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何したいのかわからない陽キャのための謎アトラクション「レイジングスピリッツ」をぶった斬る

こんにちは、月兎です🌙🐇

私が大好きな東京ディズニーシーのテーマは、言うまでもなく「冒険とイマジネーション」です。
ここに来れば、誰もが勇気ある冒険家に、もしくは学に富んだ研究家になって様々な探検に出かけることができます。
そして、ゲストの豊かなイマジネーションによって、予想だにしない超常現象や神秘的な光景に出会うことができる...

私の記事で毎回と言ってもいいほど口酸っぱくお話ししている内容です。
いつもうるさくてすみませんね。

なので、(少し語弊があるかもしれませんが)我々ゲストは冒険家や科学者といった"高尚"な存在であり、本気で空を飛ぼうとしている人の博物館を訪れたり、本気で人類の役に立とうと地底や海底を調べまくってる人と一緒に調査したりと、比較的シリアスで"マジ"なシチュエーションのアトラクションが多いのが、ディズニーシーの魅力だなと思っています。

ところがどっこい。
(いい意味で)ふざけたテンションでツアーを企画している考古学者の助手がいたり、火と水が飛び交う危ない遺跡を駆け回るホッパーカーに乗りませんか?って誘ってきたりする、あまりにも向こうみずで無茶で、ノリが陽キャなテーマポートが一つだけ存在しています。
...そう、「ロストリバーデルタ」です。


危険だってわかってるのに「楽しそうだから行ってみようぜ!」って突っ込んで、案の定危険な目に遭う、冷静に考えたら意味わかんないアトラクションがこのエリアには2つあります。
しかも両方とも人気。みんな陽キャなんですね...()

その中でも特にパリピな「飛んで火に入る夏の虫」である、レイジングスピリッツの"本当の楽しみ方"についてお話ししていこうと思います!
今度乗るときはすごい冷めた目線で乗れるようになると思いますので、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです←


古代文明の発掘現場で...

こいt…このお方はどこが口なんですかね

「え、レイジングスピリッツってリゾート唯一の360度ループのジェットコースターでしょ?」という方もいらっしゃるかと思いますので、
まずはここがどんな舞台なのか、どんな背景の物語があるのかをお話しさせていただきます。

ここは元々、神をまつる祭祀場でした。
火の神「イクチュラコアトル」と水の神「アクトゥリクトゥリ」はとても気性が荒く、それを鎮めるべく、現地の人たちが定期的に儀式を行ってきました。
儀式を怠ってしまうと、火の神が火山を噴火させ、水の神が嵐を呼び町を襲うと言われています。

確かに火山が噴火し、あたりが火の海になってます。恐ろしすぎる…
こちらは嵐で雷雨がすごいことになってる壁画。渦巻状の模様が水の神を表すと昔キャストさんに教えてもらいました

※ちなみにこれははるか昔の古代文明の話ですが、いつの文明?どれくらい昔?っていういかにもBGS勢っぽい話は割愛いたします。
だってどうでもいいじゃん...()
モチーフになっているのは中央アメリカ周辺のマヤ文明やアステカ文明あたりですが、これらの文明をごっちゃにして作られたアトラクション(エリア)であり、そもそも現実世界とディズニーシー世界で同じ歴史を辿っているとも限らないので、この議論はあまり建設的ではないと考えています。このへんの話が知りたかったって方はすみません🙏
とにかく、"中央アメリカのジャングルで大昔に営われた古代文明の遺跡"という認識でOKです!


時は進み20世紀。
ハリケーンで"失われた河"の存在が明らかになり、「若さの泉」と呼ばれる幻の泉があるという神殿が見つかると、世界各国から考古学者やプロの発掘チームがやってきます。
その神殿にはあのインディアナジョーンズ博士が調査に入り、博士と同行してきたペンシルバニア州立アンドリュー大学のチームと一緒に、今も「若さの泉」についての調査が行われています。

そんな様子を見たロストリバーデルタの現地の人々は思いました。
「俺たちもこういう遺跡みたいなの見つけて復元したら楽しそうじゃね!」と。
※そう、この現地民たちがそもそも陽キャなのです

このアトラクションの重要なところはここ。
お隣のインディジョーンズの神殿とは違い、アマチュアの発掘チームが見つけて復元をしているのです。
ただ発掘をしている張本人たちは、プライドからか"セミプロ"を名乗っていますので、尊厳を損なわないようご注意を。

彼らなりに頑張って、解読班と発掘班で分かれてボロボロの遺跡の復元を目指します。
解読班が、古代の法典において火の神と水の神の顔を向かい合わせることが禁じられている事実を突き止めますが...時すでに遅し。
発掘班がノリと勘で復元していたもんですから、「こんな感じで向かい合わせたらいい感じじゃね?」っつって2体の神の石像を向かい合わせに置いてしまいます。
次の瞬間、石像の顔が怒りに満ち、火の神のまわりに炎がほとばしり、水の神の口からは滝のように水が流れ出て大パニック。

儀式で神々を鎮めている様子。確かに2体の神が背中合わせになっているのがわかりますね

神々の怒りはとどまることを知らず、発掘チームが敷いていたホッパーカーのレールを捻じ曲げてしまいます。
復元を行っていたアマチュア発掘チームはどうすればよいかわからず、どこかへ逃げてしまいました。

収拾のつかない状態まで荒れ果てた遺跡で、今に至るまで神々は怒り狂い、火が燃え続け水が流れ落ちています。
今もホッパーカーのレールは捻じ曲がったまま。その上を狂ったようにホッパーカーが運転手なしで駆け回る...
本来であれば立ち入り禁止となるはずの超危険な発掘現場、それが「レイジングスピリッツ」の舞台なのです。

ここの石の積み方とかアマチュアっぽいよね


無法状態の遺跡で、"想定外"の怒りに触れる

ではここでみなさんに問いましょう。
じゃあ、なんで我々ゲストは暴走したホッパーカーに乗せられるのでしょうか?


答えは...わかりません笑笑
これ、月兎の知識不足とかではないはずです。本当に、誰もわからないのですw

先ほども申したように、復元していたメンバーは神々の力に恐れ慄き、この場から逃げてしまいます。
唯一まともな考え方を持っている(←失礼)、発掘チームの解読班さえもここにはいないので、もうこの始末を止められる人は誰もいません。

しかし、火と水が暴れ、捻じ曲がったレールの上をホッパーカーが走り回る様子を見て、残った発掘チームの一部の人間がこんなバカなことを言い出します。

あれ、これ楽しそうじゃね?...と。

ロストリバーデルタは若さの泉を求める観光客で非常に賑わっています。
そんな観光客に、アクティビティとしてスリル満点の体験を楽しんでもらおうじゃないか!

そんなことを考えてしまったが最後、我々ゲストは危険すぎる探検に出かけるハメになるのです...


だんだん、私の言わんとしていることが伝わってきましたでしょうか?笑

一応このアトラクションでは、ゲストのことを「冒険家」と呼び、この遺跡の謎を解き明かすための探検に出かけるという体になっています。
しかし、その裏には「俺たちじゃなんもわかんないから原因の追究よろしく!まぁわかんなくても楽しめればいいっしょ!」っていう、あまりにも無責任で陽キャすぎるクソ発掘チーム(言い過ぎ)の思惑が隠れているのです。

そして、こういう話を知っているゲストも少ないので、思惑通りゲストはスーパーデンジャラスホッパーカーを楽しんで帰ってきてしまいます。
結局神々の怒りを鎮める方法はわからず、でも楽しけりゃオールOK!で済まされている、ディズニーシー随一の謎アトラクション、というわけなのです。

深いようでぺらっぺらなバックグラウンドストーリーを持つレイジングスピリッツくんのお話、理解いただけましたでしょうか?笑

では最後に、このアトラクションにおける"想定外の出来事"について妄想・考察させていただきます。

▼ディズニーシーのアトラクションで味わうことになる"想定外の出来事"については以下参照


神によってレールが捻じ曲がっていることまでは、発掘チームのみなさん=キャストさんも知っていることです。
ではこのアトラクションに乗っている1分半の間で、キャストさんが予期していない"想定外の出来事"とは一体どこなのか?

結論から言うと、私は「一回転ループ〜最後の右カーブ(スモークの中を通るところ)」の間だと考えています。

レイジングスピリッツって最初大きく2回落ちるじゃないですか。
その前後って比較的穏やかに進むんですよね。これなんでだろうって気にしたことありますでしょうか?(ないよね普通)
※ちなみにこのアトラクションは、ディズニーランドパリにある「インディ・ジョーンズ:テンプル・オブ・ペリル」と同じコースレイアウトで、パリのこのローラーコースターをディズニーシーに輸入してできたアトラクションであることは先にお伝えしておきます。

この最初の2回のドロップと、一回転の前の左カーブ(一番スピードが出るところ)が、発掘チームが見えているホッパーカーのレールなのではないかと思うのです。
これを見て、「お!楽しそうじゃん!(まあ命に危険が及ぶほどじゃないっしょ)」みたいな感じで、探検ツアーを企画したんだと考えています。

確かに外からは、この左カーブのあとがどうなっているのかよく見えない作りになっているんですよね…

しかし、スモークの中を突っ込んでいったらなんと360度一回転
そのまま長い右カーブに突入しますが、外部的な要因(神々の怒り)によって段々スピードが早くなり、"予想だにしない"スリルを味わうことになります。
※ここ一番楽しい

そして最後の右カーブで再度スモークの中をくぐり、降り場に到着します。

なので、このスモークが"想定外の出来事"の始まりと終わりを示しているんじゃないかと、そんな風に思うのです。
すごい綺麗な構成だと思いませんか...!?
これぞまさにディズニーシーって感じでたまりませんね←


そしてこのスモークは、火の神の炎と水の神の水がぶつかり合うことで発生します。
超常現象が起こる始点と終点を示すサインとしても完璧です...!

火の神を取り囲むように急カーブ。真横で火の神の逆鱗に触れるシーンです


というわけで、今回はレイジングスピリッツについてお話ししました。

自分はどちらかといえば陰のほうの人間なので、このアトラクションの陽のノリに対して疑問を呈する迷惑冒険家を演じながら乗っています()

自分と同じ陰キャな方は「何させられてんの...?」ってぶつぶつ言いながら乗りましょう。
陽キャな皆さんは、「ちょっと!こんな目に遭うなんて聞いてないんですけど!!でも、たーのしーー!✌️」って言いながら乗るのが正解です笑

...とは言いつつ、乗り場のキャストさんの元気な「アディオスアミーゴ!」の掛け声を聞いて、私も陽キャの気分を味わいたいのかもしれません。
陰キャが陽キャを擬似体験できる素晴らしいアトラクション、皆さんもぜひ楽しみましょうね(どんな締め方やねんw)


それでは、またのご来航お待ちしております⛵️
よい冒険を🌏

※参考記事
https://www.tokyodisneyresort.jp/tdrblog/detail/180914/
https://www.tokyodisneyresort.jp/tdrblog/detail/220825/

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