ししていますが、
ファンタジースプリングス→ソアリン→レオナルド・ダ・ヴィンチ…とつながる壮大な物語は、ディズニーシー全体の時空を歪めるほどのパワーを持っているのかもしれませんね。


…というわけで、"時空歪曲説"をファンタジースプリングスから読み解く今回の内容、いかがでしたでしょうか?
妄想が暴走しすぎて何言ってんのかわかんなかったらほんとにすみません🙇💦笑

またひろひろ先生がこれを読んで納得してくれているかはだいぶ怪しい気がしていますが、この説が正解だと言いたいわけではないですし、私以上にイマジネーションに富んだ皆さんからのご指摘・ご感想もお待ちしております!
そして何より、今回の記事の大元となったひろひろ大先生による"時空歪曲説"の提唱に、心より感謝と敬意を込めて、この長ったらしい文章を終えたいと思います。


それでは、またのご来航お待ちしております⛵️
よい冒険を🌏
Thank you for coming and spending time where adventure and imagination set sail.




〈お知らせ1〉
2024年11月7日(木)の15:05、東京ディズニーランドで行われていたハロウィーンのスペシャルパレード、「ザ・ヴィランズ・ハロウィーン“Into the Frenzy”」のテーマ曲『MAKING MAGIC DAY AND NIGHT!』を私のYouTubeチャンネルでアップしました!!!🎉

この秋、月兎の心を何よりも弾ませてくれたこのパレードに、感謝を込めて、誠心誠意細かいところまで、とことんこだわって作りました。
自分ができる最大限の恩返しを、ぜひ聴いていただけると幸いです。

いいなと思っていただけたら、高評価や曲の感想・コメントお待ちしております。10メートルくらい跳び上がって喜びます。
相当な労力をかけて丁寧に作りきった、大事な宝物に仕上がりましたので、3分ちょっとだけ、耳を傾けてやってください。
どうぞよろしくお願いいたします!


🎃MAKING MAGIC DAY AND NIGHT!🦇
作曲:Adam Gubman & Danny Elfman
編曲:月兎
ジャケット画像:Chat GPTにより作成
参考:CAFUNE-かふね- 様

▼音源はこちら


〈お知らせ2〉
記事にしてほしい話題やテーマを随時募集しております!!
シーのアトラクションが1番の得意ジャンルですが、それ以外(ショー、レストラン、ショップについてなど)のリクエストでも大歓迎です✨
※noteのコメント欄、もしくはInstagramのDMにてご連絡ください
※ランドやディズニー映画のリクエストでも構いませんが、お応えできない可能性がありますのでご了承ください🙇

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